【論説】維新は“首長選挙”について考え方を改めよ
12月10日、“ネット有料広告問題”で辞任した木村区長の後任を決める、江東区長選挙の投開票が行われた。五人が争う乱戦模様となったが、結果小池知事や都民Fが支援し、自民公明も推薦した大久保氏が5万6千票を超える得票で当選した。情勢調査で2番手についていた立憲民主党を中心とする野党勢力が推す酒井氏や、区議の三戸氏、江東関連の選挙で何度も出馬している猪野氏らは及ばなかったが、3氏はそれぞれ3万票を超える得票で存在感を見せつけた。
一方、“一人負け”と言わざるを得ないのは日本維新の会だ。維新は告示2日前に、医師の小暮という人物を推薦した。一週間、東京維新が総力戦を仕掛けたものの、結果僅か“1万票弱”の得票で落選となった。4番手にすらダブルスコア以上の差がつき、得票率もわずか7%で供託金も没収となった。
そもそもなぜ、維新は江東区長選挙で候補を擁立する事になったのか。発端は馬場代表が「チャンス」と記者会見で発言し擁立に意欲を示した事からだ。前任区長の辞任から区長選挙まで時間がなかったために、急ピッチで候補者選定作業が行われ、何名か小暮氏意外の名前もあがったという。
候補者自体は推薦発表より前の日にすでに決まっていたが、なぜ記者会見が2日前になったのかも重要なポイントになるだろう。
選挙戦が始まる前から、小暮氏の不審な動きはすでに生じていた。まずは「江東区民ファースト問題」である。小暮氏は、東京都政与党である「都民ファーストの会」と誤解するような団体で選挙を戦うとTwitterで書いた事が大炎上した。その後、一応名称は使わないとのことで釈明・謝罪で収まった。
投開票の結果、小暮氏は惨敗。単に準備不足であったというのも原因の1つであると言えるが、候補者本人の“質”にも極めて懐疑的である。
小暮氏は投開票の翌日11日に、『本日をもって維新との協力関係については区切りをつけ、それぞれ別の立場で活動していくことに致しました。 今後は私個人の意志として、再び「江東区民ファースト」の旗を掲げて活動してまいります。』と旨のツイートをした。
音喜多政調会長のツイートによると、選挙費用の精算や御礼挨拶周りなどが終わってから次のステップを考える話だったそうだが、どうやら小暮氏に裏切られた形だ。
そもそも、国政政党推薦で立候補して落選した翌日にこのような、もう維新とは関わりません、的な投稿をする小暮氏の神経が理解不能である。小暮氏個人を評価し投票した有権者もいれば、維新推薦が出たから次の4年を託そうとした有権者、地元金澤ゆい支部長の活動に感銘を受け、じゃあ投票しようとなった有権者も多いはずだ。落選後、どうされるのかは本人の自由意志だ。しかし、落選翌日にこれらの投稿をすることは、極めて非常識であると言わざるを得ず、推薦を受けた維新全体を敵に回したとも言える許し難い行為である。
このような最悪の候補を推薦した維新にも一定の責任が生じるだろう。今回は候補者が酷すぎたという話でまとめることもできるが、そもそも、無理矢理でも首長候補を擁立するべきだったのか。
先ほどもツイートしたが、首長選挙は、党の為の戦いではなくその地域をより良くするための戦いだ。確かに京都府八幡市長選挙の候補者など、惜しくも落選となったが、本気でその地域のために戦った候補者も数多くいる。
全国の首長選挙・目玉選挙に公認・推薦問わず積極擁立が目立つが、果たして何のために首長選挙に候補者を擁立するのか。その目的を見誤らないで欲しい。大阪で勝ち、奈良で勝ち、舞鶴でも勝ち。されど兵庫や東京では首長選挙は全敗だ。勝ちと負けの間には、維新の支持率の高低や地域の違いではなく、根本的な問題がある。有権者は賢いので見破っているのではないか。投票率が低い(=投票者における必然的に政治に関心のある層の割合が極めて多くなる)場合において維新が苦戦するのはこれも大きな要因なのでは。
首長選挙に対する姿勢・考え方等をもう一度改めるべきだ。
※下記は大した事書いていない(というより不特定多数がみられる状態で書くのはどうかという内容である)ので、もし気になる人がいれば是非、というレベルです。(江東の話メインです)
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