見出し画像

ただのMBTIオタクによるMBTI概論②


前回の記事でも少し触れましたが、ここでは心理機能についてより詳しく説明していきます。

第一弾はこちら↓↓↓


心理機能の定義

MBTI概論のnote公開後、「心理機能はどのように決まるのか?」という質問をいただいたのでまずはそこから。

最初に、“外界への接し方(J型かP型か)”注目します。


MBTIにおいて、SとNは知覚機能、TとFは判断機能と呼ばれます。

J型は判断機能を外界で使うため判断型と呼ばれ、P型は知覚機能を外界で使うため知覚型と呼ばれます。

外界に対し判断的であるJはまずは物事を決めようとし、外界に対して知覚的であるPはより多くの情報を得ようとする傾向があります。

また、心理機能は外界で働くものと内界で働くものに分けられ、E型の場合は外界で働く機能(●e)が第1機能となり、I型の場合は内界で働く機能(●i)が第1機能になります。

そして第2機能は第1機能に対して知覚(S、N)・判断(T、F)と外向・内向のバランスを保とうとします。

つまりまとめると↓↓↓


J(判断)型の場合

・判断機能(T、F)が外界で働く→Te、Fe
・知覚機能(S、N)が内界で働く→Si、Ni

ExxJの第1機能はTeまたはFe(第2機能はSiまたはNi)
IxxJの第1機能はSiまたはNi(第2機能はTeまたはFe)


P(知覚)型の場合

・知覚機能(S、N)が外界で働く→Se、Ne
・判断機能(T、F)が内界で働く→Ti、Fi

ExxPの第1機能はSeまたはNe(第2機能はTiまたはFi)
IxxPの第1機能はTiまたはFi(第2機能はSeまたはNe)



表を見ると、第1機能と第2機能を合わせて知覚・判断・外向・内向全ての要素が含まれているのが分かりますよね。

さらに第1機能と第4機能、第2機能と第3機能が各々対峙関係になっているのも分かると思います。

また、第3機能については様々な議論が交わされており、外向・内向を指定しない(例:ESTJの第3機能をNeではなくNとする)といった説もあります。この辺はまだ曖昧らしく、私が読んだ本のほとんどは第3機能の外向・内向を指定していませんでした。

こうして見ると、「4文字中3文字も同じなのにどうしてこんなに違うの?」「全然違うタイプなのに気が合うのは何故?」といった疑問も晴れるのではないでしょうか。

MBTIはEとI、SとN、TとF、JとPのそれぞれの組み合わせだけで断片的に捉えるのではなく、こうした心理機能の組み合わせによって生まれるタイプダイナミクスにまで目を向けることで理解深められると思います。


各心理機能の傾向

ここで示したのは主に優勢機能(第1・第2機能)である場合の特徴的な傾向です。
劣勢機能である場合は、ここに書かれた傾向がマイナス方向に働いて裏目に出ることもあります。

Se(外向感覚)
・現実的で行動に移すことを重視する
・人当たりがよく、エネルギッシュ
・自由で枠に囚われない生き方を求める
・身近な人の具体的な要望や情報に関心を向ける
・五感を通じて得られる体験の多様性を追求する

Si(内向感覚)
・人々に関する具体的で詳細な情報を蓄える
・思慮深く現実に焦点を当てる
・好みにうるさいが、個人的に生き生きと感じられる知識や経験を大切に心にとどめようとする
・着実で頼りにできる
・ひとつひとつの決断や行動を入念に検討する

Ne(外向直観)
・周囲の人々にワクワクするような可能性をみつけ、追求する
・刺激的で新しいことに関心を寄せるので詳細な事実を見逃すことがある
・自分に自信を持って行動する
・言葉が流暢で、親しみやすく愉快な印象を与える
・活動的で熱意があり、リスクを冒すとしても躊躇いがない

Ni(内向直観)
・あらゆることの背景にあるパターンや意味、核心を見出そうとする
・納得いくひらめきが得られるまで熟考し、自分の洞察に自信を持つ
・学術的なことを重視し、概念や理論を好む
・周囲の人々や今後起こり得ることについて洞察を深める
・長期的な計画とビジョンに意識を向ける

