遊戯王OCG【KALEIDO SWORDSMAN】デッキ解説
どうもみなさん、「いなご」と申します。
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上記チャンネルでデュエル動画を投稿しましたが、ご覧いただけましたでしょうか?チャンネル史上トップクラスの戦いと言える、オススメ回です。
お題の通り、こちらではデッキ解説を記事として残しておきます。
2022年お披露目の完全新規のデッキということで、ここしばらくの自分のデッキの中でもかなりお気に入りのデッキとなりました、その魅力をここで詳しくお伝えしていきます。
「ミスティック・ソードマン」を知る
このデッキ名の由来でもある、「ミスティック・ソードマン LV6」。
アルティメットレア仕様の実物がとても素晴らしく、お気に入りの1枚なんですが、実際のデュエルでも彼を活躍させたい…ということで構築することにしました。
まずは、このカードのスペックを見ていきましょう。
初登場は2004年。遊戯王OCGの歴史の中では比較的初期の頃に登場しています(アニメ遊戯王DMの初回放送が最終盤の時期)。
「ミスティック・ソードマン」シリーズは、同時期に多数登場した「LV」モンスターの1種で、特定の条件を満たした場合に1段階上級の同名モンスターへ文字通りレベルアップするという特徴があります。
固有の効果としては、裏側守備表示モンスターに対してのメタ効果となっており、レベルアップするほどに攻撃力と拘束力が上がります。
第4期のブースターパック第2弾「RISE OF DESTINY」に収録となっていますが、関連カードは前弾の「SOUL OF THE DUELIST」で「ミスティック・ソードマン LV2」、「ミスティック・ソードマン LV4」が登場しています。
「ミスティック・ソードマン」シリーズは、「LV」モンスターの中でも特筆すべき次の3点が挙げられます。
1つ目は、固有効果とレベルアップ条件の矛盾。
裏側守備表示モンスターをダメージ計算を行わず破壊する効果であるにもかかわらず、レベルアップの条件は戦闘破壊することであるため、この効果を使ってしまうとレベルアップできません。しかもこれは強制効果のため、『戦闘破壊できるステータスの裏側守備表示モンスターには効果を使わずそのまま戦闘破壊する』という選択肢がありません。
2つ目は、「LV」モンスターの召喚条件。
同じく「LV」モンスターの「アームド・ドラゴン LV7」や「ホルスの黒炎竜 LV8」等は、『「~ LV〇」の効果でのみ特殊召喚できる。』のように、高レベルになるほど特殊召喚の条件が厳しくなるのですが、「ミスティック・ソードマン」シリーズは特殊召喚の条件が一切ありません。逆に、「LV4」と「LV6」は通常召喚に対して条件が設けられており、その際には注意が必要です。
3つ目は、レベルアップ以外でも効果を発揮できること。
例えば「アルティメット・インセクト LV7」の場合、「アルティメット・インセクト LV5」の効果で特殊召喚していなければ効果が適用できなかったりしますが、「ミスティック・ソードマン」シリーズにはそれがありません。
上記3点を考慮すると、無理にレベルアップを狙う必要がなく、各レベルで単体の運用が最も現実的であるという、「LV」モンスターにあるまじきデザインとなっています。
コンセプトの決定
ということで、単体で比較した際に効果が最も強力な「ミスティック・ソードマン LV6」を使うことに。
攻撃対象の裏側守備表示モンスターを裏のまま破壊し、さらに墓地へ送らず相手のデッキの一番上に戻してしまう効果は、1万を超える現在のカードプールにおいても珍しい効果となっています。
攻撃を通す必要はあるものの、ダメージステップ開始時に発動するため、効果自体は邪魔されにくく、攻撃力の低さも気にならないため、相手の「リンクリボー」を無視できるのもメリットです。
レベルアップしないことを前提として、特殊召喚の手段と、効果を有効に使える状況の構想に入ったところでたどり着いたのが、ペンデュラム召喚でした。
※以下、次のように読み替える。
・「ペンデュラム」⇒「P」
・「エクストラ」⇒「EX」
・「エクシーズ」⇒「X」
P召喚ならば、手札から「ミスティック・ソードマン LV6」を特殊召喚でき、同じレベルの「EMカレイドスコーピオン」も一緒に出せば、そのモンスター効果で全体攻撃を付与し、裏側守備表示モンスターを一網打尽にできるのでは…!
