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ギャングは次々死んでいく

※本文の前に
・当記事はストグラ運営、プレイヤー及びそのRPを批判するものではありません。


『ギャング』という存在を明確にイメージ出来る人は数少ない。
端的に言えば「考えたこともない」という人が大多数だろう。自分もそうだった。
長らく筆無精だったこともあり、リハビリがてらここ半年程で見続けていたストグラというコンテンツで暮らすギャングたちの描くRPについて書き起こして見ようと思う。

きっかけ

ストグラを見始めたきっかけはVCRという同じGTA5をベースにストリーマーを集めた企画からだった。
VCRというコミュニティによる企画自体が古くより“関係性のオタク”であった自分にとって好きな、もしくは見知った配信者たちがその場の偶然の巡り合わせから協力したり、対立(プロレス的な)するのは感性的に合っていた。
だからこそベースがRUSTでも、ARKでも、GTAでも満遍なく、優劣なく楽しめた。
そうして初の試みとなったVCR GTA5が終わってもしばらく切り抜きやクリップで追いきれなかった視点を追いかけて思い出に心を馳せていたところ……
VCRでも追いかけていたVtuberの叶さん(にじさんじ所属)がTwitchにて配信(ストグラ内では一貫して『衛星』と呼ばれるため以後は衛星とする)を始めたのだ。
最初は「いやVCRは期間が10日とかで限られてたから追えたけど毎日PM5:00~AM5:00とか身体おかしくなるて……無理無理。切り抜きとかあったら見るくらいでいいか」と思っていたのだが、
清々しいほど見事にリアルタイムで見始めたらハマった。
だから「推しがストグラ始めた。でも、アーカイブ長いし……」みたいなオタクの気持ちはアホほどわかる。これは沼だ、別に強制はしない。
でも適性があるなら半端なくおもしろい。
自分も含めて熱が入りすぎて批判や指示にならないよういつも気をつけなければならないほどに。

VCRには無い『ギャング』の奥深さ


GTAというゲームをプレイしたことのある人ならわかると思うがこのゲームは基本的に犯罪でお金を稼ぐゲームだ。
そのシステム上、通常の経済とは異なりロスサントスという街の経済を支えるのはギャングたちであり、どの住人の視点でも全く関わらずに生活することは出来ない。
その上でストグラの特異性とも言えるRP(ロールプレイ)がギャングたちには求められ、ボスはもちろん構成員たちも各々が定期的に“ギャングとは”という自問自答に悩まされる。
ギャングとは何を持って“ギャング”足り得るのか。
それがプレイヤー各々、そして観測者一人一人の中に年輪のように層を成して形成されていくのだ。

半年間で変わったこと

さて、変わったことをあげていけば正直キリがないと思うが、大きな枠組みで『ギャングRP』に関わるものを幾つか整理していこうと思う。
その中で大きな要因となるのが肥大化した規模だ。

住人・観測者の倍増

自分と同じようにVCRをきっかけに去年の8月頃から街に来る住民が倍増、さらに観測者達もまた倍増している。
中でも、と言ったが後からあげる変化も大元を辿れば大体この理由に行き着くことだろう。
住み着く住人もいれば、街が肌に合わず眠りについた住民もいるが、街はここ半年間で急激に新規に優しい街づくりが進んでいる。
客観的に見れば何も問題は無いように見えるが、ことギャングRPと関わる面においては一概に良い事ばかり……とも言えない。
ではどんな面で影響があるだろうか?
ざっくりと以下のような影響がある

①プレイヤー層の変化


自分が見始めた8,9月頃の住人は多くがサーバーの性質からRPを得意とする人狼系またはTRPGなどを中心に活動する方、または運営であるしょぼすけ氏の繋がりからマイクラ周りの方が多かったように思う。
そこから半年で本当に様々な本職、ゲーム遍歴を持つ多種多様な住人が増えたが、大きく分類するとより高いPS(プレイヤースキル)を持った人材が増えたように思える。
そのような人材が警察にもギャングにも増えることによって、フィードバックや環境で一番強いとされる武器、車両、ヘリなどの研究が行われ飛躍的に練度が上がるようになった。
まだここまでは良い影響に思えるが、問題はこの速度が上がると面白みを生む「試行」のターンがあっという間に終わり、正解へと行き着いてしまう。
これを繰り返すといわゆるコンテンツの消費が進み、ギャングに限った話でもないが、生活が単調になることでやがては“ストグラ離れ”を加速させる原因になる。

