初めまして、どこ吹く風と申します 京都で大学生をしています 昔からの趣味に合唱があるのですが、歌にのせた言葉たちに触発されて、 自分も言葉を紡いでみたいと思いました ふと感じたことを詩にしたり、読んだ詩集をのんびり紹介したり しようとおもっています どこに向けるでもなく送り出した言葉を 気軽に受け止めていただけたらうれしいです 好きな詩人:谷川俊太郎、菅原敏
ゆっくりゆっくり上がっていく だんだん下がってもとに戻ってくる そんなことに、何の隠喩も見出さない ただ、ただ一瞬だけ ほかの誰よりも高い頂点にいること その瞬間があること それを誇らしくも 気恥ずかしくも思う
うっかりすると眠くなりそうな椅子に座り 目をあげた舞台に並んでいるのは 東南アジア情緒な衣裳に身を包んだ一団であった 刺繍のある金色の布をまとった女性たち ボタン留めの青い服の男性たち 彼らは俳優であり歌い手であり踊り手であり そしてそのどれでもなかった エンターテイナーという言葉で言い表すのが不躾なほどに その異国訛りの歌声には 心の様々を覚ます力があったようだ 2004/8/2 Batavia Madrigal Singers京都公演の後に
夏になると 新しいことをはじめたくなる 冬にエンジンがかかりにくいのは エンジンオイルが冷えてしまうかららしい 日差しにあてられてもくもくしたオイル 若さという排気ガスをまき散らして 青年は玄関をあけ 右の車輪を一歩踏み出す
私は私が触れた言葉が 命じた道を進んだ 私は私が歌った歌で 吹いた風に乗った 私は私が歩いた街が 見せた世界を描いた 私を高く運んで行け、 言葉よ、歌よ、街よ さあ、永遠の夏の方へ