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Project Young. Next Act.『三十路の浪漫飛行』制作報告日誌①千里の道も発信から

はじめまして、尾眼鏡と申します。自分では苗字のつもりです。
馴染んできたら下の名前も考えようかなと思っています。
この度、Project Young.のNext Act.という一般公募企画のためにアニメーション作品『三十路の浪漫飛行』をせっかく作ったので、あとがき的な、制作報告日誌を数回に分けて書こうと思います。

今回の記事では、私、尾眼鏡が自主制作アニメーションを作り始めたきっかけと、ProjectYoungの一般公募企画に参加した経緯についてお話させていただきます。

◆自主制作アニメーションを作り始めたきっかけ
 私はもともと学生のころから演劇をやっていて、卒業後に劇団(といっても自分一人なんですが)を立ち上げて、公演の度に外部の役者さんにオファーをし、脚本を書き、演出をしていました。
3年ほどやったのですが、自分のなかでどうしてもうまく劇団としてのビジョンを描けなかったことなど、いろんな要因から、数年前に劇団の活動を休止することに。

そしてその休止前最後の公演、舞台の美術セットの参考資料として『ルパン三世 カリオストロの城』を見た際「アニメーションって面白いな…」ということを再認識、さらにカリオストロの演出の面白さついて本やネットなどで情報をいろいろ見るうちに、「いつかアニメも作ってみたいな…」と、ぼんやり思うようになりました。

公演が終わった後にコロナが日本を直撃し、外にも出られない状態が続きました。演劇活動を休止したとしても、創作活動をやめたくなかった私は、「今できる創作……あ、前から興味のあったアニメを作ろう」と、CLIPSTUDIOの教本やアニメの絵コンテ集を買ってアニメ作りの勉強を始めることに。同時に、ネットなどで情報収集をしているうちに、自主制作アニメーションというのが一つのアニメーション表現の場として活発に動いていることを知りました。

◆Projectyoungに参加するまで

そんなこんなで、去年、初めて1分程のアニメーションを作成。
初めて作ったということでそのときは満足だったのですが、日が経つにつれて「次はもっと動きがある…少しレベルアップしたアニメを作りたい」という気持ちになっていき、今年の年明けに、2作目のアニメ作りを開始しました。

私は冒険モノが好きなので、「次は自分が好きな冒険モノのアニメーション作品を作るぞ!」と意気込み、「冒険だったら10分くらいは必要だよな…」といきなりハードルを上げ、構想に着手します。

しかし、特に何かの公募に応募するつもりで作るわけでもなく、自由に作り出したがゆえなのか、構想しては「こんなんじゃだめだ。もっと面白いものが作れるはず」と没にして、構想してはまた同じ思考回路に陥って没にし…というのを繰り返す…そしてそれにより制作スケジュールがどんどん遅れる。10分という長さを会社務めしながら年内に完成できるのか…?完全に行き詰まっていしまいました。

こうなってくるとモチベーションも下がる一方。気づけば構想を始めてから7ヵ月がたっていました。
アニメを作ることは挫折したくないけど、モチベーションは確実に下がっている…どうする…と悩んでいた夏のころ、ネットでProjectYoungという企画の存在を知りました。ProjectYoungは「好きなことを諦めない」という明確なテーマがあり、「物語を作ることをあきらめたくない自分」と通じる部分もある。さらにプロのクリエイターの方にも作品を見ていただけるチャンスがある企画。俄然興味が湧いてきました。

しかし、頑張って7か月もかけて考えてきた構想もあるわけで。「ここで簡単に放り投げるのって、創作をやってる人間としてどうなの?」という自分と、「このまま悩み続けても完成する気がしない…年内に締め切りがあって、いろんな人に見てもらえる可能性がある企画に参加した方がよいのでは?」という自分が頭の中でせめぎあう毎日。

そんなとき、とある友人から「作品を完成させる訓練が、まだ足りてないんじゃないかな」と言われ、ハッとしました。自分は舞台で作品を作っていたし……アニメもひとつ作ったんだから、次はもっとすごいのが作れるはず…と思って壮大な構想ばかり膨らませていましたが、今の自分は作家としてまだ誰にも知られていない…まずは自分の作品を知ってもらわねば。

(短くてもいいから、とにかく作って完成させて、発信しよう。いろんな人に見てもらおう)

今年はまだ何も発信できていないということがどうしても引っかかっていた私は、こうして構想中だった冒険アニメをいったん封印し、ProjectYoungの30秒アニメーションの企画に参加することにしました。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回は作品の構想、コンテ第一稿を描き始めてからコンテ確定までの紆余曲折をお話させていただきます。

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