国際学生手作りVRコンテストの流れをくむVR作品コンテスト「IVRC」(Interverse Virtual Reality Challenge)の今年の実機体験予選「SEED Stage」に参加してきたので個人的体験メモ。
https://ivrc.net/2023/seed-stage/
今回のSEED Stageは日本バーチャルリアリティ学会の年次大会(VRSJ2023)の機器展示・技術作品展示と同じエリアで開催されました。
※一般公開ではありませんが学会参加者であれば参加できます
会場となった八王子の「たま未来メッセ」、はじめていったけど駅からめちゃ近い!JRからも京王からも近い!
自分は2001年ごろから実行委員として運営を応援しております。
決勝展示となる11月の「LEAP STAGE」で国際提携先フランスLaval Virtual「Laval Virtual Prize」の招待作品も選出せねばならないので、ちょっと気になった作品を優先して体験しておいたので紹介しておきます。
動画をTwitter(X)に置いておいたのでぜひそちらも見ていただけますと幸い!
公式のSEED展示作品一覧
https://ivrc.net/2023/seed-stage/
会場の雰囲気動画。まだ展示が始まったばかりなので動き出すかどうかというところです。
以下、自分が体験した作品。ホントは全部体験したかった。
イスバスでシュート体験!(立教池袋中学校・高等学校数理研究部)
車椅子操作感よかった… そしてシュート一発で決まった体験は素晴らしい (がよく見ると危なかった)
スタッフが手伝っている様は見えていないので無邪気に喜んでるけど
まあいっか・・・これもHMDのおかげ
Multithreader(東京工業大学工学院情報通信系)
まだ初日開演直後のこなれていないコミュニケーションなんだけど、触覚インタラクションと作業と学習に注目した野心的な作品。科学としての再現性まで踏み込めるならば大きな可能性を感じる。
RadiantVR: Immersive Heat Experience(九州大学芸術工学府芸術工学専攻)
今回のIVRC2023 Seed stageでいちばん熱かった作品。
Quest単体で動作するVR体験もなかなかしっかり作られていたのですが、それ以外に、細かい機材の安全性とかも作り込まれていて素晴らしい。写真電球で熱を得るって発想はシンプルだけど、最近はLED灯もあるし、バンナムVRZONEでは赤熱灯を使った例もあるけど、あえて電球を使うのは再発明ですね。さすがライティングだけあって配置だけでも美しい。方向熱源が提示できるのはなかなかすごい。電力消費はこうみえても1300W。電子レンジやホットプレートぐらいじゃん。かなりしっかり熱くて、最後に体験させてもらったサウナは、この体験自身でほぼサウナ。ロウリューとかできそうなぐらい。車椅子とか障害がある方にもサウナを体験していただけるよなあ(汗対策とかどうするかってところですがそれはさておき)。
九州からスーツケースで運んできたってのも素晴らしいね。機材構成とロジスティクス面を評価したい。
コンテンツとか体験面のブラッシュアップがあればさらに期待できる作品。
オノマトペ可視化によるマンガ的観戦拡張(電気通信大学情報理工学域Ⅰ類)
HoloLens2による実写に漫符を合成する作品。キレとかタメとかをもうちょっとどうにか、というか実演者のパフォーマーでもっと良くなるよ!ってアドバイスはした。
テレビの向こう側へ(大阪大学情報科学研究科情報システム工学専攻)
QuestProを使ったクロスモダリティMR体験として、なかなか豪快な作品だった(手がびしょびしょ)。
こういうのって防水作るのが本当に大変なんだよな…。
97年産トリニトロンカラーテレビがいいね。SONYのロゴがIVRCになってるのが芸が細かい。MR体験の中ではSONYに戻ってるのは気になった。
(ちょっとネタバレしますが)
ラストがなかなか良かった、いわゆる「貞子」的な展開を期待していたのだけど、本当に実装されていてよかった(怖かった)。
終わったら少し呆然としてしまうホワイトアウトな演出が良かった。
ろくろ首(女子美術大学院美術研究科デザイン専攻)
