【kabukura.aiで有料部分の内容を公開】テンバガーなるか、センチネルワン(S)
テンバガーなるか、センチネルワン(S)
今回は人気の米国株で、2024年3月13日に決算を発表したセンチネルワンの最新の決算と財務諸表を解説します。
センチネルワンは、コンピューターやスマートフォンなどのデバイスを守るためのセキュリティサービスを提供している会社です。
同社は、ウイルスやハッカーの攻撃からデバイスを保護するために、特別なソフトウェアを開発しています。
このソフトウェアは、人間のように考えて学ぶことができるAIを搭載しており、サイバー攻撃を自動で見つけ出して止めることができます。
センチネルワンのサービスは、家庭用のパソコンから、大きな会社のたくさんのコンピューターまで、さまざまな場所で使われています。
基本情報は、こちらの表のとおりです。
この記事では、センチネルワンを、成長性、効率性、現金の生成能力、財務の安定性、割安性、決算のサプライズ度の6つの観点から総合的に分析・評価します。
記事投稿の励みとなりますので、フォローとスキをお願い致します。
動画で内容を確認したい方はこちら
株価のチャート
株価のチャートは、こちらのとおりです。
株価は、2021年11月頃に76.3ドルを付けた後に下落し、2023年6月頃に株価は、13.4ドルまで下落しました。
その後、株価は上昇し、3月15日の株価は22.09ドルとなっています。
PSRの推移
PSRは、Price to Sales Ratioの略称で、時価総額を年間売上高で割ったものです。
これは、新興成長企業の株価水準をはかる指標として用いられます。
この倍率が高いほど、株価は割高と判断されます。
センチネルワンのPSRは、2024年3月15日時点で11.42倍となっており、過去1年間の平均は11.17倍です。
さらに過去3年間の平均は26.52倍で、この数値は過去1年間の平均と比べて大幅に高い値を示しています。
このPSRの推移は、センチネルワンの株価が売上高に対してどの程度評価されているかを示しており、近年ではより保守的な評価になっていることを示していますが、過去3年間を見ると比較的高い評価であったことがわかります。
PBRの推移
PBRとはPrice Book-value Ratioの略で、株価を1株当たりの純資産で割ったものです。
これは、現在の株価が企業の資産価値に対して割高か割安かを判断する指標として用いられます。
この倍率が高いほど、株価は割高と判断されます。
センチネルワンのPBRは、2024年3月15日時点で4.16倍です。
過去1年間の平均値は4.14倍であり、過去3年間の平均値は4.73倍です。
最近のPBRは、過去1年とほぼ同じであり、過去3年間の平均に比べるとやや低い評価になっていますが、全体的には純資産に対して高い評価を受けていると言えます。
最新の決算
センチネルワンは、2024年3月13日に2024年第4四半期決算を発表しています。
EPSについては、アナリスト予想マイナス4セントに対して、結果マイナス2セントで、アナリスト予想を上回りました。
四半期の売上高については、アナリスト予想1.69億ドルに対して、結果1.74億ドル、前年同期比38%増で、アナリスト予想を上回りました。
次期四半期の売上高のガイダンスは、アナリスト予想1.81億ドルに対して、結果1.81億ドル、前年同期比36%増で、アナリスト予想に一致しました。
2025年通期の売上高のガイダンスについては、アナリスト予想8.15億ドルに対して、結果8.12から8.18億ドル、中値8.15億ドル、前年比約33%増でアナリスト予想を上回りました。
また、2024年通期の売上高は、昨年の通期売上高の4 億 2,220 万ドルから 47% 増加して 6 億 2,120 万ドルとなりました。
直近4回分の決算のサプライズ率
EPS
2024年第1四半期から2024年第4四半期までのEPSについては、全ての四半期で、アナリスト予想を上回っています。
アナリスト予想を何パーセント上回ったかを示すサプライズ率については、過去4四半期の平均は約42%となっています。
売上高
2024年第1四半期から2024年第4四半期までの売上高については、3つの四半期で、アナリスト予想を上回っています。
アナリスト予想を何パーセント上回ったかを示すサプライズ率については、過去4四半期の平均は約2.87%となっています。
EPS
EPSとは、「Earnings Per Share」の略で、1株当たり純利益ともいわれます。
EPSからわかることは、企業の「収益力」と「成長性」の2つです。
数値が高いほど企業の収益力は高いと見ることができます。
