2000年3月31日

20年前の今日。

椎名林檎の2ndアルバム、「勝訴ストリップ」の発売日です。

タイトルのシンメトリーや収録時間が55:55になってるとか、めちゃくちゃ拘ってはるこのアルバム。誕生日がまるまる同じやから、ただならぬ縁を感じざるを得ません。私にとっては幼い頃の思い出であり、高1の春のサントラです。1曲ずつ語ります。

1.虚言症

この曲には何度助けられたことか…。魚の目をしているクラスメイトを敵に思って、線路上に寝転ぼうかと考えてた私にはすごく心強い歌詞でした。「髪の毛を誘う風」「眩しい日に身を任せる」って歌詞が春を思い起こさせる。林檎さんに大丈夫、って言われるのすごいな。なんでもできそうな気がしてくる。全体的に歪みのかかったサウンドが凄い好き。青さの中にあるゆらぎをなんとなく感じ取ってます。神曲です。

2.浴室

虚言症からの繋ぎが間髪なくて素晴らしい。林檎さんの無機質な声からの独特なメロディーのベース。イントロから分かる神々しさ…。この曲は危うさとか色気が歌詞に含まれててすごい。男女関係のあれこれを超越したものってことですよね。「すぐきちんと召し上がれ」ですから。何より注目すべきは、Cメロのピアノ。水中で朦朧としながら、虚ろな目で何かを見ている自分の図が頭の中でイメージできてしまう。天才やと思う。この曲のベースがふと頭に思い浮かんで、気になってTSUTAYAに駆け込んだのが、林檎さんをちゃんと好きになったきっかけ。すごい思い入れのある曲。「新宿のカメラ屋さんの階段を降りた茶店」に行ってみたかった。今はもう閉店してるらしい…。

3.弁解ドビュッシー

好き度でいうとこのアルバムの中では低めかもしれん。他の曲が強すぎるのはあるけど。でもライブ映像みて好き度が倍ぐらいになりました。真空地帯のやつかな?YouTubeにあるし見てほしい。てか「どうせあたしの人生語呂合わせなんだもん」って歌詞普通20歳前後で書けますか???本当にすごい…。「なんでも買ってあげるから帰るだなんて已めなさい」って最後の方にあるけど、ちょっと若さ感じて好き。

4.ギブス

言わずもがなの名曲。音的にも聴きやすくて安定してる感じがあるよね。こりゃ万人受けするわ。歌詞は自分の恋愛観に割と合ってるなぁと思う。「明日のことは判らない」「昨日のことは忘れちゃおう」。あやふやな昨日より、不確かな未来より、大事なのは今がどうか、なんよね。そこで「ぎゅっとしていてね」って歌詞に入れちゃう林檎様あーーーー!!とオタクはなってしまう。好きだぁ…。でも写真を撮りたがるのを嫌がるのはよく分かりません。やっぱ形に残すのは大事やって。

5.闇に降る雨

これも好き度は低めかもしれん。でもたまーにに聞きたくなってしまう。「貴方に降り注ぐものが譬え雨だろうが運命だろうが」ってサビは始まるけど、ここの部分が演歌っぽくて好き。林檎さん演歌似合うよね。この曲聞いてると真夜中の春雨の日に佇む黒髪の女の人が頭の中に出てくる。

6.アイデンティティ

林檎さんお得意のブチ切れ系ソング。イントロのギターを弾きたすぎて必死に調べてたのが懐かしい。個人的にテンションが上がる曲やからよく聞く。サビの訴えかけるような歌い方が大好き。この歌詞書いたときの林檎さんはきっと不安やったんやろうな。共感できる部分は多いです。最後のはぁぁ、って息を吸うように叫ぶのがよい。よすぎる。

7.罪と罰

はいーー。言わずもがなです。カラオケで上手く歌えると楽しい曲。これ聞いてセブンスター吸いたくなった(喫煙者の親曰くキツいらしい)。なんでこんな不安そうに歌えるんやろな…感情移入の天才すぎる。ラストの1オクターブ下がって歌うとこの声がかっこよすぎる。世の中に呆れて諦めがついたような、絶望感を孕んでる感じ。「安蛍光灯」の語呂が好きです。なんでこんなん思いつくんや。

8.ストイシズム

箸休めソング。小さい頃に聞いてたときは不思議な曲やなぁ…と思ってた。歌詞は今聞いても全く意味が分からへんけど、聞いてて楽しい曲。これ一緒に歌ってくれる人いいひんかな、絶対おらんな。

9.月に負け犬

大好きです。林檎さんの好きな曲5つまで絞れって言われたら考えに考えた末、これは残る可能性ある。音がまず良すぎる。1音1音がこの曲のために集まってるような奇跡すら感じる。ほんで歌詞。何この歌詞。私のためにあるんですか…?って錯覚してしまう。「好きな人や物が多すぎて見放されてしまいそうだ」まじでこれなんよ…。じっくり聞くと泣きそうになってしまう。心の内にある自分では言葉にできない領域を、上手く言葉にして音に乗せて私に運んでくれている感じ。素晴らしい。一生私と共に生きてくれると思う。

10.サカナ

この曲もそんなめちゃくちゃ好き!というわけではない。でもイントロからの落差が最高によい。「生まれてから二十年弱」の歌詞があるから、もうすぐこれになれる。嬉しい。女として生まれてきた以上は、この曲みたいな感情に1度はなるんやろな…。

11.病床パブリック

最初のドラムのリズム感が好きすぎて、これ流れたときは何があっても飛ばさへん。全体的にもドラムとベースが1番好き。「巧妙自制白血球」口にわざわざ出したくなる言葉よね。「愛なんて呼んで居なくて信号と云う解答で貴方を誘い出しても」って歌詞みてびっくりした記憶ある。

12.本能

言わずもがなの名曲。最初のフレーズを逆にすると、約束が欲しい 果たされると嬉しい 繋がれたくはない 夜明けを待っている ってなって、ほんまはこっちが本心じゃないかってどこかのサイトで見て感動した…。歌詞にすごい文学みを感じる。正直音源よりライブバージョンの方が数倍好きです。てか椎名林檎の曲で共感できるランキングで、本能が1位らしいんやけどみんなどんな人生送ってんの?

13.依存症

これも本当に大好き。ずっと寄り添ってくれる曲。ゆらゆらした意識の中で、ほわんと思い浮かんだ思考を形にしたような、不確かな感じがすごくよい…。「翻弄されているということは状態として美しいでしょうか いいえ綺麗な花は枯れ醜い過程が嘲笑うのです…何時の日も」今まで聞いてきた恋愛ソングのフレーズで、トップ10に入るほどの美しい歌詞やと思う。収録時間を55:55にしたいがために間奏がめちゃくちゃ長いのが飽きるから、歌い終わらはったらすぐ次の曲にします。

全曲聞きながら書いてみたけど、思った以上に書けへんかった。まだまだですね。20歳はもっと文章を書きたい。

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