【初心者が学ぶ量子力学①】量子力学って?

こんにちは、るっつです。
記念すべき初投稿は量子力学に関する内容です。このシリーズでは、僕がゼロから量子力学を勉強していく過程で面白いと感じた内容をシェアしていきます1)

1) というか、今後アップする記事のほとんどは「僕がゼロから〇〇学を勉強していく過程で面白いと感じた内容をシェア」していく形式になると思います。


内容の正確さにはもちろん注意しますが、そもそもの目的は


素人が独学する過程をシェアすること

であって教材や解説記事の類ではないので、これだけを読んで勉強するのはやめてくださいね笑
それでは、楽しんで学んでいきます。


1-1. 量子力学の定義


 新しいことを学ぶとき、特に量子力学みたいに、日常的に馴染みのない内容を学ぶとき、気になるのが


「それって何をやる学問なのさ?」


ということ。簡潔な定義を求めてコトバンクを参照したのですが⋯⋯


https://kotobank.jp/word/量子力学-150003

わからず。
 このコトバンクを読んで理解すること自体に相応の予備知識が要りそうですが、一番簡潔な定義はこれでしょうか。

「素粒子・原子・分子などの微視的な系を記述する力学体系。シュレーディンガー方程式にしたがう状態を導入、観測によって得られる測定値との間に確率的な解釈を行うことで、粒子がもつ波動と粒子の二重性、測定における不確定関係などを矛盾なく説明する。」(大辞林第三版・三省堂)

1-2. つまり、量子力学とは


 他の参考書を勉強した後でこの定義の意図を汲むと2)量子力学とは、

従来のニュートン力学では説明しきれなかったミクロの世界で起こる現象を説明するべく、新たに考え出された力学

であり、⬆️を記述するための方法として、
・シュレディンガー方程式
・確率的な解釈

といったものが導入されたと理解できます。ちなみに、量子力学の誕生に際してはシュレディンガーハイゼンベルクがそれぞれ波動力学行列力学という2つの理論体系を独立に打ち立てましたが、両者は数学的に同等であることが確認されています。行列力学の方は僕の数学力が追いつかないので、当面は波動力学に沿って勉強を進めます😢

2)この記事を書き始める前に『趣味で量子力学』(広江克彦著)を通読して量子力学の全体像を掴んでいます。

1-3. 「波」としての光と「粒子」としての光

 量子力学のキャッチコピーとして定番となりつつある(?)

「光は波でもあり、粒子でもある」

というフレーズ。この言葉、僕にはかなり玉虫色の表現に思えて、

・光はある瞬間には粒子として、別の瞬間には波として存在している

・光は原則的に粒子だが時として波の性質も示す

・逆に、原則的に波だが時として粒子の性質も示す

というように、いろいろな意味にとれる気がしてしまいます。ひとまず僕は、光とは波として解釈すると都合のよい振る舞いと、粒子として解釈すると都合のよい振る舞いの両方を示すナニモノか」であると理解しています3)。

3)まだ量子力学を勉強し始めて1か月ほどなので変わっていくと思います。有識者の方からのご意見もお待ちしております。

 ただ、確かに言えることもあります。すごく大雑把に、
a. 波=空間に広がりをもって存在するもの
b. 粒子=空間のある一点に凝縮して存在するもの
として捉えたとき、光がa・bどちらの性質も示すということは実験により確認されています。

電磁波(光、X線など)を粒子として扱う例としては光電効果コンプトン効果、逆に、粒子を波として扱う考え方にはド・ブロイの物質波があります。まずは、光電効果についてまとめます。

1-4. 光を粒子として扱う例:光電効果

  
 光電効果とは、金属表面に光を当てると金属から電子が飛び出す現象です。先に言ってしまうと、アインシュタインはこれを説明するために、光を粒子として扱う理論・光量子仮説を提唱しました。
 僕らの目に見える範囲で考えると、ふつう金属に光を当てたら光が反射されて返ってきますよね。これは古くから知られていた波としての光の振る舞いです。

JPEGイメージ

 ところが、一定以上の振動数の光を金属に当てると、同じ波である光だけでなく、粒子であるはずの電子まで出てきてしまうことが実験で明らかになりました。

JPEGイメージ 2

その他にも、
・入射光の振動数を増加      →飛び出す電子の最大エネルギーが増加
・入射光の強さ(明るさ)を増加  →飛び出す電子の個数が増加
などの実験結果が得られました。これらをすべて矛盾なく説明するべく、アインシュタインは光を小さな粒(光子)の集まりとしてとらえる光量子仮説を唱えたのです。そして、光量子仮説における波及び粒子としての光の性質を、僕なりにまとめ直したものが以下の表です。

JPEGイメージ 4

 アインシュタインは、光の粒である光子1個がもつエネルギーEは振動数νに比例すると考え、


E=hν


と表現しました。この比例定数hはプランク定数と呼ばれ、


h=6.62607015×10^(-34) J・s


と定められています。エネルギーを振動数で表現したこの式は、後々使っていくとても重要なものです。
 その後、光が粒子としての性質を持つならば、


「粒子もまた波のような性質を持ちうるのではないか?」


との考えから、ド・ブロイにより物質波の概念が導入されました。物質波はシュレディンガー方程式の導出に不可欠な概念なので、2. シュレディンガー方程式 でまとめます。


 いかがでしたか?以上を踏まえつつ、次回は量子力学を記述するための主要なツールであるシュレディンガー方程式について理解を深めていきます。
 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?