特殊召喚されたモンスターは、たとえ裏側守備表示になっていても『特殊召喚されたモンスター』であるという情報は有効であり、「EMカレイドスコーピオン」のモンスター効果の適用範囲である『特殊召喚されたモンスター』に該当します。
「ミスティック・ソードマン LV6」の効果は1ターンに1度の発動制限がないため、攻撃回数を増やすことで、数ターンに渡ってドローロックとなる状況を作り出せる可能性もあります。
これで、このデッキの方向性は決まりました。
デッキレシピ
Pモンスターである「EM」カード及び「オッドアイズ」カードを中心に据え、必要なカードを数ターンかけて揃えていきます。
「闇の護封剣」や「世海龍ジーランティス」、「ゴーストリック」カードと「ヴァレルガード・ドラゴン」のコンボによる裏側守備表示コントロールで相手のテンポを奪い、「ミスティック・ソードマン LV6」の攻撃でドローロックを狙います。
P召喚で「EMカレイドスコーピオン」と並べられれば、全体攻撃で相手の裏側守備表示モンスターを一掃でき、理想的な活躍を演出できます。
採用カードの解説 戦士族編
初動として、「サイキック・リフレクター」の特殊召喚を前提とした「ギガンテック・ファイター/バスター」の特殊召喚を狙います。
「バスター・モード」はデッキからしか特殊召喚できないため、「/バスター」本体を引いてしまうと死に札となってしまう、特殊召喚時の効果はタイミングを逃すことがある等、扱いが難しいカードではありますが、スペック自体はなかなかのものです。
このデッキにおいて戦士族は少数精鋭で構成されていますが、墓地送りの筆頭候補は「パペット・ポーン」、「新鋭の女戦士」の2体です。
近年の戦士族・地属性サポートにより、同じ「LV」モンスターの中でも孤立状態であった「ミスティック・ソードマン」にも光を当てやすくなってきました。
「パペット・ポーン」は、ハイリスクではあるものの「ミスティック・ソードマン LV6」を直接デッキから手札に加えられるため、率先して使っていきたいカードです。
「EMダグ・ダガーマン」もこの恩恵を受けられるため、Pモンスターの頭数が欲しい場合はこちらを手札に加えます。
単体運用でも「プロモーション」につながるデザインになっていて、その効果により「ミスティック・ソードマン LV6」をデッキから特殊召喚するという、疑似的なレベルアップを再現できます。
「新鋭の女戦士」は、逆に墓地から手札に加える効果で、デメリットも特にないため優秀なサポートです。
おまけレベルではあるものの、①の効果は、攻撃力に不安のある「ミスティック・ソードマン LV6」が攻撃表示のモンスターにも強く出られるため、相性バツグンです。
「切り盛り隊長」は、通常召喚の権利を消費するものの、このデッキでは貴重な手札をデッキに戻せるカードで、さらにドローしたカードがモンスターなら特殊召喚もできますが、デッキに占めるモンスターの割合が多いため、成功率は高めです。
自身は「プロモーション」の墓地送りの対象にでき、「ミスティック・ソードマン LV6」につなげることができます。
「セリオンズ“ブルズ”アイン」は、「ギガンテック・ファイター/バスター」とのシナジーを期待して採用しています。
②の効果で自身を破壊した際に、①で装備した「ギガンテック・ファイター/バスター」が装備対象不在によりルールによって破壊されますが、この時「ギガンテック・ファイター」を特殊召喚する効果が使えます。
戦士族・炎属性のため、「パペット・ポーン」に対応しないので素引き前提のカードとなってはいますが、単体で特殊召喚でき、その効果から攻撃前の露払いとして良い働きをしてくれます。
採用カードの解説 Pモンスター編
今回「EM」カードに初めて触れることになり、とても勉強になりました。その中でも今回は、Pモンスターの「EM」カードたちを中心に採用しています。
序盤の守りとして頼もしいこのカード、実際に使ってみると結構な安心感があります。
直接攻撃を無効にしたうえで、安全に「EM」モンスターを呼ぶことができ、追撃にも備えることができます。
①の効果で特殊召喚したモンスターは効果が無効になるものの、「EMジェントルード」や「EMリターンタンタン」ならば有効に立ち回れます。
②の戦闘ダメージを0にする効果もありがたく、粘り強さが魅力です。
モンスター効果がどちらも便利で、P召喚において重要な『モンスターの頭数』と『Pスケールの確保』を同時に叶えてくれる、頼れるヤツ。
「EMピンチヘルパー」によって特殊召喚して壁にしつつ、①のモンスター効果の発動が期待できます。
②のモンスター効果は、自身をEXデッキから手札に加える効果。コストは、墓地でも効果が使える「EMオッドアイズ・バトラー」が適任です。「EMダグ・ダガーマン」のP効果で捨てた「EM」Pモンスターを回収すれば、実質ノーコストにもできます。
そして極めつけは、Pゾーンの「EM」カードを手札に戻せること。「EMダグ・ダガーマン」のP効果を使いまわしやすくなりました。
「EM」カードに限らず、EXデッキの表側表示のPモンスターを手札に加える効果は貴重で、Pスケールの確保に直結するためとても重要です。
