デレステのミス・フォーチュンのイベント、良かったよな。
6000文字ちょいあるから気をつけてね。
デレステにミス・フォーチュンのイベントがきてたよ
アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージという嫌になるほど長いタイトルのゲームがある。通称デレステだ。
アイドルマスターシリーズのシンデレラガールズの音ゲーだ。スマホゲーだ。まあ、こんな記事を読んでいる人は多分その辺は知っている人だと思うのでその辺は省こう。
先日そのデレステのゲーム内イベントでミス・フォーチュンというユニットの楽曲がお披露目された。
ミス・フォーチュンのロゴ。おしゃれだ。刀の鍔にしたい。
ミス・フォーチュンのユニットメンバーは二人。スーパー不運女白菊ほたるちゃんとスーパー幸運女の鷹富士茄子からなるユニットだ。
鷹富士茄子。20歳。目の色がパルパティーンと同じで可愛い。あと声がクッソ可愛い。名前通りめちゃめちゃ運が良い。尋常じゃなく運が良い。運が良すぎて周りにも幸運がうつる。キュウレンジャーのラッキーやデッドプール2のドミノみたいなものだと思ってください。キュウレンジャーもデッドプール2も見てないなら見ろ。
白菊ほたる。13歳。可愛い。大好き。全部がかわいい。俺の担当アイドル。運がクソ悪い。最近忘れられてる設定だけど不運すぎて周りにも不運がうつると自称していた頃がある。根暗。そこも可愛い。愛してるよほたる。
すでにお気づきだろうが「ミス・フォーチュン」というユニット名はそのままMiss fortune(ミス幸運)とmisfortune(不運)のダブルミーニングとなっている。よくできている。偉い。
このミス・フォーチュンの楽曲、『幸せの法則 〜ルール〜』がイベントと共にゲームに実装された。とても良い曲だったしMVも超可愛い。
イベントというのは曲を遊ぶとポイントが溜まり、ポイントが貯まるとイベント限定のアイドルがもらえたり、ポイントの溜まり具合に応じてシナリオを読んだりすることができる。大体そういうやつだ。
俺はそもそも音ゲーが全然好きじゃない上に同じ曲を何度も何度も何度も何度も何度も何度もやらなきゃいけないのがかなり苦痛だったが、イベントシナリオ読みたさとアイドル欲しさにイベント期間中は黙々とデレステをやっていた。(音ゲーが全然好きじゃないのになんでデレステをやっているかというと3Dモデルで歌って踊るアイドルが見たいから)
今回お話ししたいのはそのイベントのシナリオについてだ。超よかったから。超よかったよな。
これまでのかこほたと俺
その前にこれまでのミス・フォーチュンの話をさせてくれ。これまでの彼女らというか、これまで俺がミス・フォーチュンをどう思っていたかの話だ。自分語りだから読み飛ばしても良いぞ。
この二人の対照的なアイドルは最初は対の存在として生まれたわけではなかった。200人近くもアイドルがいたら幸運アイドルもいるだろうし、不運アイドルもいる。それだけの話だ。だが二つの対照的なものがあったら隣に並べたくなるのがオタクというもの。通称「かこほた」という概念が生まれるのは自然なことだったのかもしれない。
俺は白菊ほたるPだが、どうもこの「かこほた」の概念が好きになれなかった。理由は二つある。
・一つはアイドルマスターのファンコミュニティにおける百合カップリング的なのがかなり苦手だったこと。(理由は長くなるので割愛する)(当然俺が好きじゃないというだけでそういうのが好きな人を批判したいわけじゃないんです)
・もう一つは「白菊ほたるには不運が降りかかりまくるのが可愛いのにこいつと組ませたら不運が薄まるだろうが!!」というもの。(こういう酷いことを言っている人は少数派です)
