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6,000円のデパコス口紅から、600円の色付きリップクリームへ

お化粧に憧れを抱き始めたのは、いつの頃だろう。人によると思うが、自分は小学校高学年くらいで、100円ショップのメイク用品などを購入したのが始まりだ。

学校ではもちろんメイク禁止ではあるが、そこはお年頃。あぶらとり紙についているお粉を鼻の周りにつけたり、うっすらピンクの色付きリップを塗ったり、精一杯頑張った記憶がある。大学に入ってからは「もう私を縛るものは何もない!」とタカが外れたように、バッチリお化粧をスタート。そのまま社会人になってしばらくは、ベース・眉・アイメイク・チーク・口紅とメイクをフル工程しっかり行っていた。

だが2020年、コロナで家にいる時間が増えてから、次第にお化粧はあまりしなくなった。どうせ顔半分はマスクで隠れるんだし、と顔の上と下で色が違うこともよくあった。

特にしなくなったのが口紅。元々唇の皮膚がとても弱く「これなら荒れない!」というリップを試しては「嘘つき!」と涙目で荒れる唇を見て涙ぐむこともあった。しかし唇の色一つで印象がガラッと変わるのが面白く、ワセリンを塗ってから口紅を塗っていた。

コロナから少し経って、あるとき会社の用事で秘書さんを訪ねた時のこと。秘書さんはマスクを外してお茶を飲んでいたのだが、何だかとても綺麗な口紅をされていた。思わず「リップ、綺麗な色ですね。どちらのものですか?」と聞いたみた。すると彼女は「これね、色付きリップクリームなの」と笑った。えっリップクリーム・・中学生じゃあるまいし・・と内心思ったものの、その後デスクに戻っても、あのピンク過ぎず赤過ぎない、品のいい唇の色がいいなあと心に残った。

その後、薬局に用事があって行った際にニベアの色付きリップを購入。お値段600円くらい。これが良かった。何が良いって、一切荒れない。あんなに何をつけても荒れる子だったあんたが・・と感慨深くなってしまった。デパートで買えば6,000円くらいする口紅が、安価で使いやすいリップクリームで代用できることにも感動した。

それ以来、色付きリップクリームを愛用している。ちょっとだけリップクリームを使ってることに、少し恥ずかしさがあって誰にも言ってなかった。しかし先日、いつも更新を楽しみにしている丁寧な暮らし系ユーチューバーさんが、自分と同じリップを使用していることを知り安堵。しかも「ベースと眉毛、あと色付きリップのみしてる」と、自分と同じようなメイクをしていることを知ってホッとした。

韓国、それに日本も「女性は美しくないといけない」という呪いが根強い。だからといって大っぴらに美しさを目指すのも、自然体の美しさをよしとする日本人女性からは、ちょっと抵抗がある。

しかし美しさの本質とは健やかさである。自分はエステ時代、だいたいのお客様は疲れを癒して差し上げると美しくなることを知った。「小顔になりたいの」とおっしゃる方はたいていガチガチの頭皮をしているので、頭をマッサージするとシュッとなる。「二の腕を何とかしたいの」という方は、肩こりをほぐして脇の下のリンパの流れをよくすると、すぐ綺麗になった。

顔の美しさを城に例えると、基盤はあくまで内面の豊かさで、お化粧は天守閣みたいなものである。ベースは元気で楽しく、心身ともに健やかに。そこにお化粧をプラスアルファで加える。
楽しみながらポイント的な要素で、メイクを楽しんでいきたい。




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小澤仁美
最後までお読みくださり、ありがとうございます。書き続けます。