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【趣味人噺⑭】学生時代にハマっていたNHK-FMのラジオドラマ枠「青春アドベンチャー」の特に印象に残った作品5選を思い出してみる、の巻。

 結論から言おう!!・・・・・・・・・・こんにちは。(Ο-Ο―)
 桜がモチーフの歌といえば山ほどありますが、個人的にはSINCREAの「桜舞い散る季節に君が夢見たこと」をパッと思い出すことが多い、O次郎です。

※この曲がリリースされた春先にちょうど大学卒業→新卒入社だったんで特に記憶に残ってるんでしょう。3月末の内に社宅に引っ越すことになっていたんですが、引っ越し先の近所の河川敷の桜並木を歩きながらこの曲聴いてた覚えが有ります・・・まぁ、その会社はどうにも人間関係が苦しくて結局半年足らずで辞めてしまいはしましたが。(´・ω・`)
 SINCREAさんは確か元々Janne Da Arcのコピーバンドからスタートしてて、この曲はまさしくそのジャンヌのkiyoさんにプロデュースしてもらったということでしたか。
 彼らはFEST VAINQUEURとして活動されてますが、ジャンヌの方は…大学一年生の頃に一回ライヴに足を運んだぐらいで活動休止になっちゃいましたが、まさかそれが十年近く続いたうえにそのまま解散になるとは知る由も無く。(゜Д゜)

 今回は唐突ながら僕が聴いてたラジオの話です。それも中学生~高校生頃の話。
 90年代末~00年代初頭ですのでradikoなどは未だ影も形も無く、おまけに此方は兵庫県の片田舎に住む地方民でしたのでAMラジオ聴取はこれ即ちノイズとの闘い……比較的地理的に近いラジオ関西などは多少のノイズ交じりでなんとか普通に聴けるレベルでしたが、関東や中京圏のラジオ局の放送を聴くためには尋常じゃないジャミングの如き雑音に加えて北の国からの異言語放送も混線してきて日や時間帯によっても程度がまちまちでした。(*´罒`*)
 特に中学生の頃はアニオタだったので毎週土日の夜はいわゆるアニラジ番組を聴取するのに必死でした。当時はラジオ聴取といえば宅内ではミニコンポが主流だったかと思いますが、少しでもノイズや混線の少ない位置を求めて自室内でラジオアンテナを四方に曲げつつ、目盛りミリ単位での細心のチューニング(コンポによってはデジタルも有りましたがアナログチューニングの機器も多々)を行い、裏番組などはカセットテープに録音までして聴いていたものです。
 そんな中でほぼほぼ常時ノイズレスで聴けるFMラジオの存在は有り難く、平日の夜の勉強中などはNHK-FMを流し聴きしていることが多かったのですが、そんな中で偶然に出会ったのが平日帯のラジオドラマ枠の「青春アドベンチャー」でした。
 前置きが長くなりましたが、今回はその「青春アドベンチャー」枠のラジオドラマの中で当時自分が聴いて特に良作と感じたり印象的だった作品5選を紹介してみようと思います。
 同じく聴取経験のある方はもとより、どうやら今現在も枠自体継続していて放送中のようですのでこれまでノータッチだった方も興味の端緒となれば之幸いでございます。
 それでは・・・・・・・・・・"the Fourth Avenue Café"!!

L'Arc〜en〜Cielのシングル曲ですが、当時のドラマーのsakuraさんが覚醒剤取締法違反で逮捕されて発売中止となったうえ、タイアップしていたテレビアニメるろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の第4期EDも僅か4回流した時点で直前期のT.M.RevolutionHEART OF SWORD 〜夜明け前〜』に戻されたことで逆に強く印象付けられた曲でした。
 ・・・という無理やりな"サクラ"繋がり話。( ゚Д゚)