鷹富士茄子というアイドルが嫌いというわけではなかったが、この「かこほた」という概念は好きではなかった。
ある日その「かこほた」ユニットが公式から発信された。本家ブラウザゲー、シンデレラガールズでのミス・フォーチュンの登場だ。シンデレラガールズというコンテンツのユニットは「共通点がある? はいユニットォー!!」のようなかなり大味な感じでポンポン作られる(これができるのはシンデレラガールズの強みだと思う)。そんなポンポン作られたユニットの一つがミス・フォーチュンだ。
シンデレラガールズはソーシャルゲームだ(デレステじゃない本家デレの話)。ソーシャルゲームは大抵ゲームとして見たときにはクッッッッッソカスカスにつまらない。ではソーシャルゲームの何が面白いのかというとソーシャルの部分だ。SNSや友人らと共通の話題として共有した時に初めて面白さが生まれるのがソーシャルゲームだと思っている。(個人の意見です)(一人でも多くの人にやってもらうためにゲームとしてのハードルを極限まで下げた結果クッソカスカスにつまらなくなっているのでソシャゲがゲームとしてつまらないのは戦略的に正しい)
新アイドル、新ユニットが登場した時にゲーム画面を見てもそこにあるのは可愛い絵とチョロチョロっとしたテキストのみ。それをSNSなどで「可愛いね」「こいつと組ませたら楽しいよな」「ペニス」「こいつがこうだったら可愛い」みたいなやりとりをする。飛び交う妄想や二次創作。そこまで含めた楽しさがシンデレラガールズのソーシャル的な楽しい部分だ。(個人の意見です)
シンデレラガールズ(モバ)にライバルユニットとしてチョロチョロっとしたテキストと共にミス・フォーチュンが登場する。みんなはかこほたの話をする。「見なきゃ良いだろ」と思われるだろう。実際あまりミス・フォーチュンの話題は見ないようにしていた。ゲームに登場するたびに俺は「ま、俺はあんまり好きじゃないんだけどね」と思いながらよそ見をしていた。
俺にとってミス・フォーチュンはそういう存在だった。
しばらくして鷹富士茄子さんに声がついた。CVは森下来奈さんだ。この声がクッッッッソ可愛い。ドツボだった。それまで鷹富士茄子は俺の中では「別に特別好きでも嫌いでもないけど強いて言えばミス・フォーチュンはやだ」といったアイドルだったが、声がつくことで「ああ……この声で喋る鷹富士茄子は最高だ、ドツボだ……好き……しゅきだ……ミス・フォーチュンはやだけど」となったのだ。
そしてその後、念願かなって白菊ほたるちゃんにも声がついた。みんなも知っての通り俺は狂喜乱舞していた。
アイドルマスターシンデレラガールズのアイドルに声がつくとどうなるかというと、多くの場合は歌う。そして既存のユニットメンバー全員に声がついたらどうなるか。ユニットで歌うのだ。
白菊ほたるちゃんに声がついて、ソロ曲がついてからの初めてのシンデレラガールズのライブ。7th千葉公演。そこにはほたる役天野聡美さんの他に鷹富士茄子役の森下来奈さんも出演していた。忘れもしないミス・フォーチュンの二人で披露された『キミのそばでずっと』
まあ、そうだよな。ミス・フォーチュン揃ってるし歌うよな。ま、あんまり好きなユニットじゃあないんだけどさ。でもなんて美しく素敵な歌声なんだろう。なんて素敵なんだ。チクショウ。そんなことを思いながら見ていた。
そしてその数ヶ月後、デレステにこの二人のユニットとしての曲がイベントと共に実装されたわけだぜ。それが最初に話した「幸せの法則〜ルール〜」だ。
ミス・フォーチュン、今や白菊ほたるちゃんを語る上でなくてはならないユニットとなっていることは認めざるをえない。改めて彼女らに向き合う良い機会だ。そういうわけで俺はめちゃめちゃ構えながらもこのイベントに臨んだ。
本題:イベントシナリオ超よかったよね