『EXデッキの表側表示のPモンスターを手札に加える効果』として、このカードを採用。今後の禁止カード指定が危ぶまれる「ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム」を鑑みての保険でもあります。
Pモンスター側の初動となる「デュエリスト・アドベント」に対応しており、中盤以降で役割が持てます。
同じPスケールのモンスターは、スケール2、4、8に複数存在し、前述の「EMジェントルード」の存在から、このカードで低スケールの確保ができれば、P召喚につなぎやすくなります。
このデッキでP召喚したい本命のレベルは6であるため、使用機会に恵まれないスケール4のPモンスターも活躍できるのが良い感じです。
このデッキでは、「ゴーストリック・デュラハン」をX召喚するために必要なレベル1モンスターを、「ペンデュラムーチョ」のモンスター効果によってそろえる算段をとっています。
通常ではP召喚しにくいレベル1のPモンスターを活用できるようになり、自身のPスケールも0と、スペックは文句なしです。
相方とするレベル1のPモンスターは、主に次の2体です。
「EMチェーンジラフ」は、「メルフィー・パピィ」から特殊召喚可能なモンスターであり、そのモンスター効果により一定の拘束力があります。
「EMクラシックリボー」は防御に特化した効果になっていて、「EMジェントルード」の①のモンスター効果でPゾーンに置けば、追撃をシャットアウトできます。
X素材から取り除かれると墓地へ送られるため、「ペンデュラムーチョ」の除外デメリットを回避できます。墓地で発動する効果を有する性質上、X召喚の素材とすること自体がメリットとなっています。
採用カードの解説 レベル2編
レベル2モンスターの概念を完全に塗り替えた、「ギガンティック・スプライト」。
このデッキでは、1ターン内に連続して使用する機会もある「ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム」や「軌跡の魔術師」等のリンク2モンスターもX召喚の素材として使用でき、棒立ちにしてしまいがちなこれらのモンスターをまとめられるのが画期的。この方法で出せば、ランク2としては破格の攻撃力も得られます。
②の効果で、デッキから任意のレベル2モンスターを特殊召喚でき、限られたデッキのスロットを有効に使えます。「水晶機巧-ハリファイバー」の時もそうでしたが、デッキから任意のモンスターを特殊召喚できることがいかに優秀であるかがわかります。
「生きる偲びのシルキィ」は、「シューティング・ライザー・ドラゴン」で墓地へ送ったり、「バトル・スタン・ソニック」で特殊召喚し、その後の裏側守備表示コントロールにつなげます。
「ミスティック・ソードマン LV6」の標的を作り出すことができ、自分の「ゴーストリック」モンスターを裏側守備表示にすることで「ゴーストリック・パニック」の対象に含めることもできます。
自身の効果で特殊召喚していると、フィールドから離れる場合に除外されますが、X召喚の素材にすることで再利用が狙えます。
「ギガンティック・スプライト」で特殊召喚する筆頭候補です。
「メルフィー・キャシィ」を経由して「鉄獣戦線 ケラス」を加え、自分ターンの準備をしたり、獣族の「EM」モンスターを直接特殊召喚して様子を見たり、器用な動きが可能です。
採用カードの解説 裏側守備表示編
「ゴーストリックの妖精」と「ヴァレルガード・ドラゴン」により、相手モンスターの展開に合わせて、裏側守備表示にしてしまうことでテンポアドバンテージを得て、返しのターンに「ミスティック・ソードマン LV6」でデッキに戻してしまうというのが、このデッキの目指す動きです。
「ゴーストリックの妖精」の②の効果は、タイミングを逃す任意効果のため注意が必要ですが、「ヴァレルガード・ドラゴン」の③の効果は相手にチェーンされないため、チェーン1でこの効果を使えば確実に「ゴーストリックの妖精」の②の効果を使えます。
コンボが成功すれば、複数の相手モンスターを裏側守備表示にできる可能性が高いため、全体攻撃のチャンスです。
モンスター効果以外で似た状況を再現できるように、「闇の護封剣」を採用しました。
この枠は「皆既月食の書」のような類似カードたちとの入れ替わりとなるのですが、今回は派手さと返しの効率を考慮してこのカードにしました。
「ミスティック・ソードマン LV6」共々、古くから存在するカードで、全体攻撃が可能になった現在では最高の相性を誇ります。
対象を取らず、リンクモンスターを除く全てのモンスターを黙らせることができるため、単体でもかなり頼りになります。
「世海龍ジーランティス」は、この記事投稿時点で最新のブースターパック「DARKWING BLAST」で登場したリンクモンスターです。
その召喚条件は『効果モンスター1体以上』という、これまでのリンク2以上のモンスターの常識を覆すもの。これはつまり、リンク4のモンスター1体を素材に、このカードをリンク召喚できるということです。