Ⅰ. 「青春アドベンチャー」について

 毎週月~金の一回15分間の帯番組で、全5~15回またはそれ以上の尺のラジオドラマを放送する枠で、作品によっては一話完結のオムニバス形式の場合も有り。
 上記のように中学生頃に毎晩勉強しなくちゃいけないんだけど"勉強するぞ!!"的な大上段な構えを取りたくないので、少しでも楽しい気分も味わいながら取り掛かりたい一心でラジオ聴き出したんですが、当時(90年代末~00年代初頭)は、

21:00~22:35 J-POP流す番組(うろ覚え)
22:35~22:45 オーケストラのクラシック曲演奏の録音流す番組(これまたうろ覚え)
22:45~23:00 「青春アドベンチャー」
23:00~23:15 定時ニュース
23:15~24:00 「
クロスオーバーイレブン
24:00~23:20 定時ニュース
24:20~25:00 「
ポップスライブラリー
25:00~??   「
ラジオ深夜便

みたいな構成だったと思います。
 J-POPとオーケストラの時間帯に一番勉強に熱を入れて且つ風呂に入ってしまい、「青春アドベンチャー」を聴いてインターバル、「ポップスライブラリー」の心が洗われるようなシンセサイザーのOPに併せてのパーソナリティーの津嘉山正種さん"今日も、一日が、通り過ぎていきます。昼のあわただしさの中で忘れていた、人を愛する優しさ、人を信じるぬくもりを、そっとひろげてみます。夜空の星のきらめきとともに、それぞれの想いをのせて過ぎていく、このひととき。今日一日のエピローグ。クロス、オーバー、イレブン。"の語りになんともセンチメンタルな気分になりつつもうひと踏ん張りして、日付が変わるぐらいで床に就いて「ポップスライブラリー」を聴きながら就寝・・・という流れ。
 「クロスオーバーイレブン」も「ポップスライブラリー」も曲の合間に小説の朗読なんかが挟まっていたので、思い返してみるとラジオドラマの時間帯が連チャンになっていました。

※これこれ。日中は思春期らしい同級生や上下級生との軋轢や先生方に関するあれこれや将来に対する漠然とした不安で悶々としてましたが、このひと時だけはそういうものを全て通り過ぎた大人の気分になれたというかなんというか。


 脱線気味なので「青春アドベンチャー」に話を戻しますと、僕が聴いていた当時は放送の翌週の17:45~18:00に再放送枠が有ったのですが、どのみちその時間は未だ学校で部活やってる時間なので聴き逃し回のフォローにはあんまり有用ではありませんでした。まぁ、朝ドラとかと同じで一回聴き逃したぐらいなら直後回のオープニング部分なりで話の繋がりは判るようになってはいるのですが。
 毎回15分の短さながら次回への引きはきちんと練られているものが多く、一話目を聴いて気に入った作品などは毎日続きが気になるのも難なので、カセットテープに録音だけしておいて週末にまとめて聴いたりしたものです。
 というわけで自分の周縁状況が長くなりましたが、以下、この枠で個人的に特に印象的だった作品5選です。


Ⅱ. 「青春アドベンチャー」の個人的お気に入り作品5選

1. 「オルガニスト」

〈原作〉山之口洋さん
〈放送時期〉1999年12月6日~12月17日
〈放送回数〉全10回
〈出演〉塩沢兼人さん松田洋治さん小山茉美さん柳生博さん、他

 舞台はベルリンの壁崩壊直後のドイツ。苦労の末に晴れて名門音楽大学に入学したテオは学生寮で若き天才オルガニストのヨーゼフと同室となり、運命的な出会いを果たす。
 女学生マリーアも含めた三人は愛情と友情に満ちた青春のキャンパスライフを送るが、とある事件をきっかけにそれが終焉を迎え、それぞれの人生が大きく揺れ動いていく・・・。