やっと本題。結論から書くと俺はこのイベントでミス・フォーチュンが大好きになった。
イベント冒頭の一コマ。白菊ほたるが不運っぷりを語っている。可愛い。
ほたると茄子が揃ってプロデューサーの部屋に入るシーン。能力バトルか。
ここで一つはっきり言っておきたいのは、シンデレラガールズの世界においてほたるの「めっちゃ不運」と茄子の「めっちゃ幸運」は「気のせいだよ、物の見方の問題だよ」なんて話ではなくマジで超常現象レベルで存在するという点だ。(彼女たち自身がどう思っているかはさておき)
この二人が揃うとどうなるか、先にも述べたが茄子さんの幸運は人にうつる。ほたるの不運が緩和される。よかったねほたるちゃん。俺が嫌いなミス・フォーチュン像がこれだ。ほたるの不運が薄まるのも嫌だし、逆に茄子さんにほたるがなんの影響も与えていないのも嫌だ。ユニットってそうじゃねえだろ。互いに影響を及ぼせよ。そんなことを思いながら読み進めていた。
これはゲーム内のプロデューサーのセリフだ。デレステのPのセリフには今まであんまり共感したことがなかったが、このときばかりは心から共感して号泣した。こいつは俺だ。ミス・フォーチュンをプロデュースすることになった俺だ。俺が喋っているんだ。え、俺じゃあ桃華ちゃまに話しかけてんの? こんにちは桃華ちゃま。ナ月だよ。よろしくね。他人の精通エピソードを集めるのが趣味だよ。
ゲーム内の俺が、俺が一番嫌だったミス・フォーチュンのあり方を否定してくれた。ありがとうゲーム内の俺。ではどうするのか見せてくれ、俺。
なんかしら不運パワーを発揮してクッソ苦しんでいる白菊ほたるちゃん(左)。可愛い。見守る茄子さん(中央)。念のため言っておくと「つらい」ではなく「からい」と主張している。
それを見たサイコの人。アイドルマスターの世界はちょいちょいサイコがいる。
ところでアイドルマスターシリーズのプロデュースが可能なアイドルはほとんど全員何かしらの欠点がある(完璧なやつにプロデューサーなんて要らないから)。それをどうプロデュースで乗り越えるのか。それがアイドルマスターシリーズ共通の面白さの一つだと思っている。当然鷹富士茄子も例外ではない。顔がクッソかわいくておっぱいデカくて声も可愛いし運も死ぬほど良いし性格までめちゃめちゃ良い彼女が抱えているものは何なのか。それが彼女の口から語られることになる。
20歳の女が13歳の女にめちゃめちゃ残酷な弱音吐いてんの可愛い。彼女は幸運だからこそ、めちゃめちゃ運がいいからこそ絶対に手に入らないものがあることを語る。頑張っても頑張らなくても同じ。努力が認められない。
メタ的な話をすると、鷹富士茄子はかつてシンデレラガールズ内ではほとんど年末年始にしか出番がなかった頃がある。そういうお正月キャラとして生まれたからだ。幸運、開運キャラだからこそ抱えている闇、と言い換えることもできるかもしれない。
当時多くの茄子Pたちはそのことに不満を持っていたように思う。そして必死に「茄子さんはお正月ハッピーおめでたアイドルってだけじゃあないんだぜ!! 運だけの女じゃないんだ!! もっと出番よこせよ!!」とアピールしていたのを見てきた。今こうしてお正月以外にも出番があるのは彼らのプロデュースの賜物だろう。
そしていくら努力しても「不運」に阻まれてしまう彼女の答えはこうだ。
彼女はどれだけ不運でもそれを「自分の努力不足」だと思うことにしている。先にも述べたが、彼女の不運はそういう話ではない。マジで不運だ。不幸不運キャラに生まれてしまったからだ。それを「自分の努力不足」だと考えるのがどれだけ残酷なことか。それが彼女の卑屈な性格(可愛い)を生み出すことになったのかもしれない。不運で性格が卑屈にねじ曲がるほどの運命を持ちながら決して努力をやめないというのが白菊ほたるのキャラクターだ。白菊ほたるはベコベコにひん曲がったツルハシで岩の壁を叩き続けているような女だ。
