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2024_0504

☁️

友達にいただいた可愛いピンクの生き物
名前があったのだけど全く覚えられない
ので命名くたくた とする
語感がいいから

特に書くこと思いつかないので
くたくたについて書くことにする

くたくたのモーニングルーティンは
朝起きてピンクの全身タイツをまとうところから始まる
しましまパンツ一丁で白湯を飲み
縁側にずらりと干していた
ピンクのタイツをいちまいハンガーから取って
くるくると巻いた耳までピンクに袖を通す
雨の日は少しだけ耳がつっかえる
ブラシでほこりを取ってから
軽くラジオ体操をする
ジャンプが好きなので
今日は2回ジャンプのパートを追加した

ラジオ体操を終えるころ
くたくたのお腹の音がくるくると鳴り出すので
鉢植えで育てていたトマトを収穫し
水で軽くすすいでから
3つほどお皿に盛り
水切りしたヨーグルトに
グラノーラをかけたものと食べる
最近はナッツが入っているものにハマっているようだ

朝食を終えてトマトに水をあげたあと
ロールパンがひとつ入ったポシェットを
かたから下げ出勤する
仕事はたんぽぽの綿毛を収穫することである
収穫されたたんぽぽの綿毛は
ピンクやブルー、様々なタイツに生まれ変わるのだ
国家資格が必要な仕事なので
くたくたはこの仕事に誇りを持っている
なかなか難しい仕事なのである


お昼になると同僚のシモンと昼食を取る
公園の大きなくぬぎの下のベンチが定位置である
たまに先客があるときは川沿いまで歩いていくこともある
この日は先客はいないようだった
ポシェットからロールパンを取り出し
ちぎって口に運ぶ
シモンが思い出したように自分のカゴから
ツツジの花を取り出した
勤務中に見つけたものを取っておいてくれたのだ
くたくたはシモンのこういうところが大好きである
並んで蜜を吸うと午前の疲れが吹き飛んだ

天気予報では晴れの予報であったが
午後から雲行きが怪しくなり
ついに雨が降り出した
くたくたは干してきた洗濯物を思い出しては
遠い目をする
タイツが水を吸いだんだんと重みを増してくる
たんぽぽの綿毛も乾いていると羽根のように軽いが
水を含むと重くなってくる
だんだんと綿毛を持っていた手がしびれてきた
仕方ない今日のところは切り上げるか
仕事を終え帰路に着く
水たまりをふみながら帰るのは楽しいので
雨の日も嫌いではないくたくただった

家につくと1番にタイツを干し
シャワーを浴びてみずたまパンツで
ラムネをのむ
そのころには雨はあがり虹が出ていた
ビンの中にあるビー玉を慣れた手つきで取り出し
大切にコレクションケースにいれる
もうすぐシモンのバースデーなので
サンキャッチャーを作ってあげる予定である
晴れの日が似合うシモンにぴったりだと思ったのだ

寝る前に日記をかいていると
目の前にてくてくとてんとう虫が現れた
くたくたは自分の指先に誘導して
窓際までつれていった
今日は雨が降って大変だったことや
ツツジの蜜が甘かったこと
てんとう虫にどこにツツジが咲いているのかを
教えてもらったり何気ない会話を交わしてさよならした

そのころにはくたくたの目はしぱしぱしてきた
寝る時間である
ナイトキャップに耳をしまいこみ
明日の朝ごはんのことを考えながら眠りについた
夢でくたくたは綿毛で船を作り
違う星に遊びに行く夢をみた
そこにはみどりやみずいろ、虹色など
いろんな色のツツジが咲いていて
とても嬉しくなる夢だった
幸せなゆめをみて眠っているようなので
よだれをたらしていることはくたくたには黙っておこう

おやすみ

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