備忘録

一週間が終わった。
去年の1月から、およそ9か月ぶりに大学で授業を受けた。

春学期。
ひとりぼっちで迎えたオンライン授業は先生の顔が見れないのが苦痛だった。けど、成績はこれまでの学生生活の中で一番いいものだった(小学校含む)。
これほどいい成績はもう二度と取れないだろうな......と怯えつつ、先生と顔を合わせて講義を受けられるのが本当に楽しみだった。

迎えた登校初日。
久しぶりに立ち入った学校は、9か月前とは全く違うものに見えた。例えるなら2018年の4月に戻ったような、そんな感じ。間違いなく見たことのあるものばかりだけど、目に入るもの全てが新鮮で、新入生にまじってやたらときょろきょろしてしまった。
そして、文学部の建物が新しくなっていた。特に一階のラウンジは、およそ2年前の、国公立大学のような雰囲気はきれいさっぱり消え去って、悪く言えば意識が高そうな空間に様変わりしていた。座ってオンライン授業を受けたり、談笑している学生さんたちを見るとみんな賢く見えてくる。こわい。
まだ時間はあったけど、その中に混じることが私には酷く不釣り合いに思えて、学内をうろうろしてやり過ごした。
講義は、ちゃんとたのしかった。やっぱり人の話を聞くには、直接が一番だ。

帰り道。
夕暮れの街を車が行き交う。高校生が広がって歩く。影が長くなる。
ごくごく当たり前のことが、あたらしいものに思えた。毎日見ていたはずの風景が、こんなにも物語に溢れていたなんて今まで気づけなかった。
思えば、オンライン授業のときは全く外に出なかった。出るのは約束があるときぐらい。街の空気に触れないということが、ここまで感性を研ぎ澄まされるとは。

外の世界には刺激が多い。
HSPゆえなのかもしれないけど、飛び込んでくる情報が半年前より5倍ぐらいになった気がする。実際、対面授業初日は家に帰ってから眩暈と頭痛でしばらくやられていた。ほかの人は毎日これをこなしているかと思うと、すごいと思う。すごいしか言えない。よくみんな倒れないな。
ちょっとずつちょっとずつ、慣れていけたらいいなと思う。しばらくは難しいだろうから、適度に自分を甘やかしていきたい。でも就活はそろそろ始めなきゃね。

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