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「ペルー 大使公邸人質事件 強行突入!その裏で」 (アナザーストーリーズ)

1996年12月、南米ペルーの首都リマにある日本大使公邸がテロリストに占拠された。127日後、ペルーの特殊部隊が強行突入。結果はテロリスト全員射殺、日本人の人質は無事に解放された事件についての考察番組。

当時お気楽会社員だった私は、その事件についてあまり関心が無かった。正直に言うと「自分の知らない土地で、自分の知らない人々が拘束されているんだな」と。社会人として、恥ずかしさ極まる感想しかなかったのだ。

今回改めてその事件について、深いところまで勉強させてもらった気分である。なるほど、そういう事だったのかと。

テロリズムは最低の忌むべき手段で、断じて許される事ではない。当時、第三者委員会まで作ってギリギリの対応に務めていた事は大変評価できると思う。"闘わずして勝つ"というか、「平和的な手段で幕引きできると最後まで思っていた」という当時の外交官の意見は偽らざる心情だったのであろう。

しかしながら、突入という軍事的破滅的な方法で事件は終結する。当時のフジモリ大統領は、公約を守るという大義名分の為に、キューバのカストロ委員長の温情も粉砕したといっていいだろう。

人質になっていた日本人に、敵であるテロリストの事を悪くいう者はいなかった。一緒にピアノを弾いたとか、テレサ・テンを聴いたとか、日本食を食べたがったとか、むしろテロリスト側と仲良くやっていたようである。だから、本心としてはテロリスト全員死亡という結果に心をいためてきたのではないかと、推測してしまう。

とはいえ、自分達を助けるためにペルー軍特別部隊では死者が出ている。だから尚更、心の内をずっと秘めて過ごしてきたのだろう。

裕福そうに生活している者の中にも、心に深い傷を隠し続け、辛い体験に悩んでいる者もいるのだなと思った。

皆が幸せに、平和に暮らせることの尊さについて、改めて考えさせられた1時間だった。


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