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マンガラのヌメロロジー

この記事は、2002年8月に発行された『LIVING ENERGIES Vol.5』からの転載の記事です。内容は当時のものとなります。
伊藤アジータ訳

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※『LIVING ENERGIES Vol.5』は、こちらのサイトでお求めいただけます。

マンガラは卓越したヌメロロジー(数秘術)とタロットの教師であり、これまでの8年間、毎年来日して、その深い知識と知恵を多くの人々と分かち合ってきました。

イギリス生まれですが、世界に拠点を置いてワークしています。「リビングエナジー」は、過去20年にわたるマンガラのワーク、そして内面の旅について聞く機会を得ました。

ヌメロロジーの全体像

編:まず、ヌメロロジーの全体像についてうかがいたいのですが。

ヌメロロジーとはご存知のように、数の持つ波動、数のエネルギーの科学です。

1つの円を9等分してみると、その9つの部分が集まって、全体をなしていることになるでしょう。その1つ1つのエネルギーと質が、ヌメロロジーでは1から9までの数字で表されるのです。

そして、円を人間の心理全体だと見なせば、それぞれの部分が人間の行動のある特定の側面を表しているということもお分かりいただけるでしょう。

姓名と誕生日から導き出されるいくつもの数によって、非常に多くのことが分かります。その人の持っている素質を細かく理解し、探っていくことができるのです。

今世での主な学び、幼少期における条件付けのパターン、人間関係における傾向、仕事における可能性、マインドと感情の動き方、人格が機能する方法などなど。

さらに、今世生まれ変わってきたとき、過去世からどんな体験やエネルギーを持ち運んできたのかも分かりますし、今年、あるいは今月がその人にとってどんな数のサイクル(周期)に当たるのか、そこでどんなチャレンジや方向性に直面することになるのかを知ることもできるのです。

ヌメロロジーのチャートを読むことは、その人自身の詳しい地図を読むようなもの、そしてまた、その人が自分の旅においてどの辺りにいるのかということも教えてくれます。

自分自身のことをどれだけよく理解できるものか、いつもクライアントの反応を見ていると、私まで本当にびっくりさせられてしまうほどです。

例えば、なぜあることがその特定の時期に起きたのかが初めて分かった、ということもよくあるのです。

オーラソーマとヌメロロジー

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編:オーラソーマとヌメロロジーはどう関わるのでしょうか。オーラソーマを学んだ人で、あなたのコースに惹かれる人が多くいるようですが。

オーラソーマに惹かれる人はたいてい、自分や周りの人たちをもっと理解したいと望んでいる人たちですね。

オーラソーマは視覚的にもとても美しく、また日本でとても広がってきていますが、多くの人にとって、それは自分を深くのぞき込む最初の体験なのだと思います。

ですから、その人たちが自分自身をさらに見ていくために、また別の道具に惹かれるというのも自然なことではないでしょうか。

ヌメロロジーはそういう意味で、とても自然なさらなる一歩なのだと思います。この2つのシステムは、互いに補い合い、新しい次元を付け加えてくれますから。

オーラソーマのコースでも、ヌメロロジーについて触れるようですが、それはほんのさわりに過ぎません。オーラソーマはボトルとの関連でたくさんの異なる体系を紹介していますので、自分自身で感じてみて、さらに学んでみたいことがあったら、そうしてみたらいいと思います。

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マンガラの教えるヌメロロジー

編:あなたの教えるヌメロロジーのコースのユニークな点は何なのでしょうか。

私は自分のグループを、エクスペリエンシャル・ヌメロロジー、つまり体験によって学ぶヌメロロジーと呼んでいます。

私のワークは主に右脳、つまり直感のマインドを使うんです。ヌメロロジー自体は実際、非常に高度に発達した数学の一派なのですが、そういった方法で学ぶのは無味乾燥で、とても骨が折れるし、退屈だし、限界がありますから。

それに対し、直感のマインドは、ロジックという制限を飛び越え、真の理解へのドアを開いてくれます。もちろんどうやって数字を出すかという基本的な情報を学ぶ必要はありますが、それを無意識の深みに根づかせることが大切だと考えています。

例えて言えば、車の運転を習うようなものですね。まず理論を教科書から学ぶ、まずは意識的に、論理的な脳を使って学ぶ必要があるわけです。

ここでクラッチを切ってとか、ギアを変えてとか。これは昔の車の話ですけど(笑)。自転車の乗り方でも何でも同じですが、練習を積むうちに、それが無意識へと沈んでいく。

そうなれば、もういちいち考える必要はありません。それは統合された体験となったわけで、必要ならば、いつも引き出してくることができるのです。

チャートのパターンについて見てみると、それはまさに人の数と同じだけあるとも言えるでしょう。けれども同時に、人はみな、9つある数字それぞれから何らかの影響を受けているとも言えます。

