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今日は何の日?意外と知らない沖縄の日について

今日6月23日は沖縄慰霊の日ですね。
宮内庁では広島原爆の日、長崎原爆の日、終戦記念日、そして沖縄慰霊の日を「忘れてはならない4つの日」と定めているそうです。

私は以前沖縄に関わる仕事をしていたのですが、そのとき6月23日は沖縄では特別な日であることを知りました。
沖縄では祝日扱いで、平和式典などが行われます。

それまで私は「沖縄戦?もう昔のことなのに?」という意識だったのですが、仕事で沖縄に触れることが多くなり、だんだんと現在も戦禍の影響が色濃く残っていることがわかってきました。

4人に1人が亡くなったこと、戦争で所有者のわからない土地が未だに多く残っていること。
詳しく書くと長くなりますが、沖縄では沖縄戦は今も大きな影響を及ぼし続け、決して昔のことではないことを前職を通してひしひしと感じていました。

6月23日は沖縄戦が終結したことから慰霊の日と制定され、NHKでもその模様が一部放送されていました。県知事は今回、日本語、沖縄の方言、英語を混ぜたスピーチが印象的でした。

そして毎年学生の中から選ばれ読み上げられる「平和の詩」。
今年もしっかりスピーチの中に五感を取り入れてるなあと思いながらリアルタイムで拝聴できました。


アメリカ大統領のスピーチライターも、ヒット曲を飛ばす作詞家の歌詞も、よくよく見てみると、彼らは必ずスピーチや歌詞の中に人の五感に訴えるような表現を入れてきます。

英単語を目で見て形で覚える人、声に出して覚える人、書いて覚える人、いろいろな人がいるように、人は視覚優位の人・聴覚優位の人・体感覚優位の人と感覚についても様々な人がいます。

なのでどんな人の心にも届くようにと意図する表現物には、必ず五感に訴える表現が豊かに入っているのです。
文章の世界でも五感にまつわる表現は書き手と読み手の世界をつなぐものとして、積極的に入れていくことを推奨されてます。

この平和の詩というスピーチもふんだんに五感に関する言葉が毎年使われていて、言葉の勉強も兼ねて毎年聴くようにしています。

また慰霊祭では、大人たちが原稿をガン見しながらスピーチを読み上げるのと対照的に、平和の詩を読み上げる高校生はしっかりと一言一句暗記して観客に語り掛けるように話していたのが素晴らしいなと思っています。

きっと何十回、何百回、夢でうなされるまで練習したことと思います。スピーチの原稿のすばらしさもさることながら、言葉の全てを咀嚼し自分のものにしてから本番に臨む姿勢が、人の心を打つのだと思いました。

岸田総理のスピーチは・・何言ってたか思い出せません。すみません。

ちなみに歴代の沖縄慰霊の日・平和の詩の中で私が最も心を揺さぶられたスピーチ映像がありますので、載せておきます。

この時14歳だった相良倫子さん。
自分の全てをかけて、自分を使い果たしてでも観客の心に想いを届けよう、届けようとしているその姿に、表現者かくあるべしと何度も見に行ってしまいます。

(言葉の観点で見ると平和で美しい沖縄の景色と、戦争時の沖縄の地獄絵図の景色、対照的な描写が見事です)

鎮魂歌よ届け、悲しみの過去に。
命よ響け、生きゆく未来に。

当たり前な毎日の尊さを忘れずに、今日も生きていたいです。