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【翻訳記事】ウォーハンマーRPG 4版  小柄だが見落とされない(原題:WFRP Small but not Overlooked)

<訳者注釈>
https://cubicle7games.com/blog/wfrp-small-but-not-overlooked
Cubicle7公式ブログの、2019年4月11日の記事を翻訳しました。上記リンクより原文が読めます。ウォーハンマーRPGの卓準備に役立ててください。

C7ライター、Ben ScerriによるウォーハンマーRPG週刊ブログ記事を今頃閲覧できていると信じています。もし見逃しがあったら、私たちのブログより遡れます。いつものようにFacebookとTwitterにて皆さんのフィードバックを楽しみにしています。さあブログ記事第6号を見てみましょう!

やあみんな!私の名前はBen、そしてここではちっぽけだが最も見下すべきでない(よく言わてることとは相対して)現在キャラクター作成可能な種族について議論する:ハーフリングだ!オンライン上でいくつかハーフリングについて誤解があり、私はそれらを解消するために来た。今日はウォーハンマーRPG基本ルールブックp.339の、サイズルールに注目する。 多くの者にとって、私が語ることは当たり前の話になるが、その他には、意外な話となる。さあ、あなたの一番のラムスター・パイを持って、ゆったりとした椅子に座り、ハーフリングについて語ろう!

実際に小さい/Technically Small

あらゆるハーフリングは、キャラクター作成時に、《小柄》の異能を得る(p.137)。これはつまり彼らに怪物寓話集の「サイズ」ルール(p.339)が適用されるというわけだ。てことは、他のあらゆる種族(今の所はね…)は《小柄》を持たないので、ハーフリングにはほぼすべてのキャラクターとクリーチャーに対してかなりの不利を被る、でしょ?

そうでもない…

そう、《小柄》であることには欠点はある(我々マルタ人は身長の影響についてなんだって知ってる、信じてくれ)が、隠された祝福でもある…考え方が分かれば良いんだ。なので、今回は《小柄》異能の各部分と、それがハーフリングのキャラクターのゲーム上と創作上どんな意味を持つのか議論したいと思う。

サイズによる戦闘上の修正値/Size Combat Modifiers

キャラクターはサイズによって多くの修正を得る。もしキャラクターが相手より大きければ、損傷の特性を得て、段階ごとにダメージを倍にして、命中した攻撃は薙ぎ払い(p.160)を発動する!だが、もしキャラクターの方が小さければ、相手に命中させるために+10のボーナスを得る。一つ追記したいのは、この、命中に+10は…「近接攻撃で命中」ではない…いつでも適用される!

これ自体、大したことではなさそうだ…対抗テストなしにダメージを与えるため、相手を射つことこそ優位を無くす一番の方法であると思い出すまでは。ハーフリングが間違いなく近接戦闘で苦しむ一方、彼らはサイズ差によって戦場の狙撃手として最適なのだ!ムートランド軍がスリングやショートボウで武装したハーフリングであふれているのは、この分野に長けているから。なので、 あなたがハーフリングとして遊ぶか、あなたがハーフリングのNPCを使うGMならば、この強みを生かして勇敢な彼らに適した遠隔武器を装備させよう。

大きなクリーチャーに対する防御/Defending Against Big Creatures

デカいヤツらを受け流す時、あなたは相手が1段階大きいごとに-2SLのペナルティを受ける。これはハーフリングが大半の敵へ突撃すべきでない、別の大きな理由であるが、それだけではない。このペナルティが〈回避〉に適用されないことに注目してほしい。
こちらもまた、大したことではなさそうだが、逆に、むしろ自由である。選択肢が事実上、キャラクターに対して閉じられている――すなわち無意味な選択肢である、それは絶対うまくいかないから――ならば、キャラクターがその選択肢に費やしていたすべてのリソース(XP)が他のものに突然解放されるのだ。だから、あなたのハーフリングがフェンシング技術があまり無かったり、ボクサーのバリンガムと名を馳せることが無くても、パーティの中で一番〈回避〉が高い可能性が高く、それこそ本当にデカいオウガ、トロルやもっとひどいヤツらに対処する時に有益だ。あなたのキャラクターは準備万端。他の者はできていない可能性がある。

