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アナハイムの夏はまだ熱い
2023.7.21
アナハイムのエンゼルスタジアムに4万人の観客が集まった。
大谷翔平がエンゼルスのユニフォームを着たホーム最後の登板となるかもしれないゲーム。
観客数は通常の3割増。交流戦となる相手はナ・リーグのピッツバーグ・パイレーツ、地区最下位のチーム。大観衆はゲームよりも大谷目当てだ。
しかし、大谷の変化球が甘い。
WBC決勝戦でトラウトを空振りにしとめたえげつないスイーパーは鳴りを潜め、大谷は4回表に連発で2点を先取される。
ところが、打線の中核トラウト、レンドンを欠く打線が奮起した。ホームランにはホームランで取り返す。
その裏に大量5点を奪って逆転した。
逆転後も大谷はマメの影響か、ピリっとしない。
5回表に2ランを浴びて5-4。自身の8勝目に再び黄信号が点滅する。
異様な雰囲気の球場の盛り上がるボルテージに応えて、エンゼルスは追加点でパイレーツを突き放す。
結局、大谷は自己ワーストの4本塁打を浴びて7回途中降板。なお、この日は逆なおエ、エンゼルスも4本塁打を放ち、8-5で勝利した。投手大谷の8勝目。
大谷もトラウトもホームランなしで4本塁打は初めて見た。
試合直後のインタビューでホームランを打ったウォードは興奮していた。 相手に打たれたホームランより僕たちが多く打ったから勝てた!
ホームランの数を間違えている。
確かにその日のエンゼルスはいつもの頼りないエンゼルスではなかった。
観客席のSTAY Angelsのボードを掲げた地元ファンと同じく、チームメイトは、ポストシーズンに向けて大谷が不可欠なのはわかっている。
大谷とプレーをしたいというウェットな感情もあれば、ここで消化試合に突入すると、自分たちがどうなるかもわからないという不安もある。
手首骨折でプレーできないにもかかわらずベンチにいるトラウトの圧もすごい。
とにかく
大谷のため、大観衆のため、そして自分たちのために必死だった。
TVカメラを通じてもその必死さや球場全体のアドレナリンがMAXレベルに達しているのが伝わってきた。
TVカメラは、大谷の運命を握る男、GMのミナシアンを抜きまくる。彼は他のGMと話すためか、片時もiPhoneを手放さない。
スーパースターとチームメイトと球団と大観衆の葛藤、映画を見ているようだ。
ポストシーズンを逃したチームは夏で終わる。そしてチームはロングビーチの砂の城のようにいったんバラされる。
エンゼルスのこの日のスタメンも去年と大幅に違った。
それでも大谷翔平はこのチームでポストシーズンを戦いたいと声を出している。
大谷の夢、叶えてほしい。
そして7月27日
大谷のトレードはボツとなった。
ミナシアンGMは大きな賭けに打って出た。オーナーの意向もあっただろうが、今年に全力をつくすことに腹をくくった。
FAで引き止める余地や余力があるのか?
引き止めたとしても、チームが強くなる保障はない。そんな足もとを見られてトレード話がこれだけ盛り上がったのだから。それは大谷もよく知っている。
それでも、目の前の残りのシーズンに全力をつくす大谷はその意気込みに応えた。ダブルヘッダーで完封9勝目と2打席連続HRでタイガースに連勝した。
文字通りのOMG!!!ミナシアンGM、今晩はぐっすり眠れるだろう。天使の夢を見ながら。
ネヴィン監督、今日はともかく、アナハイムに戻れば、プレッシャーで眠れない暑い夜が続くかもしれない。
ワイルドカードにクリンチするまで。
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