 序盤はなんとも言えない甘酸っぱい青春ドラマなのですが、中盤からミステリー的展開へ移行し、果てはSF的な様相も呈していきます。
 既にアニメ分野で定評のあるキャストの方々だったので非常に話に入り易く、また、序盤の幸福な時間が有るからこそ結末の哀感は得も言われぬ味わいでした。出演シーンは少なかったものの柳生博さん演じる教授先生もなんとも印象的でした。
 二人が出会った頃のヨーゼフの「僕は、音楽になりたい。」という台詞が作品そのものを象徴していて見事です。
 実は僕が偶然聴くことになった青春アドベンチャー枠の最初の作品であり、その贔屓目での印象も多分に有りますが、むこう数年間同枠作品を聴いた中でもやはり出色の出来だったと思います。

※ちなみに原作小説はこちら。第10回ファンタジーノベル大賞の大賞受賞作らしく。



2. 「小惑星美術館」

〈原作〉寮美千子さん
〈放送時期〉2000年2月14日~2月25日
〈放送回数〉全10回
〈出演〉高山みなみさん島本須美さん玄田哲章さん、他

 12歳の少年が学校遠足の日、校舎前で気を失ってこの世とは似て非なる異世界にリープし、その世界の遠足で、火星と木星の間にあるという「小惑星美術館」にいくことに・・・。

 思春期の少年がとある冒険を切っ掛けに自身と周囲を見つめ直し一歩大人になる、という王道のジュブナイルストーリー。
 全10回の中に実に様々な冒険性が溢れており、ラストに玄田哲章さん演じる親御さんが「おかえり」と主人公を出迎えるシーンはなんとも言えないカタルシスが有りました。

サウンドのみながら星々を巡る展開も相俟って
アニメ映画『銀河鉄道の夜』的な幽玄性を感じた覚えも。

 たしか、学年末試験の時期と被って来てたので終えた後のお楽しみにしようと毎話録音だけしておいて後々一気に聴いた覚えが有ります。

https://www.youtube.com/watch?v=QMw0LIfI0Oo


3.「魔女たちのたそがれ」

〈原作〉赤川次郎さん
〈放送時期〉1999年5月31日~6月11日
〈放送回数〉全10回
〈出演〉緑川光さん天野由梨さん、他

 平々凡々なサラリーマンの津田が仕事をしていると彼宛てに「助けて…….殺される……」という女性のSOSの電話が。
 相手は高校時代の恋人である依子であり、津田は慌てて彼女が小学校の教師を務めている山深い村へと車を走らせるのだが・・・。

 というわけで田舎ホラーのテンプレのようなスリリングな展開が毎回興味を惹き、幼少期に慣れ親しんだ平成ガンダムシリーズのメインキャストのお二人がご当番とあって色々とイメージが膨らみました。
 実は本作放送中の後半の週が通っていた中学校の修学旅行の時期であり、内容が気になるあまり予め母親に頼んでおいてカセットテープに録音してもらったのですが、興が乗って毎夜真剣に聴いていたもののなかなかにヒステリックなバッドエンドを迎えるラストがどうにも尾を引いたようで、修学旅行から僕が帰宅するや「聴いてて最後怖くて眠れなくなったわよ!」と開口一番怒られたのも今となっては良い思い出です。
 ちなみに母は結構なミステリーフリークで、推理小説はもとより、僕が学校から帰って来るとよく甘納豆を食べながら火サスの再放送を観ていましたが、赤川さんは専ら三毛猫ホームズシリーズのコミカルなイメージが強かったらしく、未読だった本作の異なるテイストになおさら驚いたようでした。


※ちなみにこちらは続篇。「~たそがれ」の前半放送中の週に古本屋で偶然見つけて購入し、修学旅行の電車内で読んでました。一応、前作との関連は有れど、話や登場人物は独立してるから問題無かったわけで。

ちなみにスーパーファミコンのサウンドノベル『魔女たちの眠り』としてゲーム化もされており、
後々大学生になってから手に入れてプレイしましたが、原作のおどろおどろしさやもの悲しさが
なかなかどうして再現されていたと思います。
ゲームとしてリリースされてたこと自体、リアルタイムでは知らなかったのでなんでかな~と
思ってましたが、本作発売の数週間後に同ジャンルの傑作『かまいたちの夜』が
リリースされているので印象がかき消された
のだと思います。(´・ω・`)



