美音に惹き寄せられる夏の虫
8月も後半だというのになかなか暑さが和らぎませんねぇ。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
こちらは大変体調がすこぶる悪めです(おい)
約1ヶ月ぶりの登場ですが、今回はこちらに行ってまいりました。
CHANELです。
また行ってきてしまいました…
2度目の潜入
シャネル ピグマリオンデイズ2023
8月回 東亮汰さんご出演のソワレです。
正直当たらないだろうと思っていたので、当たってびっくり👀
舞い上がってて9月回申し込み忘れました……
銀座梯子チャンスを逃しました不届者です…
プログラムはこちら
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さて、シャネルピグマリオンデイズにお邪魔するのは2度目。
東亮汰さんの公演はなかなかタイミングが合わず、次はいつ聴けるかと思っていたところで、8月回当選の知らせ。
嬉しくないわけはない。
しかも前回は両サイドの席だったが、今回はどセンター。しかも演者通路端席。
かなりの良席だったのではないだろうか。
本人の最初のMCでもあった通り、今回はイ調を中心としたプログラム。
イ長調・イ短調・イ長調になっており、これがまた明暗が演出されているようでとてもよかった。
1曲目
モーツァルト: ヴァイオリン・ソナタ 第22番
相変わらずモーツァルトの知識が不足しているので、少々簡単になってしまうが、最初のMCにもあった通り、モーツァルトが20代前半の頃に夏のパリで書いたとされるソナタの1曲だったと思う。
軽やかでかつ華やかな1曲で、出だしから真夏の暑さがどこか薄まってくれるような爽やかさ。
こういった軽やかな曲を東さんが弾くとこうなるのかと素直に感心する。
モーツァルトの作品はどれも優美であるが、この曲はどこか若々しく、それでいて楽しげな曲だが、
演奏する本人もモーツァルトが作曲した時の年齢と同年代。個人的に普段の東さんと演奏中の東さんではいい意味で非常にギャップがある印象だが、普段の青年らしさを感じられる。等身大のモーツァルトといった風情が心地よかった。
それでいて、華やかを損なわず、優美な美しさをその音色でもって見せつけられるのだからお手上げである。
2曲目
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ短調
本日のお目当てはこちらであった。
前回のマルティノンの無伴奏ソナタで、彼の弾く無伴奏ものの破壊力は体験済みである。
そこからのイザイであるので、否が応でも期待は高まってしまう。
6つある無伴奏ヴァイオリン・ソナタの2つ目に当たるこの曲。つい最近、青のオーケストラでも同じくヴァイオリンの吹き替えを担当しているヒラリー・ハーンさんが同ソナタの全曲録音を出しているので記憶に新しい。
しかしこれがすごかった。
やはり、曲自体に何かが宿っているような曲を弾かせた時の東亮汰その人の集中力と彼の弾くヴァイオリンの音色以外の音を全て吹き飛ばしてしまうような没入感は桁違いだろう。
三方向客席、その真ん中でただ静かにスポットライトを浴びる1人の青年の才能。この幾分小さな空間でこれほど間近で見れるというのは贅沢以外の何物でもない。
核心を貫くような音。
技巧の凄まじさを感じさせないかのような圧倒的な音色の美しさ。
聴くものの耳を決して離さず、釘付けにする音への集中力。
無伴奏ものというのは奏者にとってはかなりハードルのあるもののように感じてしまうのは、素人故なのかもしれないが、時に曲の全体像がぼやけてしまうこともある曲を決してぼやけさせることなく、体現するというのはそれだけの学びと自分への落とし込みからなのではないかと思う。
ここ最近、クラシック音楽の界隈から少し離れたところで過ごすことがあったのだが、そこで、海外を巡ったことのある方々と少々話をする機会があって、言語というものについて話をした。
そして、言語よりも、音楽がわかる方が言語がわかるよりも馴染みやすいということを聞いたのだが、なるほど、演奏を聴きながら、音楽というものはほぼほぼ言語なのかもしれないと思う。
発音、文字の並び、文法。それがわかって初めて言葉とは意味を理解できる。
それと同じで、音符の並びがあり、それをどこで切るのか、どこまで繋ぐのかそれが揃って初めて音楽として理解ができる。
なんとなく、そういうもので、だからこそ理論というものは必要で、奏される曲の意味をより多く受け取るためには受ける側も準備が必要なんだろうという一つの結論を見つけることのできる演奏だった。
きっと、私はまだ1割にも満たないものを受け取ったにすぎない。
3曲目
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第6番
話が逸れてしまった。休憩を挟んでのベートーヴェン。
ロシア皇帝、アレクサンドル1世に献呈されたソナタ群。いわゆるアレキサンダーソナタの中の1曲。
皇帝に献呈するにはいささか穏やかなような気がするのだが、大作曲家に文句などつけるわけではない。気品がありながら、美しい庭で過ごす休日のような肩の力の抜けた優美さが魅力だろうか。
1曲前のあの鬼気迫るような無伴奏の後のベートーヴェンは実に効果的に感じる。
ほっと一息つくように、優しい気持ちになる最後である。
これはあの朗らかであり、真っ直ぐ音楽を伝える青年の心遣いだろうか。
それにしても美音……………
ただひたすらに美しく伸びやかに響くこの音もまたこれからさらに研鑽が積まれていくのだろう。
ますます注目しなければいけないヴァイオリニストだろう。
いやそれにしても音が良い……(語彙)
アンコール
エルガー:愛の挨拶
前回のアンコールはクライスラー。
今回は何になるかと考えていたところでエルガー!!!!!!!
エルガーが婚約の際に書いたこの曲をここで持ってきますか……
短い曲でありながら、エルガーの幸せが伝わってくるような暖かで、誰もが知る有名な曲。
この曲をこの圧倒的な美音を持つ彼が弾くのだから、自然と口元も緩むというものだ。
音が良い…………(2度目)
1時間という短いプログラム
演奏が終わった時の会場の美音に魅せられた人々の雰囲気は否が応でもわかる。
盗み聞きしたわけではないけれど、どこからともなく、すごい綺麗な音という単語がそこかしこ。
これを明確に伝える言葉がない。
個人的にはいつものこと。
ただ、まだそこまで多く演奏を聴いてきたわけではないけれど、いつだって、演奏が始まれば心の真ん中を最短距離で撃ち抜いてくる音の印象は変わっていない。これでまだ大学院生というのだから、才能の世界というのは恐ろしい。
前回予測していた通り、ソリストとして、協奏曲なんかにも駆り出され始めたヴァイオリニスト。
指揮者を目指しているというのは少し意