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いにしえよりの愛の伝承 Hula ーHawaii の風をあなたにー⑦

 Aloha Kākou

 2018年7月末、軽井沢にて恒例の夏のホイケ(発表会)が開催されました。猛暑のため昼間は東京よりも暑く感じられた夏の軽井沢ですが、夕暮れ近くになると軽井沢らしい涼やかで心地よい風が、トンボたちをフラコート(フラの野外会場)へと誘い出します。清涼な風とトンボの群れにホッと一息ついたわずかな間に、まわりの景色が秋色に染まりはじめたように思えま
した。秋色の空の下では虫たちが夏に別れを惜しんでいるかのようで、優しい音色や静かな夕暮れが豊かにあふれる秋の風情です。深まる夜に景色が溶け込みはじめると、星空のもっと先にある、遠く冷たい宇宙の果てに消え入りそうな感覚と、全てを包み込むくらいの温かで大きなやすらぎが心を満たします。

 クーラーいらずの避暑地といわれる軽井沢なのに、今年の夏は照り返しがきびしく、うだるような暑さで、地元の方々はぐったりされていました。ハワイから来日されているクムフラ(フラの先生)は、日本の蒸し暑さにはクーラー無しでいられないようで、お部屋は冷蔵庫内のように冷え、冷え!
 そのような酷暑の中、フラコートではクムプアメリエ(江の島プアメリエ教室のフラの先生)が伸びきった雑草の草刈りに汗し、その姿に地元有志の方々や生徒さんたちがお手を貸してくださって、ホイケの準備はすっかり整いました。あとは出演者の生徒さんたちや、来場される方々を楽しみにお待ちするだけ……と、空を美しく染める夕焼けを眺めながら、手入れされた青々としたフラコートをにぎわす模様を思い浮かべていました。

 しかしながら、心待ちにしていたにも関わらず、ホイケ当日の朝は台風による大雨。
「昨日の美しい夕焼けは夢、幻?」と思えるほどです。しかも会場は台風の通り道になるとの天気予報。
 予報を聞いたクムプアメリエは、いつものことながら機敏な判断と対応、采配力で、会場を公民館へと変更し、子どもから大人まで100名近くの生徒さんたちを混乱なくスムーズに移動させます。その対応の手早さや手際のよいことに、スタッフは只々脱帽でした。皆さんの手助けもあり、会場の設置もあっと言う間に完成し、定刻にホイケを始めることができました。
 その後のパーティも急きょビッフェ形式にしつらえられて、テーブルには沢山のお料理が並び、盛大なホイケとなりました。皆さんも笑顔で、台風のことなどすっかり忘れて楽しんでいるようでした。どのような場面でも、冷静に物事を見据え、全ての調和に心を向けることは大切ですね。

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 ハワイの伝統的な楽器「プイリ」「イプ」「ウリウリ」でのフラが、雨を払拭するように晴れやかな舞台のオープニング。「プープー(子宝貝)」を両手で打ち鳴らしながら座ったままで踊る軽井沢の子どもたちのノホフラでは、たくさんの拍手で上気した顔に自信と達成感があふれていました。ウクレレ仲間は軽やかな音色を奏で、優しい歌声で7月生まれの人と山守り人にバースディソングをプレゼント。心温まる時間でした。

 さあ、それでは今号はポーライライの3番をお伝えしましょう。

Ho'olono ana ikekani honehone a ka ukulele
音楽が聞こえ、耳を傾けるウクレレの音が心地よい

ukulele me ka mele ho'o hauoli
陽気な歌とともに

Ho'o lana i ka pu'u wai
心がウキウキする

 ハワイではウクレレが鳴り出すとその軽快な音色と歌でフラを楽しみます。ぜひ皆さんも楽しんでくださいね。

 Ahuihou

` i h i l a n i(大原 眞弓)
フラ ハラウ オ プアメリエ  インストラクター  

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