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オーラソーマを牽引する マイク&クローディア・ブース インタビュー「LIVING ENERGIES ②」

「オーラソーマ」という言葉を知らない方でも、これらの美しい”二層のカラーボトル“の写真をどこかで見たことがあるかもしれませんね。

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オーラソーマとは、1983年にイギリスでヴィッキー・ウォール女史によって生み出されたカラーケアシステムです。

彼女はこれらのカラーボトル(イクイリブリアムといいます)は「魂を映す鏡」だと言いました。選んだボトルが、その人の”魂の願い“を映し出していると考えていたからです。
オーラソーマのコンサルテーションではまず、4本のボトルを選ぶことから始まります。選んだボトルはあなた自身を映し出し、魂が願う“本来の”“くつろいだ”自分へと導き、バランスをもたらします。

ヴィッキーが1991年に他界したあと、その遺志を引き継いでオーラソーマの発展に努めているのがマイク・ブースと、その妻クローディア・ブースです。マイク・ブースはオーラソーマアカデミー学長であり、オーラソーマプロダクト社の社長でもあります。

この記事は、1996年12月に二人が初来日した際の貴重なインタビューで、『LIVING ENERGIS Vol.2』(1998.2.22発行)からの転載です。
※インタビュー:江谷信壽、武藤悦子(和尚アートユニティ)

日本の印象~マゼンタの国

江谷  初めての来日ですね。日本の印象はいかがですか。

クローディア  私たちはずっと、日本の深い文化と思想に惹かれていましたから、とてもわくわくしています。すばらしいと思います。

マイク  本当にそうです。私が禅に傾倒するようになったひとつのきっかけは、20代に白隠の本を読んだことです。禅について学んでいくなかで、いつか白隠のいた寺を訪問してみたい、そして一言お礼をいいたいと思ってきました。
彼のものの見方や生き方が私を本当に導いてくれましたから。それが今回の訪問のハイライトだと思います。
そしてまた、世界の人々は日本人を物質的なものにばかり目がいっていると思っているかも知れませんが、私がヒーリング・インテンシブのグループのリードをして感じたのは、この訪問中に出会った人たちはみな、新しい意識に興味を持ち、とても微妙なエネルギーに敏感で、非常に深い体験をなさっただろうということです。

今回名古屋で、伝統的な茶の湯を味わう機会があったのですが、とてもすばらしいものでした。というのも、日本で伝統的な畳の茶室でお茶を味わうということは、文化的な背景のないイギリスで味わうのとは、まったく意味合いが違いますから。その体験のなかで、安らぎと沈黙の体験をしました。そしてお茶の持つ深い意味も感じました。日本の茶の湯はすばらしかった。

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クローディア  私にとっては、茶室の外の庭を歩いたことが印象深かったですね。とても深い沈黙を味わうことができました。

マイク  オーラソーマでは、マゼンタというのは、日本人ととてもつながりのある色で、日本での過去生の体験をあらわす色なんです。

この色は日常の小さな物事に気を配るという意味をもっているんですが、特に私が庭園を散歩したときに、石畳をきれいに掃いて、落葉を岩から払い除けている老婆の姿がそれを象徴しているように思いました。
それに、私たちが滞在したさまざまなホテルの庭で、雪の重さに負けないようにと、木の枝がロープで縛ってあるのを見たときも、細部にも目を行き届かせる日本人気質を見て、本当に印象深く感じました。
日本人は自然をとても敬っているんですね。それは西洋や他の世界には見られないことです。

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茶の湯で抹茶の色はオリーブグリーン、お菓子の色はマゼンタでしたが、私が思うに、オリーブというのは聖霊を表し、オリーブ色の抹茶を深い気づきをもっていただくというのは、聖霊をいただくようなもので、それはキリスト教のミサでいう聖体拝領のようなもの。それは、キリストのエネルギーを内に取り入れ、自らの目覚めのプロセスを促す儀式なのです。ですからオリーブグリーンのお茶をいただくということは、より大きな気づき、意識の拡大をもたらす、沈黙に満ちたプロセスになりうるんですね。

クローディア  そしてまた、私がとてもすばらしいと思うのは、お茶を飲むというのは、私たちが何度も毎日の生活においてすることです。それを週一回教会に行って、聖体拝領を受けるときのような特別な体験に変えることができる可能性を、わたしたちはもっているのだということ。
何気ない日常に、神聖なものを感じることができる。そのとき体験した沈黙は、その場かぎりのものではなく、毎日の生活にしっかり根を下ろしたものになるでしょう。

