見出し画像

アイドルとNFTの関係と未来を考える

NFTを簡単に


 みなさん、NFT(Non Fungible Token)をご存じでしょうか?
 最近、よく耳にする言葉だと思います。
 びっくりするぐらい雑に説明してみます。
 たとえば、これまで絵を描いて売ると、その絵を描いた人に支払われる金額は、最初の取引の時だけです。
 その後、オークションなどに出品されたり、他の持ち主の手に高値で売られても、絵を描いたアーティストには1円も支払われません。
 それに対してNFTは、デジタルデータが売り買いされる度に、一部のお金が描いたアーティストに支払われます。
 また、所有権がブロックチェーンにより明示されていることで、誰が所有していたかや誰が発行したかなどの情報も分かり、芸術品に必要な「信用」も担保されています。さらに、手持ちのNFTに様々な特典を付けることも可能となっています。

NFTトレカとSKE48


 
 なんだ、それだけかい、と思われた方もいるかも知れませんが、創作をしたことがある方でしたら、とんでもない時代がやってきたと感じるのではと思います。
 朝日出版社から出版された「NFTの教科書」ではNFTの可能性を国内外の28人の識者が語っています。
 中には、SKE48とNFTのコラボでもおなじみcoinbookの奥秋淳さんが語るトレーディングカードとNFTの最前線に関するインタビューも面白いので、興味がある方は是非!
※SKE48とNFTに関しては、こちらのニュースをご覧あれ!

 さて、じゃあ、いよいよ、栄、覚えていてくれもNFTの世界に参入か、というと、まだ足踏みしてましてね。
 上記のSKE48×NFTトレカを買おうかと考えてみたんですが、10期生の五十嵐早香推しの僕にはかなり手を出すにはキツイ感じです。
 主要なマーケットプレイスがNFTの世界には9つあるそうなんですが、Coincheck NFT( β版 )をSKE48×NFTトレカは採用しています。口座に預けている暗号資産をそのままNFT決算に利用できますし、いわゆる「ガス代」という手数料もそこまで気にならないので、初心者の方にもおすすめだそうです。
 ここまでは、いいよね、と思うわけです。ゲームとかメタバースとかのも取り扱ってますしね。
 でもですよ、扱っているNFTトレカのランダム性が高いのと、そもそも五十嵐早香さんが休業していた期間が長かったため、お金を払って買った時に早香先生が出るかどうか分からぬ、という不安があるわけです。
 NFTアートの場合、「これが欲しい!」と1点買いが出来るのに対して、ランダム性があるものを購入するのに躊躇ってしまうところがあります。勿論、トレカなので、自分のお目当てでは無いものが出た時は、出品してカードをユーザーの中で回してね、という狙いかも知れませんが、ううむ、果たしてどれぐらいのユーザーが触っているのか、と不安ではあります。
 ちなみに、このNFTトレカはCryptoSpells( クリプトスペルズ )というNFTゲームとコラボもしています。2018年の正式リリースと共に当時の日本最高記録をマークしたトレカゲームです。こちらでは、メンバーが自分の能力も考えているので、是非、試してみたいなと思うんですが、何度も書きますが、まだ早香先生のカードが当たる可能性が低そうなんですよね。
 じゃあ、これからも全く買う気はないか、というとそうでもなくてですね。昨年、新成人を対象としたNFTトレカが発売されたので、今年の新成人組もNFTトレカで出たら、喜んで買わせていただきます。ちなみに新成人組のNFTトレカがリリースされたのが、昨年の2月2日のことなので、そろそろでは、と身構えております。
※ちなみにベイビーメタルもNFTトレカを出しています。 


 まずは、既に商品化されているNFTの商品を紹介しましたが、ここからは、じゃあ、アイドルとNFTはどう進化していくのか、という可能性を僕が推しているSKE48で考えてみたいと思います。

① アートとNFTの関係から考える


 アイドルグループの中に絵が得意なメンバーがいると思います。
 SKE48では北川愛乃さんが、素晴らしい芸術センスを持っています。

 彼女の抽象画や色鉛筆アートをNFTアートとして販売する。
 出来れば、Raribleやnanakusaのようなアートに対する素養が高いユーザーがアクセスするマーケットプレイスで販売していく。そうすることで、アイドル北川愛乃という人を全く知らない誰かが購入していく。アイドル文化の外にいる人にアクセスできる可能性があるのでは、と僕は思います。

 よこにゃんは番組やゲーム、イベントの為に様々な絵を描いてくれます。
 しかし、その労力と時間は本当に報われているんだろうか、という疑念がありました。
 出来たら、権利的に問題がないものはどんどんNFTとして出品して、外の世界に広げていく作戦はどうでしょう?
 そうすることで、彼女がいつかSKE48を離れた時にも次の活動をしていくための足元を固める大事な資金になっていくのでは、と思います。
 

