見出し画像

前川建築の環境測定について 1%システムの審査会を終えて

6/17に弘前市の1%システムの審査会がありました。

4月に前川建築環境測定プロジェクトチームをつくってから、1%システムで採択されることが1つ目の目標だったので、第一関門の日でした。

5分間のプレゼンでしたので、なんとか時間内に収めようと練習して、しゃべっては削りしゃべっては削り、5分20秒になったのでどうにかなるだろうと。

市の担当の方にもお手数をかけることが多かったので、なんとか結果を出さねばと、少し意気込んで臨みました。

□プレゼンの時間

さて、多くの審査員の方に囲まれながら、プレゼンがスタートです。
ちなみに市民参加型の審査会なので、審査委員は市民代表の方々です。

私たちの事業の内容を大まかに説明すると、
①弘前市の前川建築の環境測定をして、歴史と環境の視点から歴史的な価値を探す
②①の内容をもとに報告会などの学びの機会をつくる
おまけとして、データは市や改修に関わる業者にも提供して、今後の前川建築の省エネ計画や快適性の向上にに活かしてもらおうという事業です。

前川建築について環境の視点からも市民の方に知っていただきたいという事業です。


今までは計測機をレンタルしていましたが、事業するための計測機と学びの機会を作るための費用の補助をしていただきたいというプレゼンです。

プレゼン自体は、ちょっと時間がオーバーしましたが、言いたいことは言えたかなと思っています。

□質疑応答

そして、質疑応答

大まかに質問を書く

Q1.室内の温度計は温度しか測れないものですけど、それで問題はないですか?
A1.もちろん温度・湿度が測れるものの方がいいですが、予算の関係もありますので、優先順位を考えて温度のみの温度計を選定しました。

→推測ですが、快適性という点で、湿度が高くて不快ということもあるので、湿度も測定した方がいいのでは?と心配してくれた質問だったと思います。その通りですね。


Q2.建物の改修の際に、このような環境測定はよくやるものなんですか?
A2.構造的な診断はすると思いますが、温度などの環境の測定をすることは少ないと思います。

→改修の時に環境測定をするものなら、環境測定に2重の税金を使うことになるので、この事業はやらなくていいのでは?と思っての質問だったらしいです。その通りですね。


Q3.昨年の旧弘前市立病院の環境測定は、誰かからの依頼でやったものですか?(書いてませんでしたが、2022年にプレ事業として旧弘前市立病院の環境測定をしています。)
A3.誰かから依頼があったわけではなく、私たちが測定したかったので、市に提案をして始めたことがきっかけです。(極端に言うときっかけは趣味的なところもあったと言った気がします。)

Q3つづき.残りの前川建築の測りたいから測るということですか?
A3つづき.測りたいという側面はありますが、弘前のためにもなりますし、公共性も帯びてきている事業だと思いますので、補助をお願いしたいと思っています。

→私の頭が足りないため、申し訳ないですが、この質問の意図はあまり読み取れなかったです。
その後のこの審査員の方の審査のコメントでは、「学びの機会はわかりますが、市民への利益としてはどうなのでしょうか?」とのことでした。

私のない頭で解釈すると、利益のウェイトが市民より市の方があるのでは?という疑問があったんだと思います。市のためにやる事業なら1%システムではなくて、他の補助金なんじゃないですか?というコメントもあったので、そういう意図を含んだ質問だったのかなとも思います。


Q4.前川建築の意匠的な文献はたくさんあると思いますが、環境的なことを書いたものはあるんですか?
A4.雪の観点での環境に配慮した意匠のことを書いている文献はいくつかあります。ですが、温度など環境全般的に書いているものは少ないかと思います。(特に数値で評価するものは少ないと思います。)

→やってないことなら、やる価値があるということなのかなと思います。


質疑応答はこんな感じでした。後から文章で書いているので、ちゃんと答えられているようにみえるかもしれませんが、要領を得ない返答もしてたと思います。
粘り強く聞いて頂きありがとうございます。


□審査会での意見

その場で審査会を行うのですが、私にはこの時間に発言権はありません。

そこで出た意見としては、

・ポジティブな意見
弘前?青森?で近代建築講座も開かれているので、そこで話せるくらいの成果をあげてほしい。
前川建築からほかの建物の測定するような事業に広がっていけばいいかもしれない。
この事業をきっかけに改修が促されるのもいいかもしれない。

・ご指摘
市民に対しての利益が少ないのではないか?
観光用のパンフレットなどをつくるなどならわかるが、学びの機会だけでは、市の方が利益の多い事業なのでは?
市に対する利益が大きい事業にもみえるので、1%システムではなく、例えば環境省などの補助金でやるべきではないのか?

ご指摘に関しては、真摯に受け止めたいと思います。

市に対する利益が大きいというのは、私たちが学びの機会の内容に関して、プレゼンで時間を割かなかったからだと思っています。
また、学生に対しての測定ワークショップや勉強会など、そのような還元の仕方もあるのかなとは思います。

市民への効果という点では、考えながら活動していかなければなと思う時間でした。特定の市民に対してではなく、多くの市民に効果がある事業をというのが1%システムの評価軸でもありますので。


□結果

結果からいうと、採択されました。


厳しいご指摘もありましたが、採択していただきありがとうございます。

60点合格の63点なので、褒められた評価ではないですが、うれしいです。

お金の話をすると、62万円で見積もりをしていた事業費の50万円までは補助いただける可能性を1%システムでいただけたということになります。

12万円は持ち出しということなんですが…。
(もし、応援していただける方がいれば、サポートお願いします。)

できるだけ支出を圧縮して、持ち出しを少なくする努力は必要そうです。


多くの市民への効果という点で課題はいただきましたが、心に刻んで活動していこうと思います。


□思ったこと

多くの市民への効果の解釈って難しいなと思いました。

私個人としては、「市の利益」と指摘された点も、市の公共建築に対しての利益(省エネ性の向上や快適性の向上につながる)なので、結果としては市民にかえってくることだと思っています。

この辺も説明不足だったのかもしれません。

どうしても自分からみえる景色を中心に考えてしまうので、いろいろな方の意見を聞きながら物事を考えられるようにならねばなと思った1日でしたね。

これから1%システムに応募する方がいれば、ぜひ参考にしてください。
63点の人たちの審査会なので、参考にならないかもしれませんが笑


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?