静かな人(N-1グランプリ)
A「突然やけどさ、ポルターガイストって知ってる?」
B「あー知ってるよ、家具が勝手に動いたり物音がしたりする心霊現象のことやろ?」
A「そうそう。最近それに凄い遭うんやけどさ、ちょっと話聞いてくれない?」
B「えー、それは怖いな!どんな事起きたかちょっと言ってみ?」
A「なんかね、近所に寺なんか無いのに鐘の音が聞こえてきてさ。」
B「えーそれは怖いな。でもそれポルターガイストって言うんかな?」
A「分からんけどでも確かに聞こえんねん。それが凄い響いてて。」
B「へ〜、それは確かに怖いな。」
A「そしたら綺麗な花の色が目の前に広がってん。」
B「…ん?」
A「後々気づいたけど何かの理を表してたらしいねんな」
B「それ平家物語ちゃうの?」
A「え?」
B「今お前平家物語を一行ずつ音読してたで?」
A「あれ?これ平家物語でした?すみません失礼しました」
B「何で平家物語になるねん。ちゃんとしてくれや! で本当は何が起きたん?」
A「ごめんごめん!なんかね、えたいの知れない不吉な塊が私の心を終始圧えつけていたんよ」
B「……それ檸檬ちゃうの?」
A「え?」
B「それ梶井基次郎の檸檬ちゃうの? え?クイズやろうとしてる?」
A「いやごめん、忘れてもうて…」
B「俺が檸檬知らんかったらどうするつもりやったん?」
A「そのまま行こうかな思ってたけど」
B「逆に檸檬暗記してるの凄いな!!何で檸檬覚えててポルターガイスト忘れんねん」
A「いやーにしてもお前のツッコミは気持ちええなぁ」
B「なんやねん急に」
A「ちょっと俺がポルターガイストについて話すからさ、お前はそれに一番合った相槌を打ってくれん?気持ちよく話したいんよ」
B「なんやそれ。クイズやん」
A「いや、クイズでは無いんやけどやって欲しいねん。じゃあ早速行くよ! 」
B「え!ちょっ準備が!!」
A「おい地獄さ行ぐだで」
B「蟹工船!!」
A「私はその人を」
B「こゝろ!!」
A「ある日の事」
B「蜘蛛の糸!!」
A「国境の」
B「雪国!!」
A「どっどど」
B「なんやこれええええ!!!! ポルターガイストはああああ!!!!」
A「あー不正解!銀河鉄道の夜でした」
B「クイズやん!!!ポルターガイストの話するって忘れた!?」
A「ごめん忘れてもうて…」
B「ニワトリかお前は!途中で俺伊沢拓司なんかな思ったわ」
A「ごめんごめん今思い出すから!」
B「何回思い出すねん!今度は頼むよ!」
…
B「あとどっどどは銀河鉄道の夜じゃなくない!?!?」
A「あれ?そうだっけ?」
B「どっどどどどうどどどどうどどどうやろ!?」
A「どが一個多いです」
B「どうでもええわ!!そんなこと」
A「これ何やったっけ?」
B「風の又三郎やろ!何で俺の方が詳しいねん!!宮沢賢治がごっちゃになってるやん!」
A「ちょっとぐらい良いかなと思ってさ」
B「ダメやろ!皆さんに間違った知識をお届けするな!?」
A「ごめんごめん!今本当に思い出した!」
B「もうこれラストやで!?頼むよ」
A「リビングに居たら急にテレビが付いたんよ。なんか除夜の鐘の中継みたいやったけど。」
B「えー何それ、めちゃめちゃ怖いな。」
A「そしたら局のコンピュータがバグって放送事故起きてん!!急にお花畑の映像に変わったんよ」
B「あー確かに放送事故起きると急遽違う映像に差し替えられたりするからね」
A「そうみたいなんよね、後々調べたら"準備中です しばらくお待ちください"って意味を表してたみたいでさ」
B「そうそう。いやあ俺も生で観たかったな〜放送事故」
…
B「平家物語のやつ合ってるやん!!!!」
A「だから言ったやんか!!」
B「もっと反論しろよ!!自分の意思は常に堅くあれ!!!」
…
B「あとテレビが勝手に付いただけ!?!?」
A「そうなんよ」
B「こんだけ伸ばしてこれだけ!?!?」
A「そうなんよ」
B「今の内容を何で忘れる!?!?」
A「なんかさっきから心が終始押さえつけられてる感じがしたから動揺してたんよ」
B「檸檬やん!!梶井基次郎の檸檬やん!!」
A「だから序盤に言ったやんか!!」
B「自分の意思は常に堅くあれ!!!」
A「ごめんごめん!もっと反論すれば良かったな」
B「ややこしい事をすなホンマに! で結局放送事故の後はどうなったん?」
A「なんかね、足元に違和感を感じんねん」
B「うわっ!何それめっちゃ怖いやん!どうなったん?」
A「気になって下見たら足の下にリモコンがあってさ」
B「いや自分で押しただけかい!!もうええわ!」
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