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オーケストラ「部」あるある

今から20年近く前、桐朋女子中学・高校合同のオーケストラ部というところで5年間ホルンをやっておりました。

*よく「オーケストラと吹奏楽の違いって何?」と聞かれるのですが、答えは「弦楽器がいるか・いないか」です。

パッと見たとき前方にバイオリンやチェロなど弦楽器集団がいたらオーケストラ、前方にフルートやクラリネットなど木管楽器がいたら吹奏楽です。

今日はそんな全国にも珍しいオーケストラ部あるあるを書いていきたいと思います。

① コンクールがない

「今年度の吹奏楽コンクール金賞は・・〇〇校ッ!」湧き上がる歓声、咽び泣く部員たち。。
こうした青春ドラマはオーケストラ部には縁がありません。なぜなら私が所属していた当時でも、オーケストラ部がある学校は関東に2校のみ、つまりコンクールできるだけの母数がありませんでした。

その代わり一校一曲ずつ、他学校と合同でコンサートをする「私学祭」という合同イベントが毎年2月にあったのですが、翌月3月に一年に一番大きなイベントである定期演奏会が待ってるので、始めこそ楽しいのですが学年を重ねるにつれ特にトップ学年の高校2年生にとっては面倒くさいイベントでした。

② 練習日の詐称

毎年4月になると新入生を獲得すべく「オーケストラ部の練習日は月・水・木の、週3日です!」と、いたいけない中学1年生に説明するのですが、実際には月〜土の週6日ありました。

というのも年5回ある本番で演奏するのは常に10曲以上あるので、毎日練習しないととても演奏会当日までにプログラムを仕上げられないんです。

最初はみんな演奏会に出れるのは1曲か2曲なので毎日の練習がヒマでヒマで仕方ないのですが、学年が上がるにつれて10曲出ずっぱりということもあり、だんだん週6日の練習時間でも足りなくなって各自朝練や昼練をしたりしました。
真冬に白い息を吐きながら朝練に向けて仙川商店街を走ったのが懐かしいです。

③ 大黒柱・用務長

私がいた桐朋女子は中1〜高2まで一学年平均30人いたので、当時は全員で150名が所属する大所帯でした。

意外かもしれませんが、この大所帯のクラブを運営する上で一番大変なのは「演奏会本番の椅子と譜面台の管理」になります。

椅子と譜面台がポツンと舞台上に余ってるとかなり目立ちます。逆に一個でも足りないと、座らないと演奏できない楽器の人もいるので大問題です。

そんなわけで用務係は演奏会本番の流れ(どの曲に誰がどこに出るか)を何度も何度もシュチュエーションして

「この曲が終わったら、自分の椅子を持って出てください」
「この曲が始まる時、譜面台を2つ持って入ってください」

という指示を部員100人以上にメモにして出します。本番はハプニングもつきものですから、用務係をまとめる用務長は柔軟な対応も必要となりました。

代々この用務長はトップ学年の中で特に成績優秀な子がやっていました。
オーケストラ部で最も活躍するのは部長でも副部長でもなく、舞台裏を取り仕切る用務長だったりするのです。(私は会計係で部費を数えたりしてました)

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というわけで、オーケストラ部あるある、いかがでしたでしょうか。
全く異なる楽器同士でハーモニーを奏でるまでにはかなりの苦労もあったりしたのですが、そのお話はまた今度。

「クラシックはわからんよ」という方のために、いくつか普段あまりクラシックを聴かない方にもおすすめの交響曲をあげておきますので、よかったら聞いてみてください♪