4. 「ダブルキャスト」

〈原作〉高畑京一郎さん
〈放送時期〉2001年4月2日~4月13日
〈放送回数〉全10回
〈出演〉今井朋彦さん、他

 とある事件をきっかけに、互いに面識の無かった二人の男子高校生が一つの身体を共有しつつ真相に立ち向かうクライムサスペンス。

 ラノベ原作作品らしいヒロイック且つ同世代的な感覚が十二分に楽しめ、アクションシーンが多いながらも音媒体によって上手く想像力を掻き立てられました。
 僕はちょうど本作を放送していた時期に高校進学だったのですが、公立校ながら進学校を標榜しており、学期が始まる前に予めたんまり出された数学の宿題と格闘しながら聴いていたのを思い出します…。

※”一方は大人しい優等生、もう一方は修羅離れした武闘派"という設定が、この数年前に一世を風靡した堂本光一さん主演ドラマ『銀狼怪奇ファイル 〜2つの頭脳を持つ少年〜』のテイストを感じさせてくれもしましたね。


5. 「北壁の死闘」

〈原作〉ボブ・ラングレー
〈放送時期〉1992年8月3日~8月14日
〈放送回数〉全10回
〈出演〉渡辺いっけいさん、他

 第二次世界大戦の最中、元は抜きんでたクライマーだった独軍軍曹が特殊任務を帯びて断崖絶壁のアイガー北壁で接敵する…。

 初放送時は未だ小学一年生でしたので当然聴いておらず、いつかの再放送で聴いたものと記憶しております。
 戦闘シーンが多いのが特色ですが、急峻な崖という特殊状況下でのそれは音媒体と言えどというかだからこそハラハラさせ、死中に活を求めるとばかりに主人公の過去の因縁が明らかになっていく展開もベタながら手堅い面白さでした。
 あと何より、普通のおじさんの印象しかなかった渡辺いっけいさんの主人公が殊更カッコよく、それまでのイメージとのギャップが強く印象に残る作品でした。
 痛みを伴いつつも細やかな幸福を感じさせる幕切れもなんとも素敵です。


 以上、こんなところでしょうか。
 他にも、ジョン・J・ナンス原作『着陸拒否』や、ジャック・フィニィ原作『盗まれた街』等、ミステリーの秀作を思い出しますが、作品の面白さに加えて自分の私生活の記憶と結びついた作品をチョイスしてみた次第です。
 あらためて振り返ってみてまたぞろ興が湧いたので、近々の作品も聞いてみようと思った次第でございます。


Ⅲ. おしまいに

 というわけで今回は僕が中高生の頃に聴いていたNHK-FM青春アドベンチャー」のお話でした。
 ちなみに前述のとおり、本作品の後の時間帯の「クロスオーバーイレブン」「ポップスライブラリー」も朗読が入っていましたが、浪人生の頃に「ポップスライブラリー」で放送された沢村凛さん原作『カタブツ』も強烈に印象に残りました。

※放送されたのはオムニバスの中の一編の「マリッジブルー・マリングレー」。
人畜無害の青年が恋人の実家を訪れた際にうっすらと既視感を覚える湖を目撃する。初めて訪れた土地で来たことなど無い筈なのだが、彼は数年前、事故で数日間の記憶を失っていた時期が有り・・・というお話。
事件などとはおよそ関わりのないような人生を送ってきた自分がもしや…と疑心暗鬼に囚われる展開が淡い恐怖を煽り、オチの秀逸さも含めて逸品でした。

 テレビと違ってながら聴きしてることが大概なので、当時の自分の生活環境と結びついてることが多いのがなんとも面白いところで。
 今回はこのへんにて。
 それでは・・・・・・・・・・どうぞよしなに。




最近日中常に喧しい選挙カー。
こないだの休日の夕方、既にほろ酔いの中を友人と駄弁ってたら
目の前を通りかかって手を振られたので勢い振り返したら
「ありがとうございます!」のけたたましいことよ…。(*´罒`*)

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