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転職日記その6 やたらとやる気がないのは

11月になった頃。
転職エージェントの方と、ほとんど連絡を取らなくなった。
正確にいうと、取りたくなくなった。
やる気のない状態の自分をだめだと叱咤する気持ちはひとまず置いて、考えた。

やってみたいことの抽象度が高いのか、話が長くなるし、うまく表現できない。居場所をつくるとか、人と向き合うとか。

そんな仕事はなかなか無い、強いていうなら人事とかだけど未経験だとやっぱり厳しいと思う、と言われてますます表現できない。

なんでも聞いてくださいと言われて、何をどう聞いて相談していいかもわからない。そうこうしているうちに、生きるのが下手すぎて嫌になる瞬間がまたやってきた。

「あなたが提供できる価値ってなんなんですか?」

こう聞かれて、なんなのかすぐ答えられなかった。エージェントさんも一経営者だ。とりとめもないぐだぐだ話を聞くのも限界だったんだと思う。

「(そんなのきっとないんでしょ?ないからそんな風にしか言えないんでしょ?)」

見えない言葉がくっついているような気がした。
こういう時、私は勝手に思考の中で自分を傷つけがちだ。他人に傷つけられるよりも、自分で傷つけるほうがマシだから、そうしてしまうのかもしれない。

とはいえ答えられないってことは、価値がないに等しいわけだし、そう言われても仕方ない。自分が無価値だと思う瞬間ほど虚しいものはない。

価値って、なんなんだろう。
自分以外の誰かがそれを価値と認めない限り、価値だと言えないのはきっとその通りで。

屋上の貯水槽だって、そこにある価値が認められているから存在するわけで。

この世の中、誰かが自分の価値を探して表現してくれるほどに親身になってくれる人はほんとうに少ない。
結局、自分で表現しないことには誰かの目に触れることもないし、価値なのかどうか判断する土俵にさえ立てていないということなんだと思う。

グサッと刺さる言葉をかけられたからこそ、考えるきっかけをもらえてありがたい。
あとは、考えられる時間と精神的な余裕がある状態に身をおくことができている。
これがすごくラッキーだってことを、心に留めておきたい。

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