五百刈沢隧道事前視察

 2024年3月7日、午後5時すぎ、自宅からは4kmほど離れている五百刈沢隧道を目指し、主要地方道72号線(秋田北インター線)を、終点目指して走る。
五百刈沢隧道は、秋田北インターチェンジのすぐ裏の山にあり、高速道路があと50m山側を通過していれば、確実に消滅していただろう位置にある。
隧道への道は目印に乏しいが、一般の道路地図にもちゃっかりと掲載されているので、誰でも簡単に訪れることが出来よう。実際に訪れる人間はおそらくいないだろうが。
探索メンバーは私Kと友人のYだ。

高速道路下。かなり広い。

高速道路下を通り、隧道にアクセスするための道を上る。
さすが高速道路下というだけあり、面白いほどに広く声が響き渡る。
上を車両が通るとものすごい轟音がした。


入山

登り切り、自転車を置く。

 ここからは自転車を置き、徒歩で上る。久しぶりに太ももの筋肉を酷使したので痛い。運動はやはり大切だ。
 途中まではアスファルトの見慣れた灰色が見えていたが、森に入るにつれ見えなくなってきた。この時期の森は特に楽しいが落ち葉で隠れていた水たまりを踏んでしまうことがあるので気を付けたい。


移転記念碑(撮影:Y)

 しばらく進んだ先の右手には、高速の建設のために集団移転して無人となった五百刈沢集落の墓地があって、そこには移転記念碑も建立されている。
高速道路のために集団移転するケースは珍しいそうだ。

 そこからさらに50mほど進むとやっと件の隧道が見えてきた。
 正直、あまりいい気はしない。



禍々しい隧道の入り口が見えてきた。

 隧道の入り口が見えてきた。最初に見た時の感想は「気分いいものではないな。」だった。低画質だが、文句は言わないでほしい。なんて言ったって私のiPhoneは2017年発売の化石なのだ。

いよいよ隧道に進入


中は意外ときれいで、朽ちてはいないようだ。

隧道の中はきれいで、金気臭のする水が上から垂れてくること以外は特に不快なこともなかった。着てきたコンバットジャンバーが防水仕様で幸運だったとつくづく思う。


意外と全長は短い。

 Yが懐中電灯で照らし、自分がヘッドライトで照らす。しかし、入り口が狭いせいなのか、はたまた木々の葉が光をさえぎっているのか不明だがとにかく暗い。背後から黒い服で近づけばわからないだろう。


切れかけの蛍光灯。ここを通る人間を待ちわびてついに切れてしまったのだろう。

こんなになるまで酷使された蛍光灯は初めて見た。内部の水銀ガスはほぼ逃げ出してしまっただろう。かわいそうなので交換してやりたいところだが生憎、ホームセンターに近い場所にはとても思えないので断念。

隧道から出る


激しいピンボケを起こしている。

 この画像に違和感を感じないだろうか?地面は車両が通った跡がついているのにも関わらず、奥の木は倒れている。
 しかも情報によるとこの先は廃道のようだ。ヤクザが死体処理にでも訪れたのだろうか。
 

恐怖の始まり

 隧道の暗さで私とYの精神も限界に陥ってきた。その時、私は確かに見た気がしたのである。木々の間を素早く通った白い影が。精神に限界をきたすと見えないものが見えると聞いたことがある。こんなものが見えてたまるかと気を強く持ち、隧道へとまた戻る。
 Yも私に聞こえない枝を折る音が聞こえたという。
 二人とも安全優先で隧道の奥の森から抜けることにした。

続きは明日書き込むことにする。

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