COVID19 Analysis and Impression focused on the clusters

1日かけて、3/4から3/22日の各県の発生数を手作業でクラスターかそうでないかを分類してみました。10名以下の関連が認められる感染は全て"Small", それ以上の大規模な発生を"Large"と簡単に分けました。
分けた理由は、大規模な感染爆発にはクラスターの発生がより重要であり、孤発性感染の重要度はより下がるからです。
(そして孤発性感染が連なるとクラスターになります。が、孤発性感染は風邪の発生と同じと思っていい)


リソースは厚労省の患者発生の毎日の患者発生報告ページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09974.html)を用いました。ベースとして東洋経済の荻原様のCSVファイル(https://github.com/kaz-ogiwara/covid19)を使用しましたが、かなり改変しました。

CSVはこちら(https://github.com/naoon5031/COVID19-Tableau)

欧米からの渡航者、クルーズ船の乗船者は除きました。

以下、Tableauのスクリーンショットです。

リンクはこちらから

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気づいたこと:

大阪のライブハウス群での感染は、若者だけでなく、広い年齢で感染が認められた。しかし、その後の感染の報告は、主に中年以降の患者が多かったように思う。若者は症状が軽いからなのか、若い方が早急にウイルスを免疫力で死滅させることができるのか、よくわからない。

エジプトのツアー客の感染者が意外に多くいた。ツアーに中国からの客が混じっていたりしたのだろうか? クラスターとして、かなり大きな一群になった。ちなみにツアー期間はまちまちで、2月 23 日~3 月 1 日、2月21日~23日、2月 16日~23日 エジプトへ旅行。

兵庫の介護施設関連のクラスターは非常に大きなものとなった(Tableauをどうぞ)。

対して、地域医療機関の感染者の報告は少なくはないものの、すぐに病院を閉鎖してしまうせいか、クラスターの発生はあっても小さなものであった。

データや記載に関して:

各県からの情報の寄せ方がバラバラで画一的でなく、まとめるのに非常に手間がかかる

各県ごとに患者IDをふっていたり、ふっていなかったりするので、県によっては、"何月何日の何例目の報告との接触あり"と書いてあり、非常にわかりにくい。全国統一IDはあるのかわからない。

大阪、兵庫、名古屋は比較的細かく追跡がされていた。

東京、北海道はほとんど疫学的な情報がない。名前と年齢くらいか。調査しているのか、省いているのかがわからない。特に北海道は展示場での感染が疑われたが、全くその言葉が出てこない。主に家族関係を追っているように思えた。東京はGitHubが公開されているが、そのページにも詳細な情報はみられなかった。

北海道は医療機関で検体採取して検査機関に運ぶという記載が多くみられた。医療者の暴露を減らすために検査機関で検体も採取するべきではないだろうか。距離の問題か?

そのほかの考察:

疫学的検査が進まない理由に、日本のムラ社会がまだあると私は思いました。もし自分が感染者だと思われてしまうと、その地域にいられなくなってしまうような、そんな気分に襲われながら、今、微熱を下がるか下がらまいかと待っている人はいるんじゃないでしょうか?
さらに治療が必ずしも必要ない、または難しいという白か黒か、みたいな状況がさらにこの状況を悪化させていると思います。

私は流行当初は検査を積極的にする派であったのですが、逆に広まってしまい、以上のような状況になってしまうと、一般の人を捕まえて無作為に検査をすることは人権侵害に近いものになってしまうように思います。もちろん医療費の観点からもお勧めできませんが(疫学的に募集して調査をするのとは費用の内容も意味も全く異なります。)

徐々にクラスターは少なくなっており、ここ数日のグラフに出ている"Large"の集団は大阪のライブハウス群や兵庫の介護施設の人の関連感染者でした。あとは孤発性感染がほとんどで、いくつかの家族内・友人同志の感染がパラパラ。そしてグラフには入っていませんが3/10頃から海外渡航者の感染者が増えて来ていて、その中にはビジネスマンのように移動が多方におよぶ方もいらっしゃいました。その方達の関連の追跡をすることが難しいことは想像に難くありません。見も知らぬ旅行者の顔をしっかり覚えてはいないでしょうし。

もし今後クラスターの発生が起こるとしたら、海外流入の感染者がイベントなどの密閉空間に入った場合かなと個人的に思っています、そういうのは専門家の方が詳しいのだと思います、個人的意見です。

また、緊急事態宣言まで出した北海道で、疫学調査が不十分(なのか記載されてないだけなのか)なのは驚きました。東京はPCR検査数が増えてきているので感染者が増えるのはわかるのですが、北海道は引き続き注意していって欲しいなあと思います。

また、一つ一つデータを処理してわかったのは、イベントってどの年齢層も満遍なく参加してるんですね。特に社会人と呼ばれる層は仕事も遊びも活発だと思うので、他の世代には特に気をつけて、また、高齢者の方は自宅にいた方が正直いいだろうな、と思いました。

最後に、日本がイタリアを代表とする欧米に比べて感染者が少ないことに注目が集まっているようですが、生活習慣や文化的習慣の他に、私は世代間の交流の少なさをあげたいと思います。お互いが一体どんな生活をしているのかを知らない、関心がない。もう取り戻すのは遅いのかもしれないけど、家族にハグの代わりに電話をしてもいいのでは?(自分はお彼岸のお花でしたが)

短い時間で処理したので処理の仕方やデータにいくつか誤りがあるかもしれません。ご指摘ありましたら、どうぞコメントをお願いします。

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<Inspired by this article>ウイルス遺伝子配列による伝播クラスタ解析による国内MSM集団におけるHIV伝播の動態
https://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2470-related-articles/related-articles-476/9173-476r03.html

<Thanks to>
荻原和樹様(https://toyokeizai.net/list/author/%E8%8D%BB%E5%8E%9F+%E5%92%8C%E6%A8%B9)
厚生労働省のみなさま・地域の保健所の皆様






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