ですから、ある数字のエネルギーを体験するようデザインされたエクササイズをしていくことで、直接、そのエネルギーにどんな影響を受けているか、実感として知ることができるのです。

それによって、その時点での自分の一側面を体験するだけではなく、そのエネルギーをより純粋にクリアにしていく方法も学ぶことにもなる。

すべての数は、その特定のエネルギーの抱えているネガティブな課題から、純粋な本質、ギフトの状態へと移行していく機会をもった旅のようなものなのです。

つまり、それぞれの数はレッスンであり、それらのレッスンは私たちの生きていく旅と言えるでしょう。

直感のマインド

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編:直感のマインドについて、もうちょっとお話してもらえますか。

直感の定義はいろいろありますが、最も分かりやすいのは、どうしてか分からないけれども、あることがそうだと分かってしまうということでしょうね。

理論的には説明できないけれども、ということ。それは、論理的なマインドが邪魔をしないとき、起こることなんです。

直感は、全体と私たちをつなぐ能力です。それは、普遍的な意識、宇宙的マインド、あるいは存在とか、どういう呼び方をしてもいいのですが、そういった意識へ差し出されたアンテナなのです。

実際のところ、私たちは周囲で起こっていることや、お互いの存在と切り離されてはいません。論理的なマインドは、いかにもそうだという印象を与えますが、それはたんに幻想に過ぎないのです。

直感的なマインドにいるとき、私たちはつながりを感じ、論理的なマインドというちっぽけなフィルターを通してではなく、物事のあるがままの姿を見ることができる。

そして、私たちは論理的なマインドが支配しているときには思いもよらない洞察や理解へと開いていくことができるのです。

直感のマインドを使ってヌメロロジーを学ぶときには、常に物事は論理的であるとは限らない、でもそれでもOKなんだということを学び、また体験していくことにもなります。

ですから、いったん基礎を身につけたならば、チャートに書かれた数の組み合わせから、非論理的な結論を引き出すこともありうるわけです。

どうしてかは説明できないけれども、そうだと感じる、自分の感覚を信頼する必要があります。体験を通して、自分自身の直感がどれほどすばらしく、また効果的かということを知ることになるでしょう。

そうすれば、日常においても、そういった体験をもっと信頼できるようになります。

私のグループはすべて、このマインドを使うことに強調が置かれています。私は「直感の流れ」というグループもリードしていますが、これは純粋に直感の声を聞くことを学び、それを育てていくためのものです。

これは本当にエキサイティングなコースで、誰でも機会さえ与えられれば、常にすばらしく直感を働かせることができるということを身をもって実感できるコースです。

ヌメロロジーとルーツ

両手を広げて

編:ヌメロロジーは自分を理解するためのすばらしいツールだということですが、他の人を見るためのツールとしてはどうなのでしょうか。

それは、コースを学ぶ人にとって、必然の成り行きだと言えるでしょう。

チャートを通して人を見るというのは非常に興味深いことなので、コースがまだ終わらないうちから、参加者の人たちは自分の家族や恋人の持っている数を計算し始めます。

そして、個々の部分をつなぎ合わせていくにつれて、どうしてこの人はこういう反応をするのか、どうして人間関係にこういう傾向があるのかということを、ひらめきとともに理解することになるのです。

チャートを見ることで、パートナーや子供や両親や友人がどうしてそんなふるまいをするのか、理解することができる。それによって、判断を手放すことが可能になります。

というのも、判断というのは結局、あるがままのその人であるべきではないという考えなわけですから。

人のチャートを読むことは、実際に学んでいくための方法でもあります。

私たちはみんな、すべての数から影響を受けているとはいっても、個々の人において、影響される部分や、影響のされ方はさまざまです。

人を巨大なパッチワークの布になぞらえれば、パッチワークを織り成している布は9種類しかなくても、その組み合わせはほとんど無限です。

私は実際に、何年もの歳月にわたって、身近にいる人のチャートを作って、その人の行動を密接に観察し、特定の数が特定の分野でどう機能するのか観察したものです! 

