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ほんの少しだけ日常を大切にできるようになった私の話。

「足るを知る」という言葉、ご存じですか?

古代中国の老子の言葉『足るを知る者は富む』
(満足することを知っている者は、貧しくとも精神的に豊かになり、幸せに生きていける)からきている言葉で
『自分が置かれている状況に満足し、感謝の心を忘れないことで、豊かに生きていける』というような意味だそうです。私は最近この言葉を知りました。

以前、私は週末になると頻繁にお出かけしていました。東京に舞台や映画を観に行ったり、友達と遊びに行ったり。地元にいても、カフェにランチに行ったり、買い物に行ったり。今になってみると、本当に物欲や遊びたい欲の塊。遊ばないと休日がもったいない!と思ってましたね。
特にコロナ禍直前の2019年は、田中圭さんのファンになってすぐだったこともあり、圭さん欲がそれはもう強くて。舞台も映画もたくさん行きたいし、舞台挨拶も行きたいし、ロケ地も行きたい。当時ボートレースのキャラクターもしていたのでそのイベントにも行きたかった(実際は行けず)。雑誌もグッズも欲しくて発売するたびに目の色を変えていました。

そこから突然のコロナ禍。
否が応でもお出かけできなくなり、引きこもる日々。落ち着いてきても仕事柄もあって県外に出たり、外食したり、友達と会ったりなんてことはできない日々が続きました。近所で写活をしたり、お散歩したり。ときどき美味しいものをテイクアウトしたり。エンタメと言えばたまの映画館くらい。

そしたらですよあらびっくり。気づいたら考え方が変わっていました。

昨年の圭さんの舞台「もしも命が描けたら」の頃はまだ葛藤していて、けっこう心の中はドス黒いことになってました。でも、その後も舞台挨拶や何よりも行きたかったファンミーティングまで行けずじまいで。もうここまでくると、欲をもってもできないものはできないということを理解せざるを得なくなり。その環境に慣れるというか、諦めがよくなったんですね。

で、そんな中で、今までは見過ごしていた日々の何でもないことが、今までよりも楽しいと感じていることに気づいたんです。家でゆっくり本を読んだり、昼ごはんに好きなものを作って食べたり。家族とその辺に買い物行ってドライブしたり。本当に些細なことですが、そういうことが生活の中心になってくると、こういう生活も悪くないなぁ、都会に行かなくても地元にも素敵なところがたくさんあるなぁと感じて。でね、悪くないだけじゃなくて、こういう生活をちゃんと大切にしたいなと思うようになりました。両親も高齢ですしね。一緒にいられる時間を大事にしたいなと。

エンタメや娯楽にめいいっぱい振り分けていたお金も、洋服やコスメに回せるようになって、ちょっとはオシャレするようになったし。そっちでも物欲が増えすぎないよう、入る分だけ、本当に欲しいものだけ、と言い聞かせているので、今はクローゼットを見るとけっこう幸せな気分になっています。

11月に圭さんの「夏の砂の上」という舞台があり、約3年ぶりに2公演観劇する予定です。圭さんのお芝居をもっとたくさん観たい気持ちもありはしますが、今の私はこれで充分。そう思える自分にどこかほっとしてます。いろいろな状況が整って無事に観劇できますように。