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「覚えておくこと」by マイク・ブース(オーラソーマアカデミー学長) 『LIVING ENERGIES④』

この記事は、2000年5月に発行された『LIVING ENERGIES Vol.4』からの転載の記事です。内容は当時のものとなります。

オーラソーマアカデミー学長であり、オーラソーマプロダクツの責任者であるマイク ・ブース氏によって寄稿されたものです。


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すべてのものは過ぎ去る

「すべてのものは過ぎ去る」という歌を書いたのは、ジョージ・ハリソンだったと思う。

この秋、木の葉が落ちる頃、冬に向かうさながら、私たちの多くは、深く心にとめていたものを落とさなければならなかった。

木もそうなのだろうかと思う。落ちゆく枯葉を嘆くのだろうか? その種の行く末を? 自然においては、多くのものは、その働きの持つ周期のパターンが、とてもはっきりしている。葉っぱが腐り、種が肥え、新しい木の見込みがあるということは、相互につながり合っている。

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人間の状況では、こういったパターンや、相互関係を見るのはよりむずかしいように思われる。私は深くこう感じる。先生や愛する人たちの死の中で、今まで種が手渡され、栄養を受けて(豊かになって)きた。そして今、責任は私たちの元にあるという感じを持っている。

すべてのものは、神秘的な、不可思議な神秘のあり方で、存在の中で相互にかかわり合っている。私たちは有形の遺伝的に受け継いだものを持って存在しており、そして身体、感情体、精神体の中に起こるあらゆる条件を持ってもいる。もちろん色は本来のパラドックスと同様に、こういったすべてを反映している。

手放すこと

レットゴー(手放すこと)、分離、分かち合われたものへと、私たちをより近づけたものをお祝いすること。

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クローディア(マイク・ブースの妻であり、オーラソーマの牽引者の1人)と私は、友人であり、瞑想の師でもある、ジョン・ガリー老師をこの十月に亡くし、マーガレット(創始者ヴィッキー・ウォールと共にオーラソーマの立ち上げに貢献された女性)をその後すぐに、そしてカビーシャ(創始者ヴィッキーと同じようにマイクが慕い、オーラソーマを日本に紹介した立役者)を亡くした。葉が散るように手放し、彼らの存在が生を生きたように、生にインスピレーションを。

ときどき人々は私にこう言う。

「ヴィッキーが分かち合っていたことを、私たちにも話してくれませんか?」

私はいつも喜んで彼らの要望に応えています。そこに期待されているのは、今まで語られることのなかったような情報であり、あるいはしばらくの間、心理の調理器のうしろにあるコンロで、じっくりと煮てきたような情報です。

でも事実はそうではありません。つまり私が思うには、この信頼は経験なくしてはありえないもので、たとえばそれは、あなたが誰かを愛するときに経験するような、精神(マインド)の流れの融合というものが存在するということなのです。

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そこで何が融合するかというと、精神(マインド)の流れによって運ばれている目覚めの質なのです。それは伝えられるというよりも、むしろ遺伝上の絵のような、エッセンス(下層)を形づくる初期の条件をもったパターンなのです。

次に起こる条件づけとして、パーソナリティーは、世の中での私たちが行う外側への表現であり、それが発達し始める(上層)。そのとき起こることは上層と下層の融合です。

いっしょに振ることによって、目覚めの可能性の中で花が咲くことになるのです。これは、こういった師や愛する人によって、パーソナリティーに及ぼされる力のためです。

パーソナリティーの同化

どのように愛するかを知っている人たち、そしてエッセンスによるパーソナリティーの同化が起こる。そしてパーソナリティーは、こういった愛された人によって、栄養を受けたエッセンスの統合によって豊かになるのです(たとえそれがこのように思えないようなときでさえ)。

その紛れもない切迫感、行為といったものは、私たちが自分を超えていくのを助けるものです。そしてそれは、本当に私たちを心にとめてくれた人たちの行為なのです。

こういった影響のいくつかがわかってきたことで、それが持っているもの、それが何なのか、何が起こっているのかを今認めて、本当に幸福であり、感謝を感じています。

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法華経

法華経。「教えに始まり、教えを下ろす、すべてのものは常に教えであり、休むことなく、絶えることなく」。もし人がこの教えるという活動を逸したら、物事の真実のあり様を教えられる現実が見えなくなります。

すると、「どうして山の色をまだ見ることができよう。谷の小川の流れを聞くことができよう?」
 
「それらはひとつの言い回しですか?」

ほかに何かあるでしょうか?

「それらは半分の言い回しですか?」

あなたは形のみが見えますか?あるいは形には形がないのだということがわかりますか?

「それらは8万4千の詩句ですか?」 どれぐらい見えますか? あなたはひとつの中にすべてを見るだけですか? あなたはすべての中にひとつを見ることもしますか? すべて中にすべてを? ひとつの中にひとつを? 

これがこの経典の瞑想です。

部分的になってしまったり、ひとつの特別な見方に偏ってしまうことを避けて、知覚の許容量を目覚めさせることを助けるようデザインされています。

「山と小川に隠された音と色があるのは残念だ。しかし山と小川に、現れる時の条件があることは喜びである」。

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もしあなたが見えるものしか見ないなら、そして見えないものを見ないなら、それは残念なことです。

でもあなたが自分の見るものを調べてみるなら、あなたの見るものがあなたの洞察になるなら、運よく、それがあなたの存在の時の状態を表わすでしょう。

禅ではこう言います。「ロバが井戸を覗くと、井戸はロバを見上げる」。私たちはたいてい自分が山や川を見ていることだけを知っていて、山や川が私たちを見ていることに気づかない。もしあなたが山や川が私たちを見ていることを知っていたら、私たちは本当の山や川を見るかもしれない。そして私たちだけがいるのではないということを知るはずです。

そのチャンスはいつもそこにあります。なぜなら、普遍的な言語とその純粋な実質はいつもそこにあるからです。現れる時の条件を理解することによって、私たちは隠された音や色の覆いを取ることができます。

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禅の詩にこう書かれてあります。

「永遠に、それは人類に現われる」

私は自分で考えられるかぎりに、まったく幸せであると感じる時がある。そしてそうでない時もある。しかしそれもまたオッケーだ。

私はこれを書きながら、私ができるだけのケアーをあなたに送っている。

新しいものを楽しみにしている。

覚えているように(Remember)。

マイク・ブース

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オーラソーマが生まれて間もない1984年に、創始者ヴィッキー・ウォールと出会い、彼女が亡くなる1991年までともに働きました。ヴィッキーはマイクのことを、自分の「目と耳であり、たえざる道づれ」と呼び、後継者として託しました。現在、オーラソーマ社の社長であり、イギリス、オーストラリア、アメリカにおけるオーラソーマ・インターナショナル・アカデミー・オブ・カラーセラピュティクスの学長です。

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