見出し画像

【映像を遅らせる】ビデオディレイをテストしてみた【VC-1-DL】

はい。いつも通り生活の役に立たない知恵をお送りします。

まあ、わかってる人は実験パートまで飛ばしてください。


***************前フリ***************
流行ってますね。映像配信
そんな中、よくある問題で映像と音がズレてるのをよく見かけます。
ズレてたら直さないといけないですよね。
大抵ほとんどは「音が先、映像が後」というズレ方なのですが、何でそーなるかは置いといて、
その場合、遅い方に合わせるので音を遅らせる必要があって
エンコーダーやミキサーでディレイをかけたりとか何とか。
ま、適当にググってもらえれば解決します。

また、画と音を合うことを
「リップシンク」「リップを合わせる」とか言うので
知らなかった人は積極的に使って、
「俺わかってるぜ」という雰囲気を出していきましょう。

***************今回の問題***************
さて今回はそうじゃない場合。
「映像を遅らせる方法」なのですが、
映像を遅らせる必要があるとうことは、
「映像が先、音が後」というズレが発生した時なのですが、
まあそんなことは普通にやってたらまず起こりません。

何で起こらないかは適当にググるか、
世に腐るほど溢れてるガジェット系解説Youtuberでも適当に見てください。

では、どんな時に必要かと言うと
代表的な例としてHDMI無線伝送装置を使った時ですね。
おなじみのコイツらです

この手のものってだいたい80ms〜100msの遅延が発生します。

で、簡単にフレーム計算すると...
------------------------------------------------
<30fpsの場合>
30f = 1s = 1000ms 
1f = 33.33ms
2f = 66.66ms
3f = 99.99ms

<60fpsの場合>
60f = 1s = 1000ms 
1f = 16.66ms
2f = 33.33ms
4f = 66.66ms
------------------------------------------------
なワケです。

なので、音はPAからもらってる場合
スイッチャーに有線カメラと無線カメラを混在させると、
1camはリップ合ってるのに、2camは合ってないといった
スイチングした映像が揃ってなくて気持ち悪いことになります。

ちなみに、人間がズレに違和感を感じるのは20msからと言われています。


ってことで、有線カメラの映像を遅らせます。
どうやって?

先日たまたま手に入ったコイツを使って↓



******************************実験******************************
と言うことで、前振りが長くなりましたが実験します。
まずは60fpsのTC映像を用意します
それをカメラで撮ります。

カメラで撮らんでもよくね?PCミラーリングでよくね?
と思う方もいるでしょうが、まあそこはスルーで。
後ほど、この意味が出て来ます。

画像1

畳の部屋ですがなにか?
いいよね、畳。日本人の心だね。

はい、次。

これを分配して外部モニターに出します

画像5

今回使ったモニターと分配機(スプリッター)はこいつら。

コイツら、色々とめっちゃ良いのだけど、その話はまた今度。

ここで問題発生!

画像5

なんと、そのまま繋いだだけなのに
カメラとモニターでそれぞれ遅延が発生。

画像4

分配機を咬まさないでも同じ遅延が発生してるので、
どうやらカメラとモニターが持つ固有の遅延っぽい。
というかするよね。遅延。HDMIだし。デジタルだし。

そしてスプリッターEZCOOに遅延が無い事に感心した。
ちっこいくせに中身は業務機とおんなじなのかな?

VC-1-DLをかまさない状態でどのくらい遅れてるかといえば

00:00:00 /PCを基準として
00:00:04 /cam
00:00:06 /mon

と言う感じ。
まあ、今回の実験では大した問題では無いのでスルーします。

さて、片方にVC-1-DLを繋げディレイするか確認なのですが、
VC-1-DLはサイドにある目盛りを回すことによって、
最大4.5fまで遅延させることができます。(1目盛0.5f)

画像5

ここで覚えて置いて欲しいのが、
VC-1-DLのディレイ単位はフレーム(f)だということ。

無線伝送機はms、VC-1はfね。
計算めんどくさいけど、そこは頑張って。

その他、諸々設定はあるけど
今回の話には関係ないのでここもスルーします。
気になる人は調べてください。

で、最大の4.5fディレイに設定して繋ぐ。

画像6

うむ。ちゃんと遅れた。
VC-1経由のTC末尾が7と8の間なので4.5f遅れてる。っぽい。
60fps映像なので
1000ms / 60fps * 4.5 = 75ms
ということですね。

そして、ここで登場してもらうのが、
またもたまたま安く手に入ったVaxisATOM500さんです。

例としてHollylandを出しといて、違うんかいっ!
という声が聞こえてきそうですが、
まあそこはOEM天国の中華製
きっと中身は大して変わらないことでしょう。(雑な憶測)

こちらATOM500は遅延が80ms。
ということはこのままもう片方に繋げばTCが ”ほぼ” 揃うはず!

ってことで繋げます。

画像7

わお!揃った!

だが、よく見ると完全に揃ってる。。。
0.5fはどこへ?
んー、まあいいや。揃ったから。
細かいことは気にしない!
This is 力技!
現場で必要なのは行き当たりばったりの対応力!

(多分あれやこれやで元々0.5〜1fくらい遅延が発生してたのかもね。)

ということで、
VC-1-DLを使えば、無線伝送の遅延も上手いこと何とかなることが判明
例えばスイッチャーを二台使って、無線と有線で分けたりね。
ただ、今回判明した機器固有のディレイがあると計算通りにいかないので、
そこはもう気合いで乗り切るしかないかなと。

あれこれ使って、
TCリンクとかでパパッと揃えられれば言うことないんだけど、
そんな素敵な環境を作れる現場なんて、
場末のオイラにゃないので、仕方ない。

スペック通りの結末でそりゃそうだよね。

というオチで、この話はおしまい。



***おまけ***

<改めて今回の登場機材の紹介>

画像8

PCとカメラは割愛。


***おまけ2***

だったら遅延ゼロの無線伝送機があれば良いんじゃね?
そんなのあるの?
となるけど、あります。
正確にはゼロではないけど、遅延1msっていうのも存在はします。

その中でも安いやつはコレ

ただコイツは近接通信用で30mまでで、SDI接続なんだよね。
だけど生産完了してるから、
叩き売りしてる今なら安く手に入れるチャンス?

これ以外のIDXやBoltで1msもあるけど、クソ高いです。



【こちらのnoteもオススメ】


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?