江谷  これで、もうたくさんのことに答えてくれたようですね(笑)。
私が驚いたのは、オーストラリアでも私はヒーリング・インテンシブに参加したのですが、そのときの体験と比べると、本当に日本でのグループは非常に深くて、すばらしいものだったということです。

マイク  それは、もし私とともに世界中を旅してみるともっとよく分かることでしょうが、本当に例外的に深いワークだったと思います。

オーラソーマ 日本の現状

江谷  このたびオーラソーマの機関誌「リヴィング・エナジー」の日本語版が創刊され、あなたの本「オーラソーマヒーリング」がヴォイスから出版されましたが、それについてはいかがでしょうか。

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マイク  本当に日本語が読めたらいいんですが(笑)。私には外見のお話しかできないわけですが、とてもデリケートで、美しい仕上がりになっていると思います。ヴォイスはとてもいい仕事をしていると思いますね。
「リヴィングエナジー」もとても高いプロの質をもっていると思います。それに、きめ細やかなハートの質も感じられます。私としては、将来的には、世界中の人々の協力を得て、Eメールなどを活用して、オーラソーマの情報を世界中に拡大していきたいと思っています。

江谷  日本のオーラソーマの現状についてですが、日本の雑誌に紹介されているオーラソーマの記事をごらんになってどう思われましたか。

マイク  イギリスには「人目につくのは、何にしろよいことだ」ということわざがあります。それがひとつのレベルで言えることです・・・

江谷  ということは、オーラソーマのコースで教えている内容とかなり違った紹介のされ方をしても、それはかまわないということですか。

クローディア  そうではなく、もう起こってしまったことを、どうやってポジティブにとらえるかっていう話をしているのよ。

マイク  「人目につくのは、何しろよいことだ」というのはつまり、批判とか、正しくない形で世に出たとしても、それによって、何らかの観念にせよ、製品にしろ、人の目にとまれば、すばらしい広告のチャンスになりうるということ。人々が新しいものを知るきっかけとなるわけですから。
まあ、日本では残念なことに、いくつかの雑誌でオーラソーマで教えていることとはかなり違う記事がでてしまいました。
今後は、リヴィングエナジーの観点から、またオーラソーマの観点から、オーラソーマが本来の哲学に添った形でもっといい紹介のされ方がされること、それを私は心から望み、日々の瞑想の中でも祈っています。
そうなれば、人が間違った情報を受け取ってしまってから、それを訂正しなくてはならないという手間が省けるわけですから。

江谷  カラーコーディネイトや化粧品会社の関係の人をはじめとして、たくさんの人がオーラソーマの美しさに惹かれていますが、深く関わることをためらっている様子も見受けられます。そんな人たちに対して何かいっていただけますか。

マイク  まず明らかにしておきたいのは、ヴィッキーが言っていることなんですが、オーラソーマは、どんな哲学や思想や観念をもっている人にとっても助けになりうるということです。
それに、いろいろなセラピーと共存できる可能性をもっています。他のカラーのシステムとも共存できます。

オーラソーマはこの12年の間に、ヴィッキーの言葉を借りれば、遥か過去にさかのぼり、探求し、研究を重ね、思い出されてきたものです。彼女は本や事典などを通してそれを見出したわけではなく、もっと深い、人類の英知の源につながることによって明らかになってきたものなのです。
彼女のインスピレーションから、そして私やクローディアのインスピレーションから、徐々に理解が訪れてきました。

色はいろいろな見方ができるものです。ですから、カラーコーディネイトや化粧品関係の人々、インテリア業界の人たちが、色に対してオーラソーマとはまた別な理解の方法をもっているとしても、問題はないと思います。人間の意識を通して色を見る見方にはいろいろな方法があるでしょうから。
私たちはオーラソーマのトレーニングを通して、私たちの理解と情報をシェアしたいと思っているだけで、これが唯一の正しい見方だとか究極の見方だと言うつもりはありません。
誰でも私たちの見方を学んで、得ることがあったらいいと思います。

そして化粧品業界の人、美容関係の人がオーラソーマとワークをしたいという場合、その可能性は大いにあるでしょう。たくさんの情報をシェアできると思います。

ただ私たちのトレーニングでの重点は、「意識との関連から見た色」ということに置かれています。というのも、意識がクリアになれば、内面から自然に輝きが生まれるわけですし、生活自体も彩りが豊かになるでしょうから。それが私たちにとって、もっとも興味のあることです。

