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「ドルコスト平均法をやる」という考えから脱却しよう ①
あえて断定的に言います。株式投資家は、ドルコスト平均法のことなど考えなくていいです。
この記事を読めば、ドルコスト平均法が投資家にとって大して役に立たないばかりか、むしろ足を引っぱる可能性のある考え方だということが理解できます。
「ドルコスト法をやる」から「自分で決めた資産配分を維持する。毎月の給料から投資に回すので結果的にドルコスト法のようになっているなあ」というマインドにシフトして、投資初心者を脱却しましょう。
1.ドルコスト平均法が必要な人
投資を勧める人……Aさん
投資を始める人……Bさん
こんな2人がいたとして、ドルコスト平均法とは、AさんがBさんに、あとで「せっかく投資を始めたのに資産が減ったじゃないか。どうしてくれるんだ!」と言われてもダメージを受けないようにする防具です。
Aさんは、「ドルコスト法の説明をしたときに、下落する可能性もあると言ったでしょ。あなたそれを納得して始めたくせに」と反論して突き放すことができます。「私の責任じゃないよ」と。
Bさん「ぐぬぬ……」
Aさんは、証券会社の窓口の人だったり、ファイナンシャルプランナーだったり、金融庁のパンフレットだったり、投資ブロガーだったりします。Bさんが投資を始めることで何らかの利益を得る人たちです。
Bさんは、投資歴が浅い人です。買った金融商品がどのくらい値動き(値下がり)したら自分の心が乱されるか、十分把握していない人です。
ドルコスト法が必要な人って、このどちらかのタイプの人くらいのものです。(Aさんだけとも言えます)
この記事の読者がAさんでもBさんでもないなら、ドルコスト平均法のことなど忘れるべきです。投資初心者から脱却して、もっと柔軟に、もっと効率よく投資を続けられる状態にシフトしましょう。
2.投資は"資産配分"です
投資家がやるべきことは、自分のリスク許容度(資産の減少をどのくらいまで許せるかという心の強さ)に合わせて、資産を無リスク資産(現金)とリスク資産(株式など)に分けることです。
(銘柄をあれこれ選んだり、売買タイミングをはかったりすることで投資の成績はよくなりません。むしろ悪化します)
Cさんの資産配分――現金80% & 株式20%
Dさんの資産配分――現金25% & 株式75%
小淵の資産配分――現金0% & 株式100%
こんなふうに。DさんはCさんよりリスク許容度が高く、小淵はDさんよりリスク許容度が高いです。
※ 例えば、3人ともちょうど100万円の資産を持っていて、上記のように配分していたとしましょう。株式が半値に下落してしまったとき、小淵の総資産は50万円にまで減りますが、Cさんの総資産は90万円になる程度で済みます。現金比率を大きくしておくことで、株式の下落のダメージを受けづらくなるということです。
この比率は投資家ごとに違っていいわけです。人それぞれリスク許容度も違えばリスク資産(株式)の中身も違いますので。
さて、この、投資家一人ひとりが決めた自分の資産配分をいち早く作ることが、投資を始めるときにまず最初にやることです。
これから投資を始めようと決意して100万円を握りしめているCさんがやるべきことは、今すぐ株式を20万円分一括で買う。これだけです。これが、リスク許容度に合わせた一括投資です。
※ 一括投資=全額投資 だと思っている方が結構いらっしゃいますが、全然意味が違うことがおわかりですよね。
ここに、ドルコスト平均法はまったく登場しません。Cさんが投資初心者でも、ベテランでも、やることは一刻も早く自分の資産配分に到達させること(=リスク許容度に合わせた一括投資)、それだけです。
3.ドルコスト法が足を引っぱる その1
「ドルコスト法は、購入タイミングを"時間分散"することでリスクを下げる」という説明をよく目にします。Cさんの場合、例えばこんなふうに。
謎の人「いきなり20万円分株式を買うのは危ないので、5万円ずつ4ヶ月かけて買いましょう」
![](https://assets.st-note.com/img/1646202916912-PvgArFLKNa.jpg?width=800)
謎の人の言うことに従うと、最初の月、100万円を握りしめていたCさんの資産はこうなります。
現金95%(95万円) & 株式5%(5万円)
Cさんは本当はもっとリスクを取れるはずなのに、まだ5万円分しか株式を買えていません。
次の月はこうなります。
現金90%(90万円) & 株式10%(10万円)
本当はもっとリスクを取れるはずなのに。さらに次の月はこうなります。
現金85%(85万円) & 株式15%(15万円)
本当はもっとリスクを取れるはずなのに(3回目)。ようやく次の月でこうなります。
現金80%(80万円) & 株式20%(20万円)
やっと目標の資産配分になりました。ここまで4ヶ月もかかってしまっています。
※ 実際はこの間にも株式部分は値動きするので、こう綺麗にはいかないわけですが。
これはもったいない! 最初の月に一気に20万円分株式を買っていたら、時間分散するよりも多く株式部分が増えていたかもしれません。
逆に、4ヶ月の間に株式部分が下落したかもしれません。だとしても、それを考慮した上で資産配分を決めているわけですから、4回に分けて株式を買う必要は無かったのです。
このように、ドルコスト法に縛られることで、Cさんは機会損失してしまいました。(機会損失とは、値動きの影響を受けるチャンスを逃すこと)
ドルコスト法が投資家の足を引っぱる一つの例です。
できるだけ長い時間、株式を持っていることが、市場の成長の恩恵を最大限受けることになります。投資家にとって、目標の資産配分に到達することをためらう暇は無いのです。
"ドルコスト平均法"、"時間分散"などという、なんだか知っていたら賢そうな、かっこいい響きの用語にとらわれて、やたらと購入時期を先延ばしにするべきではないのです。
次の記事で、もう少し、ドルコスト法に足を引っぱられるパターンを紹介します。
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