Te(外向思考)
・自分の考えや判断を率直に、明確に表現する
・課題重視で、個人的なことを強調し過ぎない
・能力、目標、行動、結果に意識を向ける
・物事をテキパキと決め、迷ったり考え直すことは少ない
・論理的秩序のある、合理的な環境を好む

Ti(内向思考)
・自分に対する期待が高く、言い訳をしたり、されたりすることを好まない
・単刀直入に、簡潔に伝える
・自身の内なる考えを組織立てて整理する
・思慮深く、論理を重視する
・周囲の人や興味のあることに対し控えめで距離を置いた態度で接する

Fe(外向感情)
・思いやりや配慮、相手への興味関心を言語、非言語に関わらず表現する
・相手の要望に敏感で、それに応えようと行動する
・調和を維持させ、分析や批評をしすぎないようにする
・その場にいる一人一人と円滑な人間関係を築こうとする
・相手個人や組織全体の目標を達成するための援助にエネルギーを注ぐ

Fi(内向感情)
・控えめで、自分と同じような考えを持った人にだけ気持ちを打ち明ける
・自分の内面に一貫した価値観を持ち、そこに重きを置く
・他者の要望に合わせて物事の優先順位を決める
・個人的かつ肯定的な方法で周囲に接する
・相手に対し異議を唱えたり批判的な意見を述べることを避ける


こうして見ると、同じ機能でも外向しているか内向しているかでかなりの差があることが分かります。

心理機能の序列について

前提として、心理機能の序列は他人との対外的な比較によって定義されるものではありません

第1機能や第2機能は他の人に比べて優れた部分ではなく、貴方の中で優先的に使われているもの、貴方が自信を持っているものとして考えられているのです。心の利き手と表現されることもあります。

第3機能や第4機能も他の人に比べて劣っている部分ではなく、貴方が苦手とするもの、貴方の中でまだ比較的未発達なものと捉えられます。

人間的に十分成熟している人であれば、第4機能を一般的に“使えている”と言える状態まで持っていくことは可能です。


健全状態だと第1機能+第2機能を使いますが、不健全な状態になると第1機能+第3機能を使うようになり、もっと酷くなると第1機能+第4機能を使うようになると言われます。

前回のnoteで上記のような記述をしましたが、第1機能は個人の中で最も意識下に使用され、第4機能は意識下で使用するのが最も困難な機能と言われています。

第1機能や第2機能は意識的に使用されるため、本人にも自覚がある場合が多いです。コントロールに長けていて使いこなせている機能とも言えます。

逆に、第3機能や第4機能は無意識的に使用されることが多いため、本人もその機能を使用している自覚がなく上手くコントロール出来ていない場合が多いです。

心のバランスが保たれていれば特に問題は無いのですが、ストレスなどが原因でそのバランスが崩れると普段無意識下で人知れず使用していた劣等機能がコントロールを失い、暴走してしまうことがあります。

コントロールを失った劣等機能は、大抵否定的で望ましくない形で表に出現します。

これが自身の第1機能と相まっていつもの自分らしくない振る舞いとして表に出ることがあります(負のループ…)。

例えば、ESTPやESFPの劣等機能であるNi(内向直観)が肯定的に働く場合は物事の繋がりや可能性に目を向けて創造的で豊かな世界を体験出来ますが、これが否定的に働くと暗い空想や今後起きることへの不安ばかりが頭に浮かぶようになり、周囲に対して頑固でよそよそしくなったり自分の世界に引きこもったりします。

