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遊び方を思い出そう! モーガン・フィッシャー

Play(遊ぶ)とPlay(演奏する)

 1985年に日本へ移住したとき、私は5つほどの日本語しか知りませんでした。日本語を話すことを学びはじめてから、「play」という英単語には複数の意味があることがわかりました。ひとつは 「asobu ( 遊ぶ) 」で、ご存知のように、自分を楽しませる、楽しむという意味です。もうひとつの 「play」 の意味は、ミュージシャンとしての私にとって重要な 「ensou suru ( 演奏する) 」、ステージで演奏する、コンサートするという意味です。

 日本のミュージシャンたちとの仕事が多くなっていくにつれて、私はこの「play」の意味が分離していることが、ときには彼らのパフォーマンスに影響しているのを感じはじめました。それは言ってみれば、「楽しみ」の部分はショーの後、つまり「仕事」が終わってからするものというような感じでした。「パフォーマンス」の側面は非常に真剣に取り組み、完璧でなければなりませんでした。その結果パフォーマンスの最中は自発性に欠けるということにもなります。私の国では、特にロックミュージックの分野では、楽しみはパフォーマンスの非常に重要な部分です。私たちは「play ( 演奏する) 」しているときに 「play ( 遊ぶ) 」するのです。ですから、私
は度々、日本のミュージシャンに、もっと危険を冒して、即興で演奏して、演奏中にあまり楽譜に依存しないように仕向けます(私は楽譜をすばやく記憶して、できるだけ使わないようにします)。

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