女子美術大学院の方々にキャッキャされながら首を上に引っ張られていく体験はなかなかできる事ではないな…そのあとデュラハン中国の首なし妖怪などのトークに花が咲いてしまった
堕天使飛行(関西学院大学工学部知能機械工学課程)
最初は何を考えて作ったのか理解できなぁった 「堕天使飛行」 実はシンプルで手作り感あるハードウェアに加えて、非対称翼によるインタラクションの可能性なんかもあって学びの多い体験だった。 3Dプリンタによるボールジョイントとかも。
打ち上げ花火、下から見るか?自分で作るか?(京都産業大情報理工学部情報理工学科)
ESP32で作られた発射スイッチについての解説はぜひ動画の最後の方で。
見たかったけど体験できなかった作品たち
公式概要だけでも紹介しておこう
滴Liquid (青山学院大学理工学部情報テクノロジー学科)
嚙み飛口機 (電気通信大学I類・電気通信大学情報理工学研究科情報学専攻)
パッキンgood!(サレジオ工業高等専門学校機械電子工学科IVRCプロジェクト)
「あ、なんだ。蛙か。」現象
(熊本県立大学総合管理学部総合管理学科)
失われた楽器を現代に再現!「電動アルモニカ」(多摩大学経営情報学部)
FOOT WARS : ZOMBIE ESCAPE
(青山学院大学理工学部情報テクノロジー学)
Megalo-me: 音を聴くための巨大な生命体
(慶應義塾大学環境情報学部環境情報学科)
聖剣を継ぐ者 – 集中の証明 – (東京大学情報理工学系研究科システム情報学専攻)
ハラショーな鷹匠(東北大学情報科学研究科システム情報科学専攻)
本企画は,実際の鷹匠体験を疑似体験できるコンテンツ「ハラショーな鷹匠」を提供する.体験者はHMD を被り,VR 空間上で鷹匠体験をする.その際に我々が開発する独自のハンドヘルドデバイスを通じて本物の鷹が手に留まっている様に感じる重さと圧力を提示する.更に鷹が飛び去る際には重さと圧力もなくなる.加えて風力装置を利用して鷹が飛ぶ際に発生する風も体験可能である.このような触覚を伴うことによるリアリティある鷹匠体験がルームスケールVRで行えることが本企画最大の特徴である.
めい迷路ろ(名城大学理工学部情報工学科)
VRボウリングローリング(大阪大学大学院情報科学研究科情報システム工学専攻)
お前は今から鵜だ ~長良川鵜飼での鮎まるのみ体験~(岐阜大学工学部電気電子情報工学科)
かぶぬっこ(電気通信大学I類・電気通信大学情報理工学研究科情報学専攻)
それいけ!ムササビ人間(工学院大学情報学部情報通信工学科工学院大学VRプロジェクト)
ワカサギの誘い(大阪大学大学院情報科学研究科コンピュータサイエンス専攻)
人気が高い冬のレジャーとしてワカサギ釣りがある.ワカサギ釣りは凍結した湖に穴を空けて行われることがあるが,氷が割れ,釣り人が湖に落下する事故も過去に発生している.本体験では,VR技術を用いて,落水事故の疑似体験を可能にする.落水体験に驚きを感じ,楽しんでもらうとともに,水難事故の危険性と安全対策の重要性や認知バイアスが意思決定に与える影響を認識する機会を提供する.
空傘散歩(北陸先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科)
映画やアニメでは傘を使って空中をふわふわと飛び回るシーンがよく描かれる。しかし、現実の物理法則から考えると、人間の重さを支える程の風を捉えるには傘の面積は小さく、耐久性も現実的ではない。本企画では風にあおられた傘を掴んで人間が持ち上げられる現象をVRで拡張し、傘の傾きを操作することで自由に空中を散歩するファンタジーな体験を提供する。
振(シン)・バスケ観戦(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
本企画は, バスケットボールの試合録画映像から抽出したドリブル・パス・シュート・ステップに関する「リズム」や「振動」を,映像とシンクロしながら,背中・掌・足裏で感じることで,よりエキサイティングで,記憶に残るバスケ観戦体験の創造を試みました.選手のプレーと連動する振動子を埋め込んだ座席に寄りかかり観戦することで,より選手と一体となった,臨場感の高まる体験を行うことが出来ます.バスケットボールの魅力を更に拡張した「振・バスケットボール観戦」を是非体験してみてください.
叩け!カラダドラム(慶応義塾大学)