これは本人の心にも深刻なダメージを与えるため、所謂“病んでる”状態になっちゃったり。

でも本人もコントロール出来ない劣等機能が無意識下で大暴れしちゃってるだけなので、これを意識的に解決するのはなかなか難しい。


第1機能〜第4機能に含まれていない心理機能はそのタイプの特徴を語る上で重要視こそされませんが、だからといって存在しないわけではありません。

全ての人が全要素を持ち合わせており、そのそれぞれが互いに作用しています。

そしてもちろん、この心理機能だけで誰かを定義することは不可能です。

同じタイプの人間であればある程度類似した傾向を持ってはいるでしょうが、それ以外にも個々人の人生経験や社会環境が複雑に絡み合うからです。

やはりここでも、MBTIは“きっかけ”や“ヒント”程度に捉えるべきだということを主張させてください。


心理機能を用いたMBTI考察

各タイプごとに第1機能〜第4機能の序列が定義されていますが、これが全ての人にそのまま当てはまるかと言われるとそうではありません。

ここまで読みながら、納得できる部分もあればしっくりこない部分もあったのではないでしょうか。

そんな方に試して欲しいのがこちら。

こちらはMBTIのタイプではなく、心理機能に焦点を当てた診断サイトです(精度の信憑性は定かではないですが…)。

質問が難しくて答えにくいものもありますが、結果を見ると割と納得できる部分も多いかと思います。

散々自己理解のためのMBTIを主張させていただいていますが、心理機能診断を踏まえるともっとそれが深まるかと!

例として私の診断結果をもとに、心理機能を用いてMBTIを考察してみましょう。


ちなみに私はINFJで、INFJの心理機能はNi-Fe-Ti-Seと定義されています。

それを踏まえて結果を見てみると……



いやFe優位過ぎないか???

そしてSが絶望的。鬼のSe劣勢。

Feが1番発達してて次にNiが発達しているのを見るとENFJ(Fe-Ni-Se-Ti)か?という気もするのですが、Se劣勢具合を見るとやっぱりINFJっぽいような。

Fe(外向的感情)を優位に持つタイプはFJ型だけであることとSiとSeがマイナスでNiとNeが発達していることを考えるとxNFJ型であることは間違いなさそう。

まあ全体的に定義から大きく外れてはいないのでINFJなのかな〜みたいな感じで自認してます。

あと、16タイプ診断の結果がこれなのでEであるはずがないんですよね。


こんな感じで自分のタイプに対する納得度が高まるかもしれないし、余計混乱するかもしれないし(最悪)。

如何せん答えにくい質問事項なので、これも自己理解のヒントのひとつとして捉えるといいかもしれません。





最後にこれは余談ですが、MBTI公式は18歳以下の診断を推奨していません

何故かと言うと、MBTIって自分の心の傾向を再認識するツールなんですよ。自分たる所以みたいな。

そして、そもそも18歳以下だとその心の傾向が定まっていないことが多い。むしろ思春期と呼ばれる時期を通して自分の価値観とかを正に形成している真っ最中。

中高生の間でもかなりMBTIが流行ってるみたいだし、診断結果がコロコロ変わったり自分のタイプわかんない!って言ってる人はそのくらいの世代が多い印象もあります。

また感受性が高く外部からの影響を受けやすい時期でもあるので、例えばENFPと診断された場合「私ってこういう性格なんだ」という刷り込みが起きてしまう可能性も高い。

本人に自覚が無くても人間関係や何かを決める時にも“ENFPっぽい”振る舞いを意識するようになってしまったり……といった危険性もあります。

ちょっと違うかもだけど、プラシーボ効果(効き目のない薬を患者が“自分が飲んでいるのは効き目のある薬だ”と思い込んで服用することで症状が改善すること)みたいな感じ、?

自分だけでなく友人や家族に対しても、タイプによる決めつけや偏見が生じやすいんです。

これは本人の心的成長を妨げることになり、MBTIの濫用(MBTIだけで人を判断する)と同義と言っても過言では無いでしょう。

1人の人間の全ての行動・感情をMBTIだけで説明できるはずないですから!ほんとに!!



まあこれは18歳以下でもそれ以上でも起こり得る事ですから、18歳以下だからMBTIの話するな!ってわけではないのでね。

自分たる所以を持ってるいる人なら何歳でも受検可能らしいので。

エンタメというか、話題のひとつとしてMBTIを楽しんでいる人がほとんどだと思うのであまり真面目な話はしたくないですが…一応注意喚起です⸜ ( ˆ࿀ˆ ) ⸝

MBTIが全てだなんて馬鹿なことは考えないでください。

タイプ特性を自身の未熟な部分に対する免罪符や、他人への人格批判には使わないように気をつけないとね。

とにかく肯定的に、自分のために、他人のためにMBTIを使っていきましょう!!!




(終)


最後まで読んでいただいてありがとうございます!

何かあればこちらまで↓↓↓

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?