それによって、自分にはないけれども他人が持っている傾向を、実によく理解できるようになりましたね。

ヌメロロジーからはじまる糸口

編:それでは、プロとしてヌメロロジーを使うことについてはどうでしょう。例えば、どのようにオーラソーマのセッションと組み合わせていけるのでしょうか。

ヌメロロジーは非常に正確な情報を、すばやく簡単に与えてくれますから、多くのプロのカウンセラーやセラピストが糸口をつかむために利用しています。

誕生日を計算するだけで、ほんの数分間のうちに、その人がどんな人であって、今はどんな課題に直面している時期なのか、等々、多くのことが明らかになります。

それによって、その人の抱えている問題をより効果的に見ていくための背景を理解することができるのです。

ボトルを選ぶ以前に、その人の背景が分かっているというのは、非常に効果的なことだと思います。

実際、その人のいる位置、そしてその時点で体験している事柄に直接結びつくかたちでリーディングをしていけるわけですから。それによって、そのセッションは、より具体的でより助けになるものになるでしょう。

ヌメロロジーとタロット

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編:あなたはタロットをヌメロロジーとともに使っていますね。そのことについて、お話しいただけますか。

私にとっては、この2つのツールは非常にうまく、価値ある形で組み合わさっているのです。

ヌメロロジーは、その人がどんな人であるかという枠組みと、その人が自分の旅のどんな地点にいるかということを教えてくれる。そしてタロットは、それをふまえた後での詳細を教えてくれるのです。

例えて言えば、ヌメロロジーは家そのもの、それに対しタロットは、家具などのインテリアといったところ。ヌメロロジーによって明らかになった細かい骨組みが、タロットによって、色づけされるのです。

ヌメロロジーは可能性について語りますが、その人がその可能性をどう使っているのかについては語ってくれません。

そこでタロットの出番となるわけです。それは無意識の鏡であり、まだ意識化されていない、マインドの隠れた深い層で実際に起こっている物事を映し出してくれます。

例をあげてみましょう。ヌメロロジーによれば、ある人にとって今年は責任がテーマになってくる年だとします。つまり、それによって、その人は責任を取るということを何らかの意味でさせられていくだろうということが予測できるわけです。

そしてタロットは、その課題が実際の場面でどんな形で現れてきているか、そのことにどう対処しているかということを教えてくれるのです。

無意識にある幼少期のパターン深くへと入り込んでいき、どのように、そのパターンによって支配されているかということを見せてくれる。

そして何をする必要があるのかということも、ね。つまりタロットは、プロセスを見るのです。

それによって、無意識に沈んでいることを意識化できるようになる。いったんそこで起きているプロセスに気づくことができればもちろん、それはもはや無意識ではなくなりますから、あなたを支配することはなくなります。

それは、自己認識と意識化のプロセスなのです。

意識的になっていくプロセス

編:お話をお聞きしていて思ったのですが、ほとんどの人は、ヌメロロジーとかタロットといったものは占いの道具だと思っています。けれどもあなたはそういった使い方をされていませんね。そのことについてお聞きしたいのですが。

占いというのは概して、エソテリック(秘教的)なツールの使い方を浅薄な形で誤って理解したものだと言えるでしょう。

確かに未来を予知することもできるのですが、それがどうして可能かと言えば、私たちが無意識のマインドに突き動かされて行動しているからなんですよ。

それは、コンピューターのソフトのようなものなわけで、機械ならば、いったんプログラムをインストールしたら、ボタンを押したらどう反応するか、予測できるでしょう? 

だから、ある人がどんな行動をするか、無意識のプログラムを読むことであらかじめ分かってしまう。

ですから占い師はこのツールを使って、無意識がどんな方向にあなたを連れていこうとしているか、あなたに告げるわけです。

私たちはほとんど、かなり無意識の存在ですから、かなりの程度、予測が可能なのです。

けれども、そこにあるプログラムに意識的になればなっただけ、それにどう応じて動くかという選択が生まれ、プログラムが自動的に行動を起こすことはなくなっていきます。

ですから、こうしたツールの本来の使用法というのは、私たちがもっと意識的になる助けとして使うということ。そして私たちが気づいていようといまいと、この「生」は、実はそのためにあるのです。

私たちはみな、より意識的になりたいと望んでいます。それが私たちの内なる存在が望んでいる、自然の進化の方向性なのですから。

けれどもこれは、ニューエイジに関わっている人の、忘れがちな点でもあるかも。エソテリックな知識を蓄えることに夢中になって、それで終わってしまう。

だから、あらゆる情報を手に入れて、それ自体、すごいことであるかのように思い込んでいる人もいますが、実際はマインドというコンピューターの情報が増えただけです。

それで終わるなら、まったくの無駄だと言わざるを得ません。それは単なる知識であって、知恵ではありませんから。ですから、意識のためにこうしたツールをどう使うことができるのかということを知らない限り、こうしたことを学んでも本当は意味がないのです。

自分にもっと気づき、自分がどう反応しがちなのかについてもっと意識的になっていくこと、それがスピリチュアルな生き方への真の入り口だと言えるでしょう。

可能性を知る

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編:けれども、ヌメロロジーはその人がどんな人で、人生のどんな地点にいるのかを示してくれると言いませんでしたか? ということは、人生は予測できるということではありませんか。誕生日を変えることはできませんしね。