②二極化した構造で残った協力関係


②については増加したゲーマー達を中核に含むALLIN並びにIRISが大きな影響を与えたと言っていいだろう。
主にメタの検証を進めたのがALLIN、そして合同での物量作戦でIRISは抵抗した。
もちろん出来るだけ少数で成功率を上げて収支を増やしたいALLINも、横の繋がりを形成しつつ成功率を担保したIRISもRPとして筋が通っている。
しかしこうなると煽りを受けるのは警察サイドだ。
これまでの対応でも検挙できる組織もあるが、分の悪い作戦が増えモチベーションが下がる。
その流れを重く見たのが運営である市長だ。
警察は市民でもあり同時に公務員でもあるため、システム的な介入、法の新規作成、戦力増強、人員補充など様々な手段で警察有利を目指したアップデータを重ねた。(現在では明確にバランスを取ることは不可能と語っている)
このイタチごっこのようなアップデートの繰り返しはバランス的な意味でほぼ終息を迎えようとしているものも、ギャングRPに大きな爪痕を残した。
それはギャング間の協力関係である。
その過程で小競り合いこそあれど最終的にはギャングが増えることを容認し、多くの犯罪者がギャングに所属することになった。また半グレへの風当たりもすっかり鳴りを潜めている。
半年前であれば、半グレ=ギャングとしてはまだ認められない半端者としてその姿勢や行動を窘められることが珍しくなかったが、
今や当時の逆風を受けた半グレは多くがギャングに所属し、半グレ=修行中のギャング志望者くらいの認識で助けこそすれ詰めるようなことはほぼ無い。
また、衝撃的だったのが半グレへの対応においてタカ派とされていたMOZUが半グレグループ「868」(現在はギャング)を傭兵として認めた一件だ。
MOZU内にもその件での余波はまだ爪痕を残しているが、合同作戦ですら「ギャングの作戦はそれぞれが確立したノウハウで、時としてシマを担保に教えてもらうほど重い情報」と見なしていたMOZUを筆頭に他組織が傭兵に合意し、雇用さえしたのはギャングのRPにも大きな影響を与えていると言えるだろう。

③RPする上で無視できない観測者のリスク


③については例として起きた2つの事件を比較してみようと思う。

被害者となったのはどちらも白市民の立場の人間。
そしてどちらも経緯に細かい違いはあれどギャングの構成員に対して「舐めている」と見られてもおかしくない行動を取り、
結果として↑では海に沈められ記憶と持ち物を失い、
↓では溶鉱炉に沈められ記憶と持ち物を失うことになった。
一概に全てが同じとは言えないが、この二つの件で大きく分かれ目となったのは行動の是非を判断出来するのがプレイヤーか、それとも観測者かという問題だと思う。
住民の中には様々なRPをする者がいる。
互いの立場にリスペクトを持つ必要があるのは確かだが、立場において対外的にギャングは市民に強い存在でリスペクトこそあれど容赦はしない。
実際↓の一件でもギャングとしてのRPに造形の深いMOZUのボス ヴァン・ダーマーは「私怨で復讐がしたいなら同じギャングにならなければいけない」と説いていた。
ところが結末としてエスタークはツルギに謝罪し、組織内でのケジメをつけ和解。
ギャングと白市民ではなく一人の住人と住人として対等な判断が下されることになった。
両者とその関係者の繰り広げたRPは素晴らしいものだったが、同時にギャングといえど白市民と立場に差が無くなっていったきっかけの一つとも言えるだろう。
他にもギャングということで市民たちが開催するイベントへの参加を避けていたプレイヤー達の多くが今やイベントに参加し、肩を並べて楽しむということも少なくない。
結論として現在間違いなく市民とギャングを隔てていたRPは薄れ、その関係はフランクなものになっている。

ギャングRPの展望

前述の通り、変化していく街の中でギャングとはどうRPを続けていくのか?
半年間、様々な視点を観測する中でも特にギャングとは?という問いに向き合っている人物の一人は
MOZUのボス ヴァン・ダーマー
だろう。これは多くの観測者にも同意を得られると思う。
現在、存続するギャングの中では最も古株で街のギャング達の栄枯盛衰を見届けてきた人物だ。
このヴァンさんですら自身の行動を省みて昔の苛烈な自分との変化を感じ取っている。
軽い覚悟で犯罪を犯そうとする住人が入れば叱責し、法を甘く考える警官がいれば報復を匂わせて脅し、舐めた態度を取る市民がいれば落とし前を取らせてきた彼の行動はギャングとして非常に筋が通っていた。
他人に厳しく、自分にもっと厳しい。そんな大きな背中を見て今の多数のギャングは育ってきたはずだった。
しかしその生き方は変わりゆくロスサントスによって徐々に大事なものを増やし、見守るように変化している。

