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映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:番外編No.7

2020年に公開された河合弘之弁護士製作・小原浩靖監督作品『日本人の忘れもの フィリピンと中国の残留邦人』が東京・ポレポレ東中野で再上映される。
7/29(土)~8/4(金)の一週間限定。上映開始は連日午前10時から。
本当にうれしい再上映だ!

コロナ禍真っ只中の2020年7月25日に公開された時は散々な目に遭った。ポレポレ東中野の座席数は半分になり、公開初日の3日前に小池都知事が外出自粛を要請したことで1/3の予約がキャンセル。1日3回、3週間も上映されたが、二桁の動員に届かない回も目立った。公開館は全国12館と少なく、興行は見事に赤字に終わった。

この作品は、中国残留孤児問題とフィリピ残留日本人問題を一本のテーマとし、知られざるフィリピン残留問題に光を当てるとともに、本来は支援するべき責任がある日本政府に向けて問題の早期解決を迫った作品だ。

中国残留孤児のことを知っている人は多いが、フィリピン残留日本人2世という戦争被害者のことは、ほとんど知られていない。どれくらい知られていないかというと、本作でナレーターを勤めてくださったNHKのレジェンド・加賀美幸子アナウンサーですらご存知なかったくらいなのだ。加賀美さんは本作のナレーション収録時79歳。中国残留孤児の方々とは同世代だ。
中国残留孤児の肉親探しが国家プロジェクトとして始まったのは1982年。当然NHKでも特集番組が組まれ、孤児の方々へのインタビューは加賀美さんが担当された。数年間続いたインタビューで会った孤児の方の数は500名を超えるそうだ。

その加賀美さんですら知らなかったのがフィリピン残留日本人問題である。加賀美さんにナレーションをオファーした時「このお仕事は私がやらなければならない。スタッフの一員に加えてください」とおっしゃってくださった。

プロデューサーの河合弘之弁護士は1982年以来、40年以上も中国残留孤児の国籍取得を支援し、2000年からはフィリピン残留日本人2世にも支援の手を差し伸べてきた。河合弁護士が本作を作った理由は、知られざるフィリピン残留問題を映画の力で啓発し、日本政府を解決のために動かすことだ。

興行的には振るわなかったものの、本作のDVDを国会議員に配りまくって問題の早期解決をお願いしまくった結果、2022年3月10日の国会で立憲民主党の白眞勲議員が本作のワンシーンを引用しながらフィリピン問題の現状を訴え、岸田総理大臣に早期問題解決を約束させることになった。

しかし、一気に問題が解決するほど簡単ではない。だからこそ、今回の再上映でもっともっと多くの人たちに残留問題を知ってもらう必要があるのだ。
また、この問題は入管法問題にも通じると自分は考えている。

本作も『原発をとめた裁判長』同様、自分が宣伝・配給を担当する。
現時点では7/29からのポレポレ東中野、8月には大阪のシアターセブンでの公開が決まっている。マイナー作品の再上映は厳しいが1館でも多く公開し、一人でも多くにご覧いただきたい。

そのために、この日記を読んでくださっている方にお願いがあります。

映画館は初日の動員によって、ヒット作か、そうでないかを判断します。東京近郊にお住まいの方はぜひ、ポレポレ東中野の初日、7月29日(土)午前10時からの上映にお越しください。
1日1回、1週間の限定上映でも、初日が満席になれば延長される可能性は大です。自分は7/29~8/4の上映期間中、毎日舞台挨拶に登壇します。みなさんのお力を貸してください!劇場でお会いしましょう!!

『日本人の忘れもの フィリピンと中国の残留邦人』公式サイト
https://wasure-mono.com

『日本人の忘れもの フィリピンと中国の残留邦人』公式Twitter
https://twitter.com/wasuremonomovie

ポレポレ東中野
JR東中野駅・地下鉄大江戸線東中野駅から徒歩1分。
電話番号 03-3371-0088
ホームページ https://pole2.co.jp

めちゃくちゃカッコいいポスターは『原発をとめた裁判長』と同じ杉山聖吾デザイナー作

チラシ裏面 文章も写真もめちゃくちゃカッコイイ!

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