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なぜ引き寄せの法則は効かない?夢を味わう大切さについて

目標を設定しても、なかなか達成できないという悩みがありました。

上司との面談で「契約件数を増やす」と決めたり、コーチと「毎日ブログを書く」と約束したり、目標を設定する時はいつもなんだかワクワクします。
その時は全てうまくいくような気がするのです。

でもその後日々の生活に追われていく中で、目標を決めた時の高揚感はだんだんと薄れていきます。

自分をワクワクさせてくれた目標はだんだんノルマのような存在になり、あげく「やるって言ったのにやってない」と、聞こえない声が聞こえるように。
気づけば最初決めた目標はどこへやら・・という体験を何回も、いや何十回もしてきました。

しかし最近、これまでの目標設定の方法には欠点があったことに気づきました。

例えば「契約件数を増やす」という目標には「契約件数が少ない私」という裏の面が必ずセットにあります。
いくら「契約件数を増やす」という美しい理想だけを見て行動しようとしても「契約件数が少ない私」という見たくない現実も見なければなりません。

この理想と現実の矛盾を、人間の無意識はしっかり受け取るそうです。

人は矛盾を感じると動けなくなる心の作用があります。
DV被害者が加害者に「あなたを愛しているから殴るんだ」と言われて殴られているうちに抵抗できなくなるように、人は矛盾に接し続けると、自発的な行動ができなくなるそうです。
つまり目標を設定するだけだと、その後の行動に結びつかないことが多くなる。

目標を達成した人の共通点として、目標そのものを見ることより、目標の先にあるものをしっかり思い浮かべている人が多い気がします。

以前ドイツで、医師から「もうあなたは二度と歩けないでしょう」と宣告されたおばあさんがいました。
ある時、おばあさんのお世話をしていた看護師さんが「もし歩けるようになったら何がしたい?」とおばあさんに質問をしたそうです。

おばあさんは最初「二度と歩けないのに、そんなことを聞かないで」と反発したそうですが、この看護師さんは根気よくおばあさんに「もし、歩けるようになったら何がしたい?」と聞き続けました。

ある時おばあさんは「孫とパリに旅行したときに食べた、あのアイスをもう一度食べたい」と、静かに言葉に発します。
それからおばあさんは毎日パリの思い出話を看護師さんにするようになりました。その後、おばあさんは歩けるようになったそうです。

大ヒットした「引き寄せの法則」、あの本を読んで成功した人は全体の一割にも満たないらしいのですが、その理由として一説に「『叶えたい未来のその後をしっかりと感じ切ること』の必要性があまり明記されていなかったからでは」と言われてます。

また先ほどのドイツのおばあさんの話を聞いた日本の看護師さんが、同じくもう歩けないだろうと宣告されたおじいさんに、同様の質問をしてみたそうです。

おじいさんはやはり最初は「もう歩けないのにそんなことを考えても仕方がない」と頑なに答えないのですが、それでも看護師さんが聞き続けたところ、あるとき「もう一度、京都の紅葉を散策したい」と口にします。

それから毎日おじいさんは京都の楽しかった思い出話を看護師さんに聞いてもらう日々を過ごし(もちろんその過程にはリハビリなどもあったと思いますが)
「歩けるようになったら、京都の紅葉をもう一度見たい」と口にし続けたおじいさんは、最終的に歩けるようになったそうです。

目標を設定すると、私たちはそれだけでどこか安心するところがある気がします。
でも何のために目標を設定するのかと言うと、目標の先にある幸せを味わいたいというのが、本来の目的のはずです。

目標の先に待ってるであろう自分の幸せを、まずはイメージしてとことん味わってみる。
さらに誰かに話を聞いてもらったりすると、夢はどんどんリアルになってきます。

想像の翼を広げて未来へいっとき旅することが、実は夢を叶えるための一番の近道なのかもしれません。

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