恐怖と恐慌/Fear and Terror


ここからが我らの恐れなきハーフリング戦士にとって具合が悪くなる点だ:敵対的なクリーチャーに面した時、彼らは恐怖や恐慌(p.190)の影響を受ける。これは人間、ドワーフやエルフに対し、ハーフリングは恐怖1に〈冷静さ〉テストで対抗しなければならないことを意味する。
これはかなり重要だ。ハーフリングは距離を置ける―だが人間に追いつかれがちだし、近づかれたら戦意喪失状態を得ることに対するテストを行う場面になる―だが逃走はあまり解決策ではない。幸いにも、ハーフリングたちは高い【意志力】を持ち(そのため、高めの〈冷静さ〉も)、つまり彼らは恐怖に打ち勝つ良いチャンスがあるが、確実ではない。確かに、多くのハーフリングは注意深くなければ自分が最も不幸な時に困難な戦闘から逃げる状況に陥りがちなのだ。
決定的に戦闘で功を成すには、敵対的なクリーチャーに気づかれないことである。言い換えれば、大きい輩からは離れろ、それなら恐怖に対する心理テストも全く問題は無い。これを役立てているのが、ハーフリングが〈隠密〉、〈知覚〉、〈直観〉技能にゲーム開始時からアクセスがあることであるし、あなたはこれらの技能を成長させることを真剣に検討すべきだ。大きな奴らの顔色を窺い、感情を理解し、邪魔をしない。これはまさしくハーフリングの生存戦略そのものである。 他者の邪魔をしないように、そして謙遜で無害に見えるように彼らは進化した。注意をひいたハーフリングは踏みつぶされたハーフリングだからだ!
なので、そうだ、ハーフリングは恐怖や恐慌を彼らのより大きな同胞たちより受けやすい…だが彼らはとても小さい(種族の中で飛び切りに小さい――それに一番丸っこい!)。だから、ハーフリングは長足の友人たちより一層危険に注意しなければならず、大きい敵を倒すために協力しあわなければならない。

戦闘中の移動/Moving in Combat

さて、戦闘について話してるので、大きいクリーチャーはより小さい相手に対し離脱無しで近接戦闘から離れられることは特筆するべきだろう。これはつまり、あなたのハーフリングが仮に近距離戦闘に習熟したとしても、大きい相手と同等になれないのだ。だって、デカいやつら心配なく離れられるし、たやすく小さいやつらを押しのけるからだ!それに加え、ドワーフを除くあらゆる種族がハーフリングより高い移動力を持つので、相手が逃走したら、逃げ切きりやすいのだ。

対抗【筋力】/Opposed Strength

当然ながら、対抗【筋力】テストにおいては体が大きい方が良い。より小さいクリーチャーは大きい目標に対して力任せでいようとしたら非常に不利を被る。しかし、あらゆるものの通り、このルールはあなたに「対抗【筋力】テストを試みると失敗する」と言っているのではなく、むしろ「人間が対抗【筋力】テストを行う時、あなたはもっと独創的でなければならない」と言っているべきだ。
ハーフリングは、この世から不利を被り疎外されているので、問題に対して独創的な解決策を思いつかなければならない。当然、ハーフリングは相手に組み付けず、押し切られてしまうだろうが…それは単に彼らが網が必要なことを意味している、だろう?もしくは罠か…

踏みつけ/Stomp

一見、このルールはお咎めなしで冒険者を踏みつぶせるような人間より大きいクリーチャー(例えばドラゴンとか)に関するものに見えるが、ハーフリングは小さいため、遭遇しうるほぼあらゆるものに踏みつけを受ける恐れがある。これはつまり「踏みつけ」が「全デカい輩デフォルトルール」の一つで、人間たちが通常の攻撃に加えてたやすく蹴飛ばせる(もしくは殴り飛ばせる)ため、ハーフリングが足元から脱出する必要性を高める。

