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エッセイ

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これまでに書いてきたエッセイのまとめです。
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物欲と金銭的余裕が反比例

物欲と金銭的余裕が一向にマッチしない。むしろ反比例してしまう。 どういうことかというと、今月はもう予算はみ出てるよ!という時であればあるほど物欲が高まってしまう。ネットを見ているとあれもこれもほしくなりカートが大変なことになる。(わたしはネットで買い物するときはカートに入れて1日置くのがマイルールなので。)それに飽き足らず、前々から買いたい思っていたいわゆる一生モノ系のブーツを急にいま買うときがきたんじゃないかと思ってしまったり、今まで挑戦したことのないバケットリストの中の

ほどよい母親になる

ちょうど1ヶ月前の今日、ついに母親になった。飴細工のように繊細で壊れそうな息子の一挙手一投足に毎日翻弄されている。 子育てに関する情報は本当に沢山溢れている。どんな細かい事象でもわたしなんかの何百倍何千倍の子供に触れてきた人たちが発信している「正解っぽい情報」にも容易にたどり着く。 ではその「正解っぽいもの」をミスなく完璧に実践しつづけると、IQ200の全く病気をしない身長190cmの子供が育つかというと、そんなわけはもちろんない。 でも、少しでも子供を完璧に近づけたい

きみの名前に込めた願い

いつか息子に話すために、名前の由来を書き記します。実用面の条件は前に書いたように夫婦2人で色々と考えました。 ▫︎夫の意見 ・中性的な名前 ・誰でも間違えずに読める名前 ・習字で書きやすい名前 ▫︎私の意見 ・母音とイニシャルが私と夫と被らない名前 ・姓名判断的なのは気にしたくない ・こじつけでもいいから何かストーリーのある名前 これだけで決めたわけではなく、もちろん漢字にも願いを込めました。 私たちの子供として生まれる以上、否応なく苦労を強いることがあると思う。例えば

婚約指輪と結婚指輪が表す関係性

婚約指輪と結婚指輪ほど二人の関係性を表すアクセサリーは無いと思う。ある人は生活の保障として大きなダイヤをえらび、またある人は唯一無二の証を求めて手作りする。 私たち夫婦もまた例に漏れず、夫婦2人の関係性を如実に表現しているのが、ゴールドの婚約指輪と結婚指輪だ。 婚約指輪については不要だが、買ってもらえるなら断るものではないかと、その年のボーナスで買うものリストに載せていたFredの少しだけ石の入ったファッションリングを買ってもらった。太すぎて関節一個が覆われるようなゴツい

隣り合わせごはんと向かいあわせごはん

我が家の食卓はテレビの真正面に二人で横並びになるような配置だ。というのも、以前に書いた通り二人で揃ってがっつり食事をするよりも、食事は外で済ませた上で、二次会的にお酒を飲む機会の方が圧倒的に多いためだ。一緒に映画やドラマを見られる角度の方がダラダラと娯楽時間を過ごすにはちょうどいい。 ただ数年暮らしてみてこの配置の欠点に気づいた。それは相手の顔が見られないということ。そして食卓にいるときに顔を合わせないと。日常生活で相手の顔をまっすぐ見る機会が極端に少なくなるということだ。

ストウブで炊くごはん

私のように夫婦共働きしている多くの家庭共通の悩みが、家事のことだと思う。 人を待たせているというプレッシャーからか、お金をもらっているというプレッシャーからか、どうしても仕事を優先してしまう。そしてどんどん優先順位の下がる家事。余白のないスケジュール。まあいいやと見て見ぬ振りする土日。 やらなくてもなんとかなるはずの家事を放置しておく。すると、生活が物理的に回らなくなるだけでなく、なんでか精神的にもかなり参っててしまう。噂によると、回っていない目の前の生活をふと俯瞰した瞬

年中無休、手ぶらでぶらぶら!

生まれてこのかた、酷い肩こりに悩まされている。 英語では”肩こり”という言葉がなくこの名詞が輸入されて初めて患者が見つかったという。言葉は偉大だ。 だからこそ、私も肩こりの原因を無視せず規定してみた。体質なのか性格なのか習慣なのか。色々検証したが、ふと生来の心配性が起因するのかもしれないと思った。というのも、つい"念の為"の荷物を鞄に入れてしまうのだ。 例えば靴擦れしたときのための、絆創膏と替えのフラットシューズ。本と、その本を読み終わったときの用のもう1冊の本。時間が

初めて彼に選んでもらった、部屋眼鏡

私は広告代理店で働いている。今まで、同業の女性に聞いて一人の漏れもなく全員読んでいたのが、おかざき真里作の『サプリ』だ。 この漫画の中で広告代理店で激務に勤しむ主人公は、家モードから仕事モードへの切り替えに「戦闘準備完了」とバレッタで前髪をアップにする。働く女には、幾つも顔があり幾つも儀式が必要なのだ。 私にとってこの儀式にあたるのが「コンタクトレンズをはめること」。これによって、目が奥までしっかりと開き無理矢理にでも目が覚め渋々社会に混ざっていく覚悟ができるような気がす

シューズも生活も、背伸びをしながら安定感重視

社会に出遅れた甘っちょろい大学生だった私がようやく何とか社会に出た時に、これは大変だぞ、と思ったことは数え切れないほどあった。 朝電車が遅延しても絶対に遅刻してはいけないこと、社内には「お疲れ様」社外には「お世話になっております」を使い分け、初対面の相手にも使用すること(これについては未だになぜかわからない)。 お酒の席で先輩のお酒がなくなりかけていたら、追加オーダーを聞き代わりにオーダーしなくてはいけないこと。メイクはしなくてはならないのに、し過ぎてもいけないこと。そして