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人気バトルロワイヤルゲーム『フォートナイト』にキング牧師が登場

まさかの組み合わせ。

生き残りをかけたサバイバルゲームである『フォートナイト』が、若いゲーマーに公民権運動の歴史を教えようとしているようです。

『フォートナイト』といえば何を思い浮かべますか?「そりゃ公民権運動の父、キング牧師でしょ!」と思った方、朗報ですよ(そんな人いるんでしょうか…)。これまで数々のゲーム内イベントを開催してきた同ゲームが今度は、ゲーム内にキング牧師とその偉業にまつわる歴史的なバーチャル展示場を作るようです。

『フォートナイト』の親会社Epic Gamesは26日、「暗殺されてしまったキング牧師への敬意を表すべく、世界的に有名なスピーチや正義への闘いをプレイヤーに紹介する」と発表しました。

『フォートナイト』はバトルロイヤル形式で、決して平和的なゲームではありませんが、これまでにトラヴィス・スコットやアリアナ・グランデ、(そして日本から米津玄師)といったアーティストがゲーム内ライブを開催するなど、「プロモーション活動の場」としても注目されています。そこに今度はノーベル平和賞受賞者で非暴力抗議活動の提唱者として知られるキング牧師が登場するというのは、ある意味自然な流れかもしれません。

Epicによると、今回の展示イベントはTIMEスタジオの協力をもとに、プレイヤーを「1963年のワシントンD.C.にタイムスリップ」させるのが1つのコンセプトだそう。1963年といえば、キング牧師が演説を行った年。プレイヤーはリンカーン記念館やナショナルモールを訪れ、彼が公民権を求めて行なった17分間にわたるスピーチを聞くことができます。

Epic Gamesは公式サイトで以下のように伝えています:

体験は、記念堂にインスピレーションを受けた注目スポットおよび、協力型ミニゲームを他のプレイヤーと連携してクリアするといったところにまで広がります。

これらのアクティビティを通してプレイヤーたちは体験を進行していき、Dr. Kingの演説の“私たちは協力することで前進することができる”という重大なテーマを現実へと持ち帰ります。

ちなみに、今回のイベントはキング牧師の遺族が設立した団体「キング・エステート」にきちんと許可をもらっているそう。むしろ、このオマージュに前向きだったそうで、暴力的なバトルゲームが、平和の仲介に尽力して暗殺された人物の肖像やそのメッセージを面白半分で流用しているわけではないようです。

キング・エステートのマネージングディレクター兼ゼネラルカウンセルであるエリック・D・ティッドウェル氏はTIMEとフォートナイト・プロジェクト協力できることに「わくわくしています」と語っています。

ティッドウェル氏はエンタメ誌『The Wrap』で「新たなテクノロジーが出現するなかで、我々は“希望や平和、愛、平等”という彼の素晴らしい遺産を広め続けるために、利用可能なリソースすべてを活用していこうと思っています」と語りました。「このようなインタラクティブなかたちで、彼のもっとも有名なスピーチを紹介することは、我々の目標を達成するための力になってくれます」。

この試みが「無意味な暴力や醜い偏見のない、明るく平等な未来」へと若いゲーマーを後押ししていくことになるのか。それとも、キング牧師の「I have a dream」をバックにフロスダンスを踊る不届きなアバターがあふれるのか。どんな未来が待っているか、二つに一つですね。

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