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ボクのオバケ退治日記[vol.1:続編] 愛する人が他界した時、残された者の悲しみと寂しさは、時として…!?

以前掲載した[vol.1前・中・後編]の続編をお届けします!…はじめてのかたは、必ず前・中・後編を先に読破して下さいね! そのほうがずっと面白いからです(^^)

A子さんに憑依したことで彼女の人生を狂わせていた犯人「オジサン霊」がいなくなったのに、またまた彼女の右首と肩が硬直して再来院!!!…変だなぁ~…あれっ?!?!

災厄続きで「ひょっとして霊障では??」と友人が心配して連れてきた30代前半の女性患者:A子さん…。

こんな前フリかがあると、大抵の人は「きっと根暗で陰湿なムードの人なのかな?」と想像するでしょうね…。

ところが実際に会ってみると、とても明るくて朗らか…祟りとか霊障とは全く無縁に見えるA子さん。しかし…その内面をよ~く観察してみると、心の中の影の部分には、なにか怨念のような負のエネルギーが見え隠れしていました…。
そうでなければ低級霊のネガティブバイブレーションとは共鳴できる因子がなく、従って件の「オジサン霊」が入り込むスペースすらできなかったはずですから…。

そこで、とりあえず僕は彼女の右肩の骨格調整を始めましたが、その刹那…視界の右端にチラッと小さな四つ足動物が見えました。
片手に載せられるほどの小ささなので、いとも簡単に吹き飛ばしてしまえます。
…ちなみに前回の「オジサン霊」は“元人間”ですが、その大きさはA子さんの右肩に乗れる程度でした…。
読者の皆様ももうお気付きですね、この小ささは「霊の意識状態」を現しているのです! 低級霊の心はみんなちっぽけなんです。それを反映してどの霊体も実物大以下…つまり生きていた当時よりもずっと小さくなってしまっています。

ただし、霊視する側がこのことを知らず、必要以上に霊を恐れると、小さくなっていた霊体も、時として等身大以上に見えるため、その辺の読み加減が霊能者の才覚や見識を表すことが多いようです。

上述の背景から、A子さんの肩にしがみついている小動物が、本当はもう少し大きな体の犬だったにもかかわらず「こんなちっちゃな動物なら、わざわざ彼女に断るまでもないし、この小動物が肩に乗っていたことさえ本人は知らないだろうから…」とタカをくくり、僕は一瞬の内に光の世界にテレポーテーションさせてしまいました。…そしてその直後…A子さんには念のため次のような説明をしました。

「この前のオジサン霊は、ちゃんと天国に帰っていて、キミの首と肩にはもういないよ…でも、強いて言えば小さな動物霊がくっついていたから、それは一瞬で上げちゃったから心配しないで!」…。

すると彼女は開口一番…「えっ?…それってウチの犬🐶じゃないかな…?」
僕「まさか…でも小さな茶色の子だったよ!!」
A子さん「そうそう…あ~~っ…その犬やっぱり私が可愛がってたウチの子だ~…この前死んじゃったんですよ~~😭…」

彼女は続けます「私、この子がいなくなってから、と~っても淋しかったんですよ…だからこの数日間、淋しくて辛くて…私はあの子のことばかり考えていました……だから来ちゃったんですね~」

僕「でもさっき上げちゃったもん…(今さら呼び戻すのもな~…せっかく上がってくれたのに…)」

…そして後悔する僕…、その小犬のことを事前に彼女に告げ、vol.1後編の時と同じように、彼女と一緒に手を携えて、その小犬との別れを惜しみつつ、昇天させてあげれば良かったなぁ~…と。

現職時代の職業病が、つい顔を覗かせてしまった判断を、僕は深く恥じ入りました。…時間だけが勝負の臨床現場ではスピードこそ命でしたから…!
僕にとっては一匹の小動物霊…日常の雑事の中につい埋もれて見過ごしてしまう患者さんの悲しみや淋しさに、ほんの少しでも寄り添ってあげられる自分であったなら、彼女にもこんな空しい想いをさせなくて済んだものを……。

そんなちょっぴりおセンチな気分を味わっていた僕を尻目に、A子さんはますます元気な笑顔で帰っていきました。

憑依体質の人間には珍しい、あの屈託のない脳天気さはA子さんの大きな魅力です。
上司にはいつも可愛がられ、引き立てられている彼女だからこそ、今回の災厄を打ち明け、件の親切な上司の計らいで僕との縁が繋がったことを思えば、やはり彼女には幸運の女神がついているのかもしれませんね(笑)。

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