このデッキにおいては、「鉄獣戦線 ケラス」を使用するルートで「鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ」を特殊召喚できますが、①の効果で除外による除去を挟んだうえで、即座にリンク素材として墓地へ送ることができ、②の効果で「ペンデュラムーチョ」を手札に加えることができます。
これだけでも優秀な組み合わせなんですが、実は「ミスティック・ソードマン LV6」とも相性が最高なんです。
このカードの②の効果は、『フィールドのモンスターを全て除外し、再びフィールドに特殊召喚する』というものですが、この時、それぞれのモンスターの配置と表示形式を自分の意思で任意に選択できるということが重要です。
表示形式の選択範囲は『表側表示または裏側守備表示』であり、さらにこれらのモンスターは特殊召喚されるため、「EMカレイドスコーピオン」のモンスター効果の適用範囲に自動的に含まれることになります。
相手モンスターを全て裏側守備表示で特殊召喚してやれば、「ミスティック・ソードマン LV6」による全体攻撃の状況を再現できるわけです。
また、「ゴーストリック」Xモンスターは自力で裏側守備表示になることはできませんが、この効果で除外後に裏側守備表示で特殊召喚すれば、「ゴーストック・パニック」の効果対象として利用できるようにもなります。
自身も含めて除外後に特殊召喚するため、メインモンスターゾーンに横向きのリンクマーカーが向くことでEXデッキからのP召喚にも貢献してくれます。魔法・罠カードに対しては影響を与えないため、自分のPゾーンのカードが流されてしまうこともありません。
以上のように、効果自体は大味なものですが、このデッキが目指すコンボの理由付けとしてこれ以上に相性の良いカードというのもそう多くはないでしょう。
採用カードの解説 浪漫編
「ミスティック・ソードマン LV6」の宿命として、自身が相手にダメージを与えて決着することがほぼないというのがあります。
裏側守備表示となった相手モンスターを全滅させたとしても、相手のライフを削るには、そこからさらにモンスターの攻撃が必要になります。
そこで選んだカードがこちら。
これまたレトロなカードですが、「ミスティック・ソードマン LV6」によってデッキの一番上に戻した相手モンスターを、そのままこちらの戦力に加えることができます。
現在では相手依存で『デッキの一番上に特定のカードが置かれる』状況というのも少ないながら存在していて、代表的なものとして「D-HERO ディナイアルガイ」の①の効果が挙げられます。
ただ、ハズレをめくった時のリスクも相まって、最終盤で決めるコンボのためだけに採用するには流石に浪漫が過ぎる…となったので、こんなカードを採用してみました。
「水晶機巧-ハリファイバー」亡き今、「シューティング・ライザー・ドラゴン」でレベル2モンスターを墓地へ送り、「幻影王 ハイド・ライド」と組み合わせて「ギガンテック・ファイター」へつなげる動きが不可能になりました。
「サイキック・リフレクター」で「シューティング・ライザー・ドラゴン」までは再現できますが、その場合「ギガンテック・ファイター」になるためには、チューナー以外のレベル3モンスターが別途必要となりました。
これを受けて、「緊急テレポート」のバリューを上げる目的で、初動へのつなぎとして使える「静寂のサイコウィッチ」とともに、「エレキック・ファイター」を採用することにしました。
その効果で相手の墓地のカードを相手のデッキの一番上か一番下に戻せるため、「徴兵令」があればモンスターを一番上に戻してコンボにつなげられ、それが叶わない場合でも、厄介なカードを相手のデッキの一番下に埋めてしまうといった、最低限の働きは望めます。
あとがき
以上、2022年お披露目の新デッキとして、お伝えしたいことをつまんで書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。
動画では「水晶機巧-ハリファイバー」の禁止前だったため、多少構築は変化しています。後に「ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム」が禁止カード指定を受けることになれば、再び抜本的な見直しが求められるでしょうね。
直接的なサポートがなかったところから、今ではチェスの「パペット」シリーズや「ウォークライ」等の登場で進歩してきています。これからさらに考え甲斐のある「ミスティック・ソードマン」の魅力が伝われば幸いです。
浪漫編のくだりも含め、採用カードの多くが『デュエル動画において、決まれば盛り上がるコンボ』という性格が強いため、オフ会イベントに持ち込む際はもう少しストイックな構築へと変更を加えると思います。その際は、是非デュエルしましょう。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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