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写真と陶芸についての散文

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写真や陶芸についての考え方を薄く希釈して書いていた過去記事をピックアップしてます。 ライフワークのひとつとして陶芸家さん達の作品や作陶風景を撮影してます。その中で「モノを生み出す…
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#写真

写真展延期について

 昨年11月に開催した個展「Praised Shadow」の続編。  会期中に「また来年(2020年)にやりますよ」と宣言していたわけですが、コロナ騒動の影響を鑑み、今年は開催を断念いたします。 \ すません /  今まで撮りためていた作品群に追加して撮影していくつもりでしたが、撮影がままならない現状や、空気が乾燥する冬場のコロナ騒動再燃の可能性を考えると少し気が乗らないのも正直なところです。  たくさんの人に観てもらうために開催する写真展なのに、外出自粛要請なんて出され

特化する

5月にしては31度を超える記録的な暑さが続いています。 みなさま如何お過ごしですか? 先日、日本のクラフトフェアでは最大となるクラフトフェアまつもとに初めて行ってきました。 このクラフトフェアに出展するためには選考を通らなければいけません。 企画や選考委員の好みに左右されがちだとは思いますが、そこはフラットに選んでいるらしく、さまざまなテイストのクリエイター達が出展しておりました。 炎天下、200組近い出展者のブースを何周か見てみると、ひとつの共通点のようなものを見

オールドレンズという名のファジー感

知人に聞くと、ここ最近では中国やタイ、ベトナムといった東南アジア諸国に急激にフィルム写真ブームが来ているそうです。 ここ数年、日本や欧米での銀塩文化の再評価という流れがあったが、ここに来て成長著しいアジアが次の銀塩ブームを醸成しつつあるらしい。 先日行われていた銀座松屋で開催されたクラシックカメラ市も、中国のオトナ買いバイヤーに代わり、タイのバイヤーが前日からスタンバっていたということ。 SNSなどの普及で、ブームに時差が無くなってきた昨今ですが、やはりホンノ少し

生みの苦労

どのジャンルでも、ゼロから何かを作り出す苦労というのは並大抵のものではありません。 アイデアが浮かんで、形にするまでがまず大変でして。 そこから出来上がったものを客観的に観察してみて、一喜一憂。 他人の作品を沢山見聞きして勉強し、被らないように細心の注意を払って…。 1つの作品を生み出すまで本当に時間がかかる。 でも、好きなことだから、大変なことなんて屁でもないんですよね。 だって好きだから。 だって自分のクリエイティブを信じてるから。 だって楽しいから。 本当に生み

習慣

6月下旬から3ヶ月間、とりあえず短文でも良いから日記を更新しようとほぼ毎日noteに記事をアップしておりましたが、10月に入ってから気が緩んだのか数日おきに更新するようになってしまい、習慣にはなり得なかったようです。 ざぬねぬ 昔々の大学時代。 まだデジタルカメラが世に出回る前の話。 初めて暗室でモノクロプリントをした時の衝撃。 バイトで稼いだ日々のお金を節約して、フィルムや印画紙を買っていた頃はカラーフィルムなんぞは金食い虫で、依頼がない限り使うことはありませんでした。

創作意欲

縁あって、色々な土地、色々な作風の陶芸家さん達と知り合ってからよく撮影に行きます。 モノクロネガのフィルム現像で良しとされる三原則? 1、抜け 2、ノリ 3、調子 というのがあるのですが、陶芸の世界にもやはりあるそうです。 1、焼き 2、土 3、轆轤 轆轤が上手になることはもちろんですけど、素材の特色を出し切れてるのか、 焼きが甘くないか、などの優先順位からすると、窯焼きが1番大切と言われてるそうです。 僕がよくお邪魔するのがこの窯焚き。 薪をくべる助手としてこき使わ

色々なものから学ぶ。

暑いですね。 この暑さに対抗してトップ画像だけでも雪景色をお届けしようと思います。 体感温度ならぬ視感温度が少しでも下がれば幸いです。 写真は唐津焼で有名な佐賀県の唐津市。 陶芸家の工房に行く途中の駅から撮影したのですが、寒波が押し寄せ一面雪化粧。 この時(2018年2月)は本当に寒かったです。 佐賀市内と唐津市内だと方言に違いが出てきます。 同じ佐賀県内なのに意外だと思いますでしょ? 佐賀県の西端にある有田町(有田焼の町)はこれまたちょっと独特なんですよね。 これには幕藩