クローディア  実際、内面が整えば、肌もきれいになりますしね。

マイク  現在のところ、イントロダクトリー、ファウンデーション、インターミディエイト、アドバンスというコースがあるわけですが、将来的には、特に化粧品会社の人たち、あるいはインテリア関係の人たちに向けた専門的なコースを作っていけたらいいと思っています。

すでにドイツで興味深い動きが生まれてきているのですが、それはオーラソーマの観点から見たインテリアという専門的なコースなんです。
アドバンス修了者に向けられたもので、オーラソーマのインテリア・デザインを学ぶコースはこれから全世界に広がっていくでしょう。
それと関連して、この数年の間に、ポマンダーやクイントエッセンスのエネルギーを入れた塗料が開発されています。
今のところスイスの塗料会社が販売元になり、オーラソーマのインテリアのコースとともに、まだ限られた地域でのみ紹介されています。現在はドイツ語圏だけの動きなんですが、数年後には全世界に広がるでしょう。

私たちはこれまでエネルギーとワークしてきたわけですが、ここにきて、インテリアや内装というものをはじめとして、環境そのものを調和に満ちたエネルギーで満たすという、また別のレベルでのワークも広がってきているように思います。
オーラソーマの世界全体が、惑星全体の気づきと意識の向上とも密接な関係にあるのを感じます。

ですから、オーラソーマはエネルギーの面からこれからさらにたくさんの可能性へと開いていくことになるでしょう。
私はあと5年程でシステム全体がもっと拡大し、完結したものになるだろうと思っています。

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オーラソーマとヒーリング

江谷  すばらしいですね。それでは、オーラソーマが肉体のヒーリングの体系から、意識という側面に重点が移してきた経緯について語っていただけますか。

マイク  私とクローディアが初めてヴィッキーに会ったころ、彼女と同僚のマーガレットは長年治療に携わっていました。その人のどこが悪いのか、どうしたら良くなるかという観点から人を見る治療の専門家だったのです。

だからこそ、オーラソーマもヒーリングの体系としてスタートしました。
ヴィッキーの自伝の翻訳が出版されればお分りになりますが、世界中の人たちがヒーリングという観点からオーラソーマを見ていたのです。

けれどもオーラソーマにはさまざまな側面があって、そのひとつがスピリチュアルな次元なんです。

私とクローディアが関わってきた12年の間に、オーラソーマと人間の意識という面がとても重要になってきました。
意識が直接的に色を知覚する。自分自身の深みを見るという点で、オーラソーマはとても貴重な機会を与えてくれます。

私が特にすばらしいと思うのは、このシステムはボトルにその人の意識が直接反映されるということです。それは子供であろうと、大学教育を受けたインテリであろうと、区別がないんです。
どんな人でも、自分自身を直接認識できるということ、ボトルが鏡となって自分の意識が映し出されるということ、その意味するところの重要性を私たちはますます認識してきています。

ボトル

クローディア  たとえ小さな窓に過ぎなくても、それを通して内なる存在に気づきはじめるとき、それを覆っていたベールが除かれ、エゴや人格は力を失っていきます。
それによって、今まで偏っていたエネルギーにバランスが生まれるのです。不調の原因が取り除かれるのです。その結果、瞬間から瞬間へと、より本来の自分にふさわしい、調和のとれた生き方ができるようになっていきます。

マイク  緊張やストレスがなくなれば、もっと楽になりますし、新しいレベルの意識が目覚める可能性も生まれるわけです。
もちろん私は人類が一夜のうちにニューエイジの意識、新しい意識を持つようになると信じているわけではありません。けれどもオーラソーマは、意識が成長するプロセスを助け、目覚めを促すことができるのです。
オーラソーマは私たちのより深い側面、私たちは肉体という乗り物に閉じこめられた光の存在であるということに気づかせてくれるのです。

世界のオーラソーマの状況

江谷  私はこの3年間オーラソーマの日本での発展に携わってきて、マイク夫妻の今回の来日はとてもいいタイミングだったと思います。けれどもまだほとんどの人たちにとって、オーラソーマは物珍しいものだと思います。そこで、オーラソーマの世界での現状について、そして、これからのヴィジョンについて話していただきたいのですが。

マイク  世界では本当にいろいろな動きが起こっています。そのなかで、ヴィッキーはトライアングル構想というものをもっていて、世界に三つの拠点ができると語っています。それがイギリス、アメリカ、オーストラリアの本部ということです。
オーストラリアでも、テキサスでも、数百エーカーを越える土地がそのために今、用意されています。