彼女の言葉は裏を返せば「成功は自分の実力、努力によるもの」だ。このシナリオの茄子さんが最も欲しかった言葉だろう。
「成功も失敗も、自分自身の実力の結果であると信じたい」
それが彼女たちの共通の願いだ。しかし彼女たちはこう言いながらも、自分たちがそれでもどうしようもなく「不運」「幸運」であることを自覚してもいる。
そこで改めて、二人がユニットを組むということはどういうことなのか。どうしようもない持って生まれた「不運」も「幸運」も実際にあるものとする。ユニットは片方が片方を持ち上げるだけではない。互いに影響し合わないとユニットである意味がない。よく「ユニットは互いに互いを高める相乗効果」というようなことが言われるが、彼女たちにはそれすら当てはまらない。
シナリオの中で彼女たちはおみくじを引きに行く。イベントシナリオを読んだ方はもうどうなるのか知っているだろう。
大吉しか引いたことがない女と(たぶん)凶以下しか引いたことがない女が生まれて初めて中吉を引いた瞬間の顔だ。
ユニットとして訪れていなければそうなっていたかもしれない。
鷹富士茄子の良すぎる幸運は周りにうつる。そして最近忘れられ気味だった設定だが白菊ほたるの悪すぎる不運もまたうつる。白菊ほたるの運を引き揚げてやることができるのは鷹富士茄子だけだし、逆に鷹富士茄子の運を引き下げることができる唯一の女が白菊ほたるなのだ。
良いよな、互いに相反する能力の能力者が互いの能力を打ち消しあってステゴロで決着つけるしかない展開。まあ、そういう話じゃないけど。
俺は白菊ほたるの不運でスットコドッコイな目にあっている点が可愛いと思う。そこが好きだ。しかしミス・フォーチュンとしての彼女はそうでありながらも、そうでない面が見られる。ユニットアイドルの良さはそこだ。不運の能力を失ってステゴロで戦うしかない白菊ほたるを見ることができる唯一のユニットだ。茄子さんにも同じことが言える。ヒーリングファクターを失ったウルヴァリンが傷だらけになりながら戦ってたら熱いだろ(しかしそれは普段のヒーリングファクターを使ったワイルドな戦い方がかっこいいというのがあるからこそ、たまにそれを封じられる展開も熱いという話)。それと同じだ。ミス・フォーチュンの良さは能力バトルだ。
良いよな。能力バトル。
エンディングの一コマ。彼女らに限ってはそうでないことは彼女らが一番わかっている。だが二人でいる時だけはそう信じることができる。
この「不幸」と「不運」、「幸運」と「幸せ」がそれぞれ違うものだという話でこのイベントシナリオは幕を閉じる。
不運、幸運の「運」は「運勢」の「運」だが、この二人に限っては持って生まれてしまった「運命」の「運」とも言える。そういうキャラだから。
このように、二人とも自分の運が異常なことはしっかり自覚している。二人が運命に逆らう唯一の手段、それがミス・フォーチュンなのかもしれない。
2Dリッチ
最後に2DリッチMVを紹介しよう。デレステの一部の楽曲のMVには2Dリッチというモードがある。この「幸せの法則〜ルール〜」にもある。
二人の運勢を晴れ女、雨女になぞらえたストーリーだ。
度が過ぎる晴れ女っぷりで世界をマッドマックスみたいにしてしまう。そりゃ驚くわ。
ハイパー雨女白菊、思わず駆け寄る。
合わさってちょうど良いね花も咲いたしハッピー! みたいな内容で必見だ。可愛いしちょっと狂っている。
あと最後に出てくる曲のタイトルがなんか某宗教団体のあれみたい。「幸」の字と「法」の字のせいだな。
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