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中国茶を楽しむだけのつもりだったのに

職場の仲間でプチ女子会をしよう、という話が出たのが先週のこと。長久手に小さなイベントスペースがあり、そこで開催される企画に参加してみないかと声をかけられ、二つ返事でOKしたのだった。内容は紙漉きのワークショップと中国茶によるもてなし会。

最初、ワークショップは席の空きが少なかったため、1人が参加し、残る2人はお茶を楽しみながらワイワイ冷やかす予定だった。ところが参加当日になると、不思議なことにキャンセルが2名分発生し、無事に3人そろって紙漉きができることになった。

楮の繊維をこれから叩いてほぐします。叩き方には性格や気分が反映されるとか。

予備知識はおろか心の準備もできないまま、講師の「かのうともみひさし」さんの前にすわり、紙について原材料から作り方から、さまざまなことを教えていただく。紙になる前、下処理をほどこした楮(こうぞ)の繊維を初めて触った。木の幹と皮の隙間にある白い美しい繊維。これを叩いてほぐし、水に溶かしてさらにフワフワにしたら、トロロアオイの汁で粘りをつける。網を張った木枠に均等に流し込み、飾り付けとして植物や貝殻、色糸などを散りばめ、仕上げにもう一度水に溶かした繊維を上にのせたら出来上がり。約一日かけて乾燥させると模様入り和紙ができる。

その後は、中国茶をいただきながら講師の方のお話を聞く時間。豊田の奥にある小原町は、四季桜の里としても有名だけれど、昔から小原和紙の里としても有名。そこでの活動の軌跡や、和紙の原料のことなど、とても熱のこもったお話を伺うことができた。その熱はワークショップに参加した人たちにも伝わったのか、初対面、知り合い同士関係なくあちこちで話に花が咲く。面白い化学反応が起きているなと思った。

中国茶は「つつ」さんに出して頂きました。氷を砕いたような砂糖菓子はつつさんの手作り。

会場となったイベントスペース「千の風」は、個人宅の一部を開放しているもの。だから、知り合いの家でもてなしを受けているような温かさがあって、ほっと落ち着けるし、初対面でも「友達の友達」みたいな気軽さで話ができるのかもしれない。こういうのをヨーロッパ風に言うと、サロンていうのかな。ワークショップを開いたりランチを提供する人が集まる。集まった人達は体験を楽しむだけでなく、人脈を広げることもできるし、そこから新しい企画が立ち上がることだってあるだろう。こういう場所が街にいくつもあれば、街の文化度は勝手に上がっていく気がする。

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