また、同じ企業の当期EPSと前期以前のEPSを比較することで、企業が順調に成長しているか判断することもできます。
センチネルワンのEPSは、継続してマイナスであるにもかかわらず、前年同期比の成長率が時間とともに大幅に改善していることを示しています。
2024年第2四半期から第4四半期にかけての成長率は60.0%、81.3%、84.6%と顕著に上昇しており、これは企業の損失幅が縮小しており、将来的には利益を生み出す可能性があることを示唆しています。
売上高の推移
センチネルワンの売上高は、2023年第1四半期の7800万ドルから始まり、一貫して成長しています。
2023年第2四半期では123.9%という著しい年率成長を遂げた後、成長率は減速しつつも、2024年第4四半期には1億7400万ドルに到達し、前年同期比で38.1%の増加を見せています。
このデータは、センチネルワンの収益が着実に増加していることを示しており、特に初期の段階で顕著な成長を遂げた後、成長率が安定していることを示しています。
営業利益とは?
営業利益は、企業が本業で稼いだ利益です。
営業利益は売上高から、販売した商品の原価である売上原価と、販売のためのコストである販管費を除くと求めることができます。
営業利益の推移
センチネルワンの営業損失は、2023年第1四半期にマイナス9000万ドルから始まり、2023年第2四半期にはマイナス1億800万ドルに増加し、前年同期比でマイナス61.2%の成長率を示しています。
その後、営業損失は2023年第4四半期にマイナス1億ドルまで減少し、前年同期比でマイナス40.8%の改善を遂げました。
2024年度では、営業損失はさらに縮小し、2024年第4四半期にはマイナス8100万ドルとなり、前年同期比で19.0%の改善を見せています。
これは、同社が営業損失の削減に向けて一定の進捗を遂げていることを示しており、特に2024年度後半に向けて損失の縮小ペースが加速しています。
営業利益率とは?
営業利益率は、売上高に占める営業利益の割合を示したものです。
この割合が高いほど、企業の本業の稼ぐ力が強いと判断できます。
営業利益率
センチネルワンの営業利益率は、2023年度第1四半期に-115.38%であり、四半期ごとに改善していることが分かります。
特に2024年度には、営業利益率が-86.47%から始まり、第4四半期には-46.55%まで改善しています。
これは、同社が経費管理と効率化を通じて、経営の健全化に向けて一定の進捗を遂げていることを示しており、営業損失の割合が徐々に縮小していることを反映しています。
「利益」は意見、「キャッシュ」は現実
損益計算書(PL)に記載される売上高などの「利益」は、本来であれば来期に立つ売上を、今期の売上として計上することや架空の売上を立てることで、意図的に「利益」を過大に見せること、いわゆる粉飾が可能であり、明らかな粉飾でない限り、このような粉飾を見抜くことは難しいと言われています。
他方、キャッシュフロー計算書(CF)に記載される営業キャッシュフローなどの「キャッシュ」は、実際にどれだけの現金が出入りしたのかを表し、意図的な調整をする余地がありません。
そのため、会計の世界では、『「利益」は意見、「キャッシュ」は現実』、または『キャッシュフローは嘘をつかない』とされています。
また、損益計算書では黒字にも関わらず、倒産してしまう「黒字倒産」の原因は、売上が発生しても、その入金、現金収入が大幅に遅れ、企業が現金不足に陥ることで起こるとされています。
そのため、企業の「利益」だけでなく、企業の「キャッシュ」を確認することが重要です。
フリーキャッシュフロー
フリーキャッシュフローとは、会社が事業活動で稼いだお金のうち、自由に使える現金です。
フリーキャッシュフローが多い企業ほど、経営状態が良好であり、将来的に、株主への配当や、自社株買いなどが行われることが期待されます。
センチネルワンのフリーキャッシュフローは、2021年にはマイナス1億1600万ドル、2022年には大幅な減少を見せマイナス15億600万ドルとなりましたが、2023年には改善して7300万ドルのプラスに転じています。
この変化は、2023年にセンチネルワンの事業活動における投資金額が減少したことによるものです。
営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは、企業の営業活動で得られた現金収入です。
センチネルワンの営業キャッシュフローは、2021年にマイナス9600万ドル、2022年にマイナス1億9300万ドル、2023年にはマイナス6800万ドルと報告されています。
営業キャッシュフローマージンとは?