もちろん基本的な刻印を変えることはできませんが、それをどう使うかに関しては、まったく私たちの自由なのです。ヌメロロジーは可能性を扱うのであり、それにはそれ自体の価値があります。

人生におけるさまざまな分野の真の可能性を知ることで、どうそれを伸ばしていったらいいか、理解できるわけです。

例えば、仕事において、あなたの真のギフトはサポートや協力することだとしましょう。それなのに、あなたはいつも自分のやり方で、新しいことを始めようとしてしまいがちだとします。

そうなると、常に仕事では、欲求不満や挫折感を体験することにならざるをえません。こうしたことを理解することで、その可能性を使うための一歩を踏み出せるのです。

人生においては、すでに決められている物事もあるということは確かだと思います。とはいえ、実際に人生を形にするのは私たち自身ですから、変えようと思えば変えられるものもあるのです。

私たちは、この心身というメカニズムを備えた存在ではありますが、ただそれだけではない、意識の存在でもあるわけですから。意識的になるにつれて、この人生という機会をよりポジティブな仕方で使うことができるようになるのです。

ヌメロロジーとの出会い

編:あなたはどうしてヌメロロジーのワークをするようになったのですか。

実は、すべてはタロットから始まったのです。私は心理学の学位を取って、数年間ジャーナリストとして働き、それから進歩的な女性誌の編集者となりました。

何もかもとてもうまく行っていたのですが、突然でしたね、終わりがやってきたのは。

私にとって、そういったことがまったく意味を持たなくなり、何の興味もなくなってしまったのです。

それからの数年間は、自分が何を探しているかも分からないまま、あちこちを旅して回り、行きついた先がインドのプーナにあるOSHO(インドの神秘家)のアシュラムでした。
そこで、だれかがタロットのリーディングをしてくれて、それで私はたちまちタロットカードに恋してしまったのです。私にとって、ずっと探していたものはこれだ、心理学を通して探していたのに見つからなかったものはこれだと感じたのです。

個々の人のマインドに分け入り、それを理解するこんな方法があったんだ、と、私はたちまちのうちに夢中になり、それからはどこへ行くにもカードと一緒。私にとっては、使い方を学んだと言うよりも、思い出したという方が当たっている感じですね。

それから数年たって、ヌメロロジーに出会ったときも、そんな感じでした。ある意味では、すべて偶然の成り行きだったとも言えるんですが。その頃には、友人にはタロットのリーディングをするようになってはいましたが、まだプロにはなってはいませんでした。そんなあるとき、私は友人をたずねてハワイに行ったのです。

そこで彼女はサイキック・リーディング(特殊な能力を使ったクライアントとのセッション)をしていて、私にもセッションをしたらどうかってことになって、面接の手はずを整えてくれたんです。ところが、その店では、2つのツールを使える必要があると言う、でも私には、その頃はタロットしかありませんでした。

そんなとき、その彼女の家の大きな書斎に山ほどあったヌメロロジーの本を見つけて、すっかり入れ込んでしまったというわけです。

私にとっては、何かとてもなじみのある、深く埋もれていた記憶が蘇ってくるような感じでした。そしてその一週間後にはもう、そのお店でヌメロロジーとタロットのセッションをしていました。

そしてそれが今でも続いているというわけです。

それは25年ほど前のことなんですが、今思えば、ほんの始まりに過ぎなかったようですね。それ以来、私はいろんなことを学んで、しかも今もまだ学び続けていますから。

自分自身についての新しい発見をするたび、私のヌメロロジーに対する理解も増していきます。

それは、人生を見つめるためのすばらしい道具です。私はこの出会いにとても感謝していて、だからこそ、こうしたツールを教えるのがとても好きなんです。

私はいつも、こうしたグループで、何か非常に貴重なものを手渡していると感じているし、それは本当にすばらしい感じなんです。

私を自由にする数秘


書籍 わたしを自由にする 数秘 
マンガラ・ビルソン (著), 伊藤アジータ (翻訳)

Mangala  マンガラ
1948年、イギリス生まれ。大学で心理学を学んだのち、売れっ子ライターとして活躍、女性誌の編集に携わる。1975年インドの神秘家OSHOに出会い、人生の転機を迎える。まもなくタロットをしり、人間意識をさぐるためのすぐれた道具であることを認識、さらに数秘学によって、人間のマインドを探求するための土台を確立した。過去20年余りにわたって、世界各地で個人セッションや、瞑想とヒーリングのワークショップをリードしてきている。ワークのテーマは「直感」と「意識」


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