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水族館に行けばわかること

割引あり

GWも後半に差し掛かり、仕事のしすぎでぼろぼろになった私を連れて、家族で久しぶりに水族館に行くことになった。

⭐️このブログでは男女の恋愛や家族観についての話題を扱っているので、正直そういうのムカつくんだよなという人は読まんでおいてください。一方でそういうの大好きな人もいるのでマガジンをわけておきます(準備中)。なお男女については一般的な設定にしてありますが、入れ替えても同性でも通じる話かなと思います。


水族館に行ってみつけてほしいものは、
イルカでもアシカでもない。
アジでもイワシでもマンタでもマンボウでもない。
ペンギンでもウミガメでもウツボでもない。

どんな生物や、家族や、癒やしについて考えられるか。

水族館に行って、愛を、確かめてみてくださいね。

「デートで水族館を選ぶのは何故ですか」

いろいろ思うところがあって、Googleで「水族館 デート」で検索してみると、Bardがいろいろ耳年増な情報を教えてくれる事に気づいた。

・水族館デートのメリットはなんですか?
・はじめてのデートでおすすめの水族館は?
・水族館デートに誘われたら脈あり?
・水族館に行く意味は?

どうやら最近は水族館はデートスポットとして定番らしく、出会い系サービスや恋愛ハウツーサイトでたくさんの情報が出ている。

水族館でのデートには、会話が弾みやすいという大きなメリットがあります。 初デートは、会話が苦手な方はもちろん、そうでない方でも緊張して会話が途切れがちになってしまうものです。 しかし、水族館では魚や動物たちが話のネタを提供してくれるので、会話が途切れず、弾みやすくなります。

恋愛マニュアル情報も、この手のAIも邪魔だ!
そう思う気持ちはたしかにある、ぼくもそう思う。
生成AIと出会い系サイトにデートスポットの評価もされてしまうような、そういう時代に我々は生きている。
しかし「水族館に行く意味は?」みたいな質問はどうなんだろう。こういう質問が出るってことは「水族館に行く意味なんてない」というお方が一定数居るってことなんじゃなかろうか。
(ぼくの「理系脳」もそう考えたことがある)

幸いながらぼくの周りにはミュージアム業界、博物館学を教える先生方もいるし、水族館に勤めている人もいる。その人達に「水族館に行く意味は?」と聞いたら、ものすごく真面目なご意見が噴出しそうだけど、ここはあくまで恋愛ビギナー、コミュニケーションビギナーに向けてエッセイを書いてみたいとおもう。

コミュニケーション設計から考える「水族館デート」の優位性

対比例:映画を初期のデートに使う場合

あくまで恋愛ビギナーに向けた視点で考えてみるけど、確かに映画館などと異なり、たしかに水族館は会話しやすいかもしれない。同じスクリーンを観て一つの筋書きに沿って映画を見る場合、2時間ずっと会話は無しだ。
コミュニケーションが苦手な人にとって都合がいい。
問題は映画が終わったあとなんだ。
感想戦を繰り広げられるオタク友達ならいい、恋愛感情のかけらもない性別関係ない友達ならなおさらだ。
映画をデートに使う場合の最大のリスクは映画のコンテンツに対する評価が、その後の両者の関係に大きく影響を及ぼすかもしれない、という点だ。しかも映画館で見る映画はほぼほぼ初見だ。
つまらない映画なら容赦なく寝てしまうだろうし、逆に多くの感想をうむ問題作だったとしても、鼻息荒く映画について語ってしまう。
これについては仲の良いオタク仲間だったとしても非常にリスクが有ることはわかってもらえるだろうか。

なお、ぼくは家族と「スターウォーズ」を見たあとに大喧嘩している。
期待に対して出来が微妙な映画とか、出来は完璧だけど、個々の俳優に対する思い入れがぜんぜん違うとか、観る側の知識とか、思い入れが邪魔をする事がある。
新海誠作品はデートに向いてそうだが、それは男女の描き方がとても上手だからではないか。一方で、オタクが新海誠作品を観ると、過去の新海誠作品とその差異や自分の思いについて語りだすので、あまり良い結果を生まない。

アニメ映画ではなく恋愛ドラマを選べばいいのでは、という感じもするが、実際、そこまでデート向きの映画というのはなかなかない。
一定の女子が好きそうな「めっちゃ泣ける恋愛ドラマ」は女子からの人気を得そうだけど、男子にとっては地雷が多い。まず自分から観に行きたいと思う要素がない。主演俳優についての知識やリスペクトが大事だし下手に共感すると過去の恋愛観の話をしなければならなくなる「どうしてあそこで泣いてたの」とか言われるといきなり詰むかもしれない。いずれにせよ映画館デートは愛を育む要素は少ない。

つまりまだ距離感が微妙な初期のカップルにおいて、映画視聴という共有体験はリスクはあっても利がない選択のように見える。
唯一ありえる可能性は、お互いが「その映画についてほぼ同じ感想を持つ」か、「もう何十回もみている」か「映画に特に興味がない」という設定だ。

つまり「愛」における基本である「相手を思いやる優しい気持ち」が映画愛や、映画自身がもっているストーリーや世界観、没入感のおかげで台無しになってしまう。そして「この邪魔者」は二人の個性にはあまり関係がない。

かつてコロナ前にあった「応援上映」のような文化があれば、仕草として「その映画についてほぼ同じ感想を持つ」ことが可能なので、今後の映画館業界の開発を楽しみにしている。

(「プロメア」の応炎上映はとてもよい、カップルも生まれやすい)

水族館デートにおける幾何学

これに対して水族館デートはコミュニケーション設計、特に幾何学的に素晴らしい要素がある。

まず体験者同士が対峙する要素が少ない。人と人が向き合って会話する状態のコミュニケーションに「難」を感じる人は幾何学、具体的には「角度」で考えるといい。
カフェなどで1on1で正面対峙する場合を180度とすると、3人で円卓を囲む場合は120度。ディスプレイを観てるだけの状態は0度だ。全く交差しない。正確に言えば「同じ方向を見ている」ので雰囲気は悪くならない。

ベクトルの内積は、2つのベクトルの長さとcosθの積で、ベクトル同士が同じ向きを向いているかどうかを判断することができる。実のところ、相手がどんなに自分のことを好きだろうが、自分が相手のことをどんなに警戒していようが、2つのベクトルの向きや類似度を測ることができるデート先というものはそんなに多くはない。

ディスプレイ装置としての水族館

ディスプレイ装置としての水族館は映画のような筋書きはないが、深海から近所の河川や里海から淡水魚から巨大魚、大水槽にイルカショー、アシカやペンギンまで、相手の興味や知識をそこそこに引き出してくれる。動物園ほどインタラクティブではないし、薄暗いし、屋外のタッチングプールでもなければ動きも不要なので服の選択も困らない。写真撮られるのが苦手だというビジュアルコンプレックスがある方にもおすすめかもしれない。

対比例:現代美術館

相手の知識や興味と対話をめちゃ増やしたいなら、現代美術を観に行けばよい。作品と対峙する、意見もものすごく分かれる。要するに別れたいカップルにめちゃおすすめかもしれない。逆にグループでデートするなら対峙も視点が分かれるので問題ないし、まだ告白するとかされるとかいった距離感の、修学旅行的な距離感のカップルなら、むしろ現代美術館でのグループデートはおすすめかもしれない。現代美術に関する謎の知識をさらけ出して、それを好いてくれるような人であれば、よりこじらせた恋愛を体験できる。

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