営業キャッシュフローマージンは、売上高に占める営業キャッシュフローの割合を示したものです。
この割合が高いほど、企業が売上から多くの現金収入を得ていることを意味し、現金を稼ぐ能力が高いと判断できます。
なお、「MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法」によると、営業キャッシュフローマージンは、理想として15%から35%程度あると素晴らしいとされています。
営業キャッシュフローマージン
センチネルワンの営業キャッシュフローマージンは、2021年にマイナス46.83%、2022年にマイナス45.73%、そして2023年には大幅に改善されマイナス10.93%となりました。
2021年と2022年の負のマージンは、営業活動によって生じる現金流出が売上を上回っていることを示していますが、2023年に向けてこの比率が大幅に改善されていることは、企業の現金生成能力が向上している良い兆候です。
自己株式調整済み負債比率とは?
自己株式調整済み負債比率は、企業の抱える負債が、純資産に対して何倍あるのかを示しています。
自己株式調整済み負債比率は、以下の式で求めることができます。
自己株式調整済み負債比率=負債÷(純資産ー自己株式)
この比率が低ければ、純資産に対して負債が少なく、財務が健全であると見なされます。
「史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力」によると、自己株式調整済み負債比率が0.80を下回ることが望ましいとアメリカの著名な投資家である、ウォーレン・バフェットは言います。
自己株式調整済み負債比率
センチネルワンの自己株式調整済み負債比率は、四半期ごとにわずかな増加を示していますが、全期間を通じてウォーレン・バフェットが望ましいとする0.80を大きく下回っています。
これは、センチネルワンが純資産に対して比較的少ない負債を抱えており、財務的に健全であることを示しています。
特に、この比率は2023年第4四半期に0.36から始まり、2024年第4四半期には0.46に増加していますが、依然として低いレベルを維持しています。
これにより、同社は財務の柔軟性が高く、将来の成長機会に資金を投じる能力があることが示されています。
固定長期適合率とは?
固定長期適合率は、企業の固定資産が、純資産と固定負債といった安定した資金で賄えているかどうかを示す指標です。
固定長期適合率は、以下の式で求めることができます。
固定長期適合率=固定資産÷(純資産+固定負債)
一般的に、この比率が100%以下であると、企業の固定資産が安定した資金でまかなえており、会社の財務状況が安定していると判断できます。
固定長期適合率
センチネルワンの固定長期適合率は、時間が経つにつれて減少しており、これは同社の固定資産が安定した資金でより効率的に賄われていることを示しています。
特に、2023年第4四半期の75.25%から2024年第4四半期には59.16%へと減少しています。
センチネルワンの場合、この減少傾向は、同社がその資産を効果的に管理し、将来の成長のための財務的な柔軟性を高めていることを示唆しています。
総合評価
それでは、センチネルワンを、成長性、効率性、現金の生成能力、財務の安定性、割安性、決算のサプライズ度の6つの観点から総合的に分析・評価したいと思いますが、続きの内容については、有料の動画付きの記事となります。
記事を購入していただくか、メンバーシップに加入して、メンバーになっていただくことで、読むことができます。
また、kabukura.aiで有料部分の内容を公開していますので、そちらでも確認することができます。
メンバーシップは、初月無料ですので、月末までに退会すればご負担0円で、お試しすることができます。
ここから先は
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?