おめでとう御座います←正しくない
「おめでとう御座います」
「拝見致します」
「採用の時は連絡します」
これらの表記は【正しくない】。
ネットでなぜ正しくないのかと調べると、「一般的ではないから」とか「やさしい印象になるから」とか解説するサイトばかりヒットする。まったくお門違いもいいところだ。
なぜ正しくないのかといえば、漢字が意味を失っているから。
漢字には意味がある。たとえば「拝見」は「謹んで見る」を意味する動詞だ。「致す」は「する」を意味する動詞。「拝見致します」は「謹んで見るをする」となり、動詞が2つあることになる。
なんだかヘンテコね、ということで「いたす」という補助動詞を使用する。
※補助動詞は本来の意味・独立性を失い、付属的な意味を添える言葉
そのため「拝見いたします」が正しいのだ。
こんなふうに日本語の正しい・正しくないには意味がキチンとある。しかしこれらを長々と説明するのは手間だし、でも誤った日本語を扱うと教養がないと言われるし、ということで社会に出ると「とりあえず正しい言葉遣いでね」とされる。
ただ、こんなルールに沿わなくても意味は伝わるだろう。
わたしは日本語の扱いをルールや感情論で制限する人が苦手だ。そんなことも知らないのかと理由も言わずに指を指す傲慢さ。ドヤ顔で揚げ足取りをする人がいるから「日本語なんて嫌い😠」という人が増えるんだ。
わたしは日本語のオタクなので、日本語嫌いを増やすようなドヤ顔揚げ足取り日本語警察が大嫌いだ。綺麗な文章を書く必要があるならライターに仕事を任せたらいい。そうでもない場面なら自由にのびのびと書いたらいい。誰かに馬鹿にされていい理由はないはずだ。
ビジネスの場であればとりあえず決まり事なんだな、くらいで頷いていた方が無難だが、SNSなんかで突っかかってくる人がいたら全て無視していい。ルールに縛られず、みんなが気楽に言葉を扱ってくれたらなと日本語のオタクは思っています。
ちなみに「おめでとう御座います」がなぜ正しくないか? というと「御座います」は「ある」という補助動詞の丁寧語だからです。「(物体が)有る」という言葉とは別の意味合いを持つため、ひらがなにして区別しています。
また、「採用の時」で使用される「とき」は形式名詞といい、もともとの意味を失っている単語です。
もともと「時」は限定的な時刻を指す名詞。6時、とか梅雨時、のように使用します。「場面」や「場合」とも置き換えられる際は抽象的な時間を表すため、形式名詞を使用します。
こんな使い分けをしてもライター以外は一銭にもならないので覚えなくていいです。面白いなーと思ってくれたら嬉しいけど。
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