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【グノーシア感想】「瞬く間に過ぎた星の旅」

#ネタバレ
※グノーシアのネタバレを含みます。プレイ中の方や未プレイの方は、グノーシアを完走してからの閲覧を強く推奨します。





グノーシアを真エンドまでクリアしました。
今までの人生の中でも、かなり深く刺さったゲームだと思います。
まずグノーシアの魅力として挙げられるのが、14人のキャラクター全員に”質感”があることだと思います。一人ひとりに性格があって、過去があって、思想があって、「生きている」と感じられる。だからこそ旅の終わりには全員を好きになっていたし、エンディングを見ながらみんながこれから進む道に思いを馳せました。
それぞれのキャラクターに存在感があることによるゲーム性との噛み合いも面白いなと思いました。物語が進む/周回が重なるにつれて各キャラのことを知っていくので、「この子はこういう性格だから、こうだろう」「こういう経緯/過去があるから、こうしているのかもしれない」という人読みができるのは本来の人狼ゲームではあまりない類の面白さだと思います。
大体の場合は議論を進めながら、イベントが発生するごとにキャラの魅力を知って、そのキャラを好きになる……という流れでしたが、ものによっては難度の高いイベントもあって大変でした。特に格納庫を調べるイベントがキツかったです。ジョナスを退場させつつセツを生き延びさせつつ勝たないといけないのがね……

序盤は「面白いゲーム性だな」で惹かれてプレイしていたのですが、明確にこのゲームにハマったタイミングは中盤に起こったジナのイベント。
グノーシアとして自分だけが残ったタイミング。デブリで傷ついた船を、船外に出て修理した後。もうグノーシアはいないと告げて、自ら宇宙へと消えていったジナ。
あの瞬間、夜にも関わらず大声で「ジナ!!!」と叫んでしまった。
結果の画面を見ながら、手足を投げ出して呆然とすることしかできなかった。
あそこでジナという人間の不器用な誠実さに、真っ直ぐさに揺さぶられてしまった。
あの時点で、このゲームはヤバい、最後まで見届けたいという気持ちになりました。

見たイベントはだいたい全部好きなんですけど、せっかくなので今感想を書いていて「印象的だったなあ」というイベントに触れます もちろんここに書いたもの以外のイベントもよかったです

①ジナが船を修理するイベント
上記で語っているのですが、このイベントの直後、グノーシアをクリアしている人と話した際に「ジナのこと好きになっちゃうよこんなの……」と言いました。最終的にそれ全員に言う羽目になったんですけど。

②しげみちとジョナスがゲームで対戦するイベント
爆笑しました。ジョナスが勝ってうっかりグノーシアだと漏らしたのに全然余裕そうに「フフ……」とか言ってて笑っちゃった。普段かわいそうな目に遭ってばっかのレムナンもこの時ばかりは楽しそうな一人の男の子になっててよかった。その前に怖いイベント見てたのでほっこりもしました。

③粘菌が船を襲うイベント
普通にめっちゃ怖かったし、このイベントのせいでその日寝る準備をするのが大変でした。
でも、沙明という人物の魅力を知れる良いイベントでした。ジョナスは反省しろ。
ジョナスに水を差されたからといって反転してその場で全員を襲うのではなく、呆れて「起こすなよ」と言い残してコールドスリープしたのが良かったです。あたたかみを貰ったから、もういいやって思ったんだろうな。性格が良いとは言えないけど、でも情があるんだよな。

④一度ループを忘れてセツと遊ぶイベント
自分は映画を見ました。いつの間にかしげみちが来てたし、しかもしげみちとセツと手を繋いで映画を見ることになったので笑っちゃった。でもセツがちょっと休めたみたいで嬉しかった。これがセツの印象にも残っていて、真エンドを迎えるきっかけにもなったのがまた嬉しかったな。しげみちが待っててくれたのも嬉しかった。なんだかんだ憎めないやつなんだよな。

⑤自分がグノーシアで、SQと二人だけで生き残るイベント
最後に回収したイベントです。そのこともあってか、本当に印象的だった。この時まではSQという人物に対して「刹那的で本心が分からない、扱いが難しい子」という印象があったのですが、このイベントによって「歪んでいるけれど、それでも本当は小さくていつも不安な子なのか」と思いました。あんな涙を流す子なんだって知らなかった。でも、知れてよかった。エンディング後にジナと一緒に過ごしたならよかったなと思います。ジナはいいやつなので……

⑥再び、見送ったセツに会ってからのイベント
セツが扉をくぐって、セツだけがいないタイトル画面を見て、ぐしょぐしょに泣いて「でもセツがいなきゃ意味がない」と言いながら辿り着いた真エンド。
セツが数多のループを経た上で得た情報から最良の結末を導き出したのが凄かったし気持ちよかった。カッコよかった。セツってそういうところあるよな……。ここのイベントでいろんなことの点と点が線で繋がって面白かった。セツは「自分に助けられて恩がある」と言っていたけれど、支えられて助けられていたのはこっちだってそうなんだよな。きっとセツの銀の鍵と自分の銀の鍵の特記事項は違ったんだろうな。セツの方には自分が入ってた訳だしね。自分の特記事項にはどんなことが書かれていたのかな。

他にもコメットと船長・副船長になって船旅を約束するのもよかったし、バグになったオトメが自らコールドスリープするのもグッときたし、セツがループすることになった周でラキオが全てわかってるみたいに銀の鍵と置手紙を目立つ場所に置いてったのもよかったし……
最終的に見たイベントのほぼ全部を書くことになるから、とりあえずこれぐらいにしておこう。

そして……
セツが最後に言ってくれたことが、何より嬉しかった。
別次元から接続している自分を、プレイヤーを見て、ああ言ってくれた。
元より、自分が居なければ丸く収まっていたかもしれない物語で。
「そこに居てくれてありがとう」と言ってくれた。
だから、自分はこのゲームをプレイ出来てよかったと。みんなと旅ができてよかったと。
心からそう思います。

ありがとう、グノーシア。


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