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まだ桜の花びらがまぶたの裏に映っている

映っている…んだけど、季節は流れ、気付いたらもう秋桜の時期のようです。

夏を毎年心待ちにして、しっかり見送っているはずだから知っているはずなのに、何故か毎回秋がくると、時の流れにびっくりしてしまう私。

桜が舞い散っていた時期は存在も知らなかった人たちが、私の人生に入り込んで、秋桜が風の中で踊っていた。

濡れた瞳を見つめ返して、
淡い、儚い愛おしさに包まれて、
蝋燭のような頼りない光を見ていた、
そんな季節の移り変わりだった。

人から発してもらえる想いを受け止めようと努力してきて、そして溢れ出して、抱えきれなかった想いをまた分配し直していく。

誰かと一緒に居られると嬉しいんだけど、同時に一人で窓の外を見つめて呼吸をする時間の愛おしさを知っている。

だいじょうぶ。
きっと、だいじょうぶ。
その言葉を、いつだって心の一番近くに置いている。

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