またイギリスでは、さまざまなハーブを大規模に栽培しています。私たちのヴィジョンというのは、それが新しい製品の生産であろうと、ハーブの栽培であろうと、トレーニングであろうと、とにかくよいものをつくっていくということ、それは外から見ていただいても明らかだと思います。

ルドルフ・シュタイナーの始めたバイオダイナミクス農法という農法があるのですが、私たちはバイオダイナミクス協会に所属し、イギリスでもアメリカでもそれに則って生産をしています。
けれども私たちは、さらにそれを越え、精霊(デーバ)や植物の微妙なエネルギーともワークしています。
そして私たちのもっているヴィジョンというのは、精霊などの存在、植物界、自然を大切にするオーラソーマの哲学に則った製品づくりをしていくということです。

またトレーニングに関していえば、今のところは4つのレベルのトレーニングがあるわけですが、今後はオーラソーマの哲学とそれに関連した知識を学べるもっと長期の1年のコースをつくっていきたいと思っています。
未来のヴィジョンと関連してお話したいのは、オーラソーマは有機的に成長するプロセスだということ、それは徐々に明らかになっていく過程でもあるのです。

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ヴィッキーは私たちが従うべき確固とした構想を残したわけではありません。私もクローディアもかっちりとしたガイドラインをもっているわけではないのです。

オーラソーマに関わっているすべての人たちが惹かれている原則のひとつに、介入せず、自分で選んでいくプロセスだという原則があると思います。
それはつまり、世界中のどこにいようと、ひとりひとりの人がオーラソーマに関して自分がしていくことに自分で責任を取っていくということです。

江谷  今お話しされた1年のコースについてもう少し話していただけますか。

マイク  まだ細かいことは決まっていませんが、対象となるのはアドバンスコースを修了した人です。コースを終え、さらにオーラソーマにもっと深く関わりたいという人たちに対し、今のところ選択肢はティーチャーズコースしかないわけですが、そうではなく、もっと別の機会を提供したい。
つまり、数秘学とかタロットとかカバラなど、3つのレベル、4つのレベルのトレーニングで学んできたさまざまな側面をもっと拡大して、1年のうちそれぞれ3~4週間の泊まり込みのコースをしたい。それによって、今までのコースではほんの表面を撫でることしかできなかったトピックにどっぷりと浸ることができるようになります。とてもわくわくする可能性をもったものだと思います。

武藤 4つのレベルのトレーニングというのは何ですか。

マイク  イントロダクトリー・セミナーを含めて数えているんです。私はこのコースを除外したくないんです。
というのも、イントロダクトリーはとても重要な役割を果たしうるものだからです。
このコースを受けた人とそうでない人では、ファウンデーションコースを始める時点において、非常な差があると思います。
もちろんそうでない人も本を読んだりしてきているかもしれませんが、直接ティーチャーに触れ、ボトルに触れて、オーラソーマがどんなものか、実際に体験してみることによって、ファウンデーション・コースにおいてより色の言語に深く入って行けるというメリットがあると思います。

オーラソーマに興味を持つ方へのアドバイス

武藤  オーラソーマに興味がわいたという人にアドバイスをいただけますか。

マイク  本も出たことですし、イントロダクトリー・コースができるティーチャーもいますから、今述べたように、そこから入るのがいいと思いますね。
もちろんオーラソーマのセッションを受けてもらうのが何よりなんですが、自分のボトルは何、というところで終わってしまっては本当に残念だと思います。というのも、オーラソーマはもっともっと大きな世界が開く鍵を握っていますから。
イントロダクトリー・コースによって、オーラソーマの世界やメッセージをぜひ感じていただきたいと思います。

クローディア  そしてボトルを使ってみるということですね。

マイク  それは非常に大事です。カウンセラーが勧めるボトルを実際に体に塗ってみることで初めて真の理解が生まれますから。

武藤  お話はつきませんが、今日はどうも貴重なお話をありがとうございました。

マイク・ブース

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オーラソーマが生まれて間もない1984年にヴィッキー・ウォールと出会い、彼女が亡くなる1991年までともに働きました。ヴィッキーはマイクのことを、自分の「目と耳であり、たえざる道づれ」と呼び、後継者として託しました。現在、オーラソーマ社の社長であり、イギリス、オーストラリア、アメリカにおけるオーラソーマ・インターナショナル・アカデミー・オブ・カラーセラピュティクスの学長です。

クローディア・ブース

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夫のマイクとともにビッキー・ウォールからオーラソーマを引き継ぎました。「スピリチュアルな成長を遂げるためには、地上に根付くことが重要である」と説いています。

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※「LIVING ENERGIES Vol.2」はこちらからお求めいただけます。

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