耐久値/Wounds

そして最後に、耐久値の話題だ。

ハーフリングたちは耐久値を計算する際、人間、ドワーフ、エルフとは違い【筋+】を足さず、つまり最終的に(平均して)仲間より2点低い耐久値になる。これはあまり大きな問題ではない――おそらく大きなキャラクターはもう軽い一撃程度耐えられることだろう。でも多くの人が平均的なサイズのクリーチャーが小柄なクリーチャーに2倍のダメージを与えると思っている:これはウォーハンマーRPGのサイズに関するルールを全て使用する場合、事情が異なる。ダメージの倍数は戦闘者のサイズの段階に基づいている。平均的なクリーチャーは小柄のクリーチャーに対して1段階しか大きくないため、ダメージは1倍されるのだ(つまり変わらない)。

上記のコメントをすべて考慮すると、近接戦闘に入ってしまったハーフリングは困ったことになるしひどい痛手を受ける可能性が非常に高い…だが側面にいるハーフリングは多くの敵の標的とはならないだろう;遠隔攻撃を受けるくらいが関の山だ。つまりは、少なめの耐久値(通常のダメージにおいて)は心配しなくてもいいんだ…

オウガがいなければ、の話だけどね。

これらは何を意味してるの/What Does All This Mean

これらを合算すると、かなり鮮明な光景が現れる:ハーフリングはきっと近接戦闘を避けた方が良い。潜み、感じのいいハーフリングという定型とは怠慢からではなく、むしろ、一種の生物学的な必然である。ハーフリングは注意深くなければデカい輩の世界では生き残れない。であれば、成すことすべてに自分の大きさを考慮しなければならず、己の周りの世界を気にしなければならない生活とはどんなものなんだ?

あまり考えなくてもそれがどんなものか分かるし、現実にこのような体験に共感できる方々もいるだろう…

ハーフリングのクラン/Halfling Clans

ハーフリングとして、あなたは他のハーフリングのそばにいなければならない。結局、彼らだけがあなたを真に理解できるし。なので、ハーフリングの集合性は結構理に適ってる。巨大な家族が一つどころに住み、すべての時間を共に過ごし、社会的に互いを支援するだけでなく、大きい輩がやってきたときに助けを提供する。

大きい輩の友達/Friend of the Big Folk

でもハーフリングの冒険者はいつまでも家にいられないから、大きい輩が必要だ――友人と仲間――背中を任せられるような。であるから、当然ハーフリングは友達作りが非常に得意だ――種族間で最大の【協調力】があり、〈話術〉を持って開始する――そして共に暮らしていたら素早く他者の文化を吸収する。実際、仲間が大きいほど、ハーフリングはより友好的になるようだ。ハーフリングとドワーフはあまりそりが合わないだろうが、ハーフリングと人間は大抵しっかりと友情で結ばれ、ハーフリングとオウガなら…それはもうダチコーだ!

共有の文化/A Culture of Sharing

ハーフリングは仲間とあまりに近く連れ添い、なるべく外界へ頼らないようするため、己の所有物を全部共有する…そのためか、他の種族と比べ所有権の概念があまりない。だからこそ彼らは「盗みを働いた」と疑いをかけられがちだ。実際は単に借りてただけ、取った者へ返すつもりで――共有しようと――それか、少なくとも、必要な者へあげるために。

外は広(くて古)い世界/It’s a Big (Old) World Out There

ハーフリングであることがたやすいとは誰も言っていない…少なくとも全ハーフリングではない!だけどそれがハーフリング体験の妨げとなってはいけない。ハーフリングは、エルフとドワーフと同様、人間のキャラクターとは全く違うプレイ体験を提供するのだ。それをあなたが求めていないのならば、ハーフリングのトレードオフはあなたに重くのしかかるだろう。しかしその違いを受け入れるなら、あなたは真に価値ある体験を得られるだろう!

私たちのSNSにて、皆さんが一番プレイしてて好きな種族と、その理由を教えてください!

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