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あなたの発信を深化させる1冊「ニュースの未来」

 今、このnoteを読んでいる方の中には、noteというサービスで何かを書いている方かも知れません。もしくは、たまたま見つけたという方もいらっしゃるかも知れません( もし、そうならこの出会いに感謝したいです )。
 僕が紹介する石戸諭さんの「ニュースの未来」は、僕らの発信のレベルを一段階深くしてくれる1冊です。


 最初はアップと書こうと思ったんですが、アップという早さよりも「深化」の方がスピード感があっている気がしました。「進化」と書くのもおおげさですしね。
 さて、こちらの1冊は、ノンフィクションライターの石戸諭さんのこれまでの新聞記者からウェブライター、そしてソロのライターとしてのキャリアが語られながら、「良いニュース」について考えて行くことになります。

 ここまで読んだ方で、発信と「良いニュース」にどんな関係があるんだ、と思われた方もいらっしゃるかも知れません。たとえば、自分が書いているnoteと何の関係があるんだと。
 そこで、第3章に出て来る「良いニュースの五大要素」を挙げてみたいと思います。

要素① 良いニュースには「謎」がある。
要素② 良いニュースには「驚き」がある。
要素③ 良いニュースには「批評」がある。
要素④ 良いニュースには「個性」がある。
要素⑤ 良いニュースには「思考」がある。
          「ニュースの未来」P83~P84から引用。

 これはニュースについての五大要素なんですが、果たしてニュースだけなのかな、と思いましてね。もしかして、これは 自分の発信物にも応用できるのではないかと。
 ちなみに、僕がこの本を手に取った決定打は、この本の帯に書いてあったこの五大要素でした。


 僕もこのnoteというサービスでせっせとサブカルチャーのことを中心に書いているんですが、この本の中には自分が目指している理想の記事の姿があります。
 それは第2章に登場した石戸さんが初めてBuzzFeed Japanに書いた広島の原爆投下を悔やんだ米兵と哲学者についての記事についてです。この記事は、掲載された1年後にも多くの人にも読まれます。
 これは「バズる」という現代のSNS社会で大ヒットを生み出すものとは、少し速度が違います。良いニュースは時間が経ってもきちんと読まれる。
 ふと、noteの「ダッシュボード」機能で、最近読まれた記事で1年前のものってどれぐらいあったかな、と確認していましました。
 

 じゃあ、良いニュースを生み出すためにはどうしたら良いのか、様々な型や書き手作り手について紹介されます。きっとあなたにあったタイプも出て来るのではと思います。僕は、第2章に登場した、①速報、②分析、③物語の3大要素をまずは意識してみようかと思います。第7章については、まず内在型の書き方が出来ないかこれから探っていこうかな、と思っています。

 さて、ここまで読んで、「いや…。別に発信とかしないし…」という方もいらっしゃると思います。そんなあなたも、毎日様々なメディアで受け取る情報を読む時の視点が豊かになると思います。
 また、何気なく毎日開いていた某検索サイトのニュース欄について書かれた第5章が凄く興味深かったですし、「良いニュース」よりも読者がクリックしそうな記事や、悪い意味で読んで気持ちよくなる記事が増えて行く歪みの背景についても第1章から考えさせられます。
 また、新聞記者時代のエピソードも「もし、今地震が起きたら」というところや「リークはありえない」というところなんか凄く面白かったです。ちょっとだけお仕事の現場を覗き見する感覚で読んでみるのも良いと思います。

 すべての発信する人達に、これから自分の発信を良いものに変えて行く為にこの本をおススメしたいと思います。「公開する」のボタンを押す前にこの本を是非読んで、より深くより長く愛されるものにするヒントが隠されているはずです。

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