その事情はMOZUに限った話では無い。
ALLINのUB(アンダーボス) RBとIRISのUB 小峯 玲の間で交わされた会話はこの街で生きるギャングたちの本音だと思う。

RBさんの語る
「ギャングのRPを突き詰めると街の負荷になる」
という結論が今の街に対する率直な感想なのだろう。
だからといって小峯さんが提案するビジネスライクな抗争が出来るようになったとしてもそれはゲームとしての面白さであってRPに反映させる影響力は失われてしまう。
ストグラの歴史が証明するように命の重さがあってこそRPは深みを増すからだ。

その一方で新興ギャングである868組に市長は経済を回すためにも対立を求めている。
他ギャングの中にも意向を汲んで動こうとしている組織はあるものも、先ほどの動画で語られていたように一番大事なピースである「殴りかかる正当性のある理由」がまだこの街にはない。

そこで控えた4月から入ると噂されているギャングには欠かせないシマの調整。
これが果たしてどのような影響を及ぼすのか?
そして新しくなる街でギャングは『ギャングとして生きる術』を見つけられるのか?
キャラエンドや解散も頭の片隅に起きつつ、彼らの紡ぐ物語を応援したいと思う。






後書き

ここから個人的なドラマの感想みたいな話をするのですが、上で紹介したRBさんが起きてくるきっかけになったALLINの警察署襲撃が絡むMonDさんのRPを自分は高く評価しています。
以前、ヴァンさんと(ウェスカーさんもいたかも)MonDが話していた時に、
「ヴァンさん達が優しいとバチバチやりづらいんだよ!(意訳)」と本音を漏らしてたと記憶してるんですが、やっとALLINがMOZUや餡とバチバチ出来るようになってきた頃にはもう餡もMOZUも「まぁまぁ……特に火種もないし……」みたいな受け身になってるんですよね。
街に来た当初見て学んだヴァンさんやウェスカーさんの『ギャングRP』を守ろうとして暴れてるMonDが今回の一件で恐らく逮捕されたら幕引き……を想定してたのに「付き合ってやらぁ!」の警察完封しちゃって「(やめ時無くなっちゃったなぁ……)」と思ってたらロケランバーン!で一番の側近・無馬からのバイバイはMonD目線かなりキツかっただろうな……と。
割とRBが起きてこなかったらガチで起きてこなくなってたとしてもおかしくなかったと思います。
ヴァンさんとウェスカーさんも、無馬さんも配信者として、街の住人としては適切というべきか順応したというべきか……なRPをされてると思うのですが、MonDが1人にならなくて本当に良かった。
ぶっちゃけ後からまとめ見返して「そうは言ってもまだヘルは育成途中だし、白井さんは狂ってるし、他のメンバーだってボスのブレーキ出来るのって魂的にエイムくんでギリでしょ……やりすぎてると思ったらブレーキ踏めるのもボスの前で「楽しかった?」って聞かれて「いやぁ〜ぶっちゃけあれはやりすぎです」って言えるのも無馬さんくらいよ、今んところは」って愚痴りながら飲む酒は美味かった。
無馬さんが言うとみんな「そうでした(ガチ反省)」してるけど何なら最初襲撃してたメンバーだし、手抜いてた【スト6誘われたからやってた】だし、救急隊も先に現場介入しにきたのあっちだから手ブラでいつも打たれてる個人医考えると「ちゃんと反論するところは反論してもいいんだぞ……」とか思ってたりね、支持コメのお気持ちだからコメントにはしないけどこんな長いNoteのあとがきくらいならそんな読む人おらんやろ。くらいの気持ちで懺悔しときます。
もっとメタメタな話をするといい加減どのゲームやるにしてもストグラ並走するのはそろそろ……って感じでキャラエンドまたはALLIN解散エンドまでの筋書き入ってるのかな?とも考えたけど叶さん本人は「とりあえず配信するゲームでストグラあって良かった」とも話されていたのでしばらくはありますかね。
ひとまず自分が最初に惹き付けられたギャングならではのRPを体現し続けてるのは今やMonDなので4月からRBというサイドブレーキを使いつつイカれたバスのエンジンフル回転するMonDが見たいですね。


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