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【買ってはいけない】岡安盛男のFX極

日本の伝統技能の後継者が育たない最大の原因のひとつは
職人たちがことばが不自由だというところにある。
見て覚えろ、技は盗むものだと言うと聞こえはいいが
ことばで伝達する能力が職人たちにないことを意味する。
つまりは言語化できないということに尽きる。
和食職人の技をきちんと言語化しさえすれば
その8割は家庭の主婦でもできることである。

言語化とはすなわちロゴス化である。
西洋文明は真理のロゴス化への飽くなき追求であった。
天地万物の創造主たる神ですら御自身をロゴス化した。

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初めに言(ロゴス)があった。言は神と共にあった。言は神であった。

ロゴス化されたものはロジックとなる。

なぜこんなはなしから始めたかと言うと
岡安盛男のFX極は自分の手法を言語化できない職人による
全くもって役に立たない教材だからだ。
言語化できない手法はどれほど優れていようとも
第三者にとって無価値である。

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FXが全く初めてという向きには基礎編はためになるだろう。
とはいえ3万円払って拝聴する内容ではない。
もっとわかりやすくて、もっと詳しい解説が
YouTubeに無料でいくらでも転がっている。

基礎編が小学校の算数だとしたら、応用編は大学受験の数学である。
基礎編の内容が必要な人に応用編は理解できない。
応用編に納得する人なら基礎編は無用だ。

応用編を理解はしても実戦で使うことはできない。
ルール化されていない、ロジックがない、再現性がない。
38年のディーラー経験に寄りかかった職人の相場観だからだ。

前々日のNY市場の終値
前日のNY市場の終値
前日の最高値と最安値、と聞いて
「それなら月60万稼げるのはもっともだ」と言える人は
この教材を買えばいい。
これだけの情報から当日の東京市場が上か下かを予想して
指値と決済指値と決済逆指値を適切な価格に置くことは無理だと思うなら
この教材を買ったことをきっと後悔する。

私ほどのベテランになると朝7分ほどチャートを見るだけで
予約注文を入れてほったらかしで月60万稼げちゃいますという話を
3万払って聞きたい自虐嗜好の持ち主にはぜひとも購入をおすすめする。

30万でも安すぎるが特別に3万で販売するとのことだが
300円の値打ちもない。

追記的に書き添えるならば、「前日の終値、最高値、最安値」とは
要するにピボットである。前日のピボットと当日のピボットを比較して
当日が上ならば買い目線、下なら売り目線、同水準ならレンジという判断。
ディーラー歴38年の職人的相場観など持ち合わせずとも
ピボットを表示すれば初心者でもこの商材の手法を手軽に実践できる。
それどころか、岡安手法よりきめ細やかで精確なトレードができるだろう。

「プロの為替ディーラーはピボット使ってます」とひとこと言えば済む。
大仰な経歴をひけらかして「ピボット」という単語を一切使わずに
3万円で売りつけるというのはいかがなものか。

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