② メタバースとNFTから考える


 VRchatを用いた仮想空間である「メタバース」。
 イメージしにくい方は、映画「レディ・プレイヤー1」をイメージしていただければ、と思います。
 このメタバース空間でまとうアバターやファッションアイテムのNFTを発売します。
 現在、ファッション業界は、石油産業に次いで2番目に環境に負担をかける産業となっています。
 既にグッチやバーバリ、ユニクロは参入していますが、これから更に参入するブランドは増えるのではと思います。
 じゃあ、SKE48にはどんな可能性があるのか?
 突然ですが、「古畑奈和になりたい」と思ったことは皆さんないでしょうか?
 いや、ないわ!と言われたらそれまでなんですが、僕は彼女のファッションセンスが凄く好きでして、髪型や衣装の着崩しとか最高だなあ、とため息をつくことがよくあります。こんだけ黒中心のファッションでダンスして決まるメンバーなかなかいませんよ。

 勿論、そこには「序・破・離」の「序」も「破」も出来てるからこそなんだと思うんですけどね。
 SKE48メンバーのアバターを限定1品で出品する、一人目の所有者はオリジナルのメンバーとする。そうすることで、オリジナルはアイドルに還元されていくのはどうでしょう?
 別にアバターだけに限らず、シングル衣装も販売してみるのも良いと思います。幸い、SKE48には13年以上の歴史があります。様々な衣装を販売して、アイドルだけではなく衣装チームの方々も報われる環境つくりはどうでしょうか?
 AKB48が海外でも売れた要素の一つとしては、「オサレカンパニー」が作ってきた衣装の力が大きいと思います。

③ 音楽とNFTから考える


 現在、音楽業界はサブスクの勢いが凄いですが、NFTもすでに参入が続いています。
 3LAUやスヌープドッグを始め、ダラス交響楽団も限定の3種のNFTをブロックチェーン上で販売しています。
 日本のアーティストではperfumeが真っ先に挙げられますね。こちらは日本円で325万円で落札されています。振り付けの3Dアートを販売しているんですが、そうか、確かにperfumeはメタバースと相性が良さそうだわ、と感心したのを覚えています。 

 SKE48でも10期生の澤田奏音さんが作詞作曲が得意ですが、これまではSHOWROOM配信などで歌って終わりの状態が続いていました。しかし、これからは限定で販売していくことで自分が作った曲の価値を高めていくことができるかもしれません。
 ちなみに、権利に関してもJASRACもブロックチェーンでの音楽作品を管理する実験を開始しています。
 澤田奏音ちゃんが作った曲を、彼女だけではなく、購入した幼稚園や小学校で子供たちが歌ったり、劇団のミュージカルの中の1曲として歌われる可能性もあるわけです。
 

 ④ 文学とNFTの関係を考える


 幻冬舎から昨年発行された雑誌「サウナランド」は、NFTとして1冊限定で発行し、オークションが開催されました。NFTには出版・販売できる商標利用権もつけていました。
 この権利を獲得したのは、出版社ではなく一個人の方でした。
 現在、出品される気配はないですが、たとえば、海外の方が購入した場合、これは日本語とは違う言語で翻訳されて販売される可能性もあると株式会社Thirdverse代表取締役CEOの國光宏尚さんは「NFTの教科書」の中で語っています。
 これは、「ライ麦畑でつかまえて」の作者、JD・サリンジャーがほとんど作品を発表せずに、家族のためだけにひっそりと作品を書き続けたエピソードにときめいた人間としては、とても素晴らしい試みだと思います。
 SKE48でも文章が得意なメンバーがいます。
 10期生の五十嵐早香です。
 そう、僕がこの記事の冒頭で挙げたメンバーですね。
 3500文字かけて、やっと帰ってきましたよ。
 彼女がNFT限定で小説を書いて出版権を出品したとしたら、買いたいファンは沢山いるんじゃないでしょうか?少なくとも僕は買います。
 なんなら、今年、クラウドファウンディングで小さい雑誌を作ろうと思っているので、そこに載せます。だから、売って。というのは冗談っぽい本音ですがね。
 たとえば、公式ブログの愉快な食レポや卒業していくメンバーとの別れを書いた文章、そして、創作。これは、現在有料会員のみのものとなっています。更に、彼女が卒業したら消えます。
 SKE48の運営さんがどれぐらい彼女の書く文章に趣きを置いているか分かりませんが、もし、消えてしまうとしたら、残す場をこっちで作るので出品して。お金ないけど頑張って買うからさ、と思うわけです。

 ここまでNFTの輝かしい部分と可能性ばかり書いてきましたが、勿論、課題もあります。海賊版の音楽をNFTとして出品してしまった例やなんとかして細かい差異を作って贋作で儲けようとする人達、NFTトレカが生む資産性と日本の賭博罪とのバランス、税務面での処理など、まだまだ整備が必要なところもあります。
 
 しかし、これからWEB3.0に突入しようかとするなか、せっかくNFTトレカという入り口に触れているんですから、是非、SKE48にはNFT関連でも様々なアプローチも試して欲しいです。
 だって、メンバーたちがこれだけ自分たちの個性や労力を発揮しているのに、それをやったら終わり、出したら終わりというものにするのは、少し寂しいと思います。舞台芸術の1回性の美である「アウラ」も大事だと思いますが、デジタルデータとして資産に出来るものはどんどん外に出す回路を作っておいてほしいと思います。
 それが、メンバーを大事にすることにもつながる気がします。
 あなたの好きなアイドルはNFTの世界でどんな活躍をするでしょう?

こんな大変なご時世なので、無理をなさらずに、何か発見や心を動かしたものがあった時、良ければサポートをお願いします。励みになります。