3年は誰にも言いませんし見せません。

「これだ!と思えたテーマを基に撮影して作品を制作する際は、途中でそのテーマを人に話したり、作品の一部を見せたりすることはありますか?」 という僕の問いに、とある写真家が答えてくれた回答が本日のタイトルです。 その写真家さんは20年以上フランスに住み活動しており、一昨年の10月に青山で個展を開いておりました。 共通の知人がその写真家さんの国内でのマネジメントを請け負うことになったので、一緒に行ってみませんか?と声をかけてもらい伺いました。 迂闊に[テーマ]なり

ハードルは下がったものの

高い湿度でモワッとする暑さの東京でございます。 こんな日はカキ氷でも食べて海の中に沈んでいたいものですね。 ◎◎◎◎◎◎◎◎ えいやっ と飛び込んだ世界でしか得られない経験、情報。 えいやっ と飛び込めた勇気ある人へのご褒美といっても良いでしょう。 そのご褒美を大切に、かつ自分の武器にして戦ってきてた人は、後進の育成のためにこっそり教えてあげることも稀にありました。 時代は激変。 ・より早く ・より簡単に ・より安く アナログからデジタルの時代。 大袈裟ではなく、パ

金は天下の回り物

あらあら、気がつくともう7月も明日まで。 平成最後の夏が着々と進行しておりますね。 夏っぽいことやっとかないと。 いや、義務じゃないんですけどね。 夏といえば花火ですが、昨日隅田川の花火大会をテレビでなんとなしに流して見てましたところ いとうせいこうさん と みうらじゅんさん が副音声をやってると言うではありませんか! 急いで副音声に切り替えたところ 「もー音うるさい」 「何言ってるか聞こえないよ」 と花火に対してボヤかれておりましたw メイン進行の映像とかなりのギャッ

準備と覚悟

※この記事はホームページに2018年7月20日に掲載したものです※ 知らない世界に飛び込む勇気、とでも言いましょうか。 40歳近くになってくると、今までの経験を活かし、日々ふりかかってくる問題を解決しながら飄々と生きていけるのですが、若い子だとそれも難しいから不安になりますよね。 だからついついビビっちゃって保守的になる若い子がいるのも分からなくもない。自分も学生時代はそうでしたし。 「えいやっ!」と新しい世界に飛び込む時点で、その勇気自体がその人の武器になります。

出し惜しみビジネス

※この記事はホームページに2018年7月15日に掲載したものです※ 僕が写真にのめりこむきっかけになったのは大学時代に植田正治の写真を見てからでした。 「パパとママと子供たち」の写真にかなり衝撃を受けましたね。 当時(1999年)は植田正治の写真集はほどんと出版されてなく、過去に出版されてたものは絶版、かろうじて岩波書店から出ていた「日本の写真家」シリーズで氏の写真をためつすがめつ眺めておりました。 書店で検索すると写真集ではなく、連載してたエッセイをまとめた「私の写

VSCOって美味しいの?

※この記事はホームページに2018年7月14日に掲載したものです※ ヴィスコ なのか ブイスコ なのか 読み方がイマイチ良く分からないこの名称。 デジタルで撮影した写真をフィルム写真のようなトーンに変換することが出来るアプリだそうで、instagramのタグなどで目にする時にいつも読み方を悩まされておりました。 今でも読み方は分からないのですがw でもね、それならフィルム使ってスキャンしようよ。 フィルム写真が好きならさ、フィルムを消費しようよ。 ペットボ

分かってはいるけど

※この記事はホームページに2018年7月13日に掲載したものです※ なかなかね。 自分も他人も、感動するような、納得のいくような作品を生み出したい、という根底にある創作意欲。 売れるから とか 流行ってるから といったものに引っ張られると本質からどんどん離れていってしまう。 何がしたいんだっけ? 写真の世界も陶芸の世界も一緒なんですねぇ。 安易に模倣して先駆者顔する方達へ。 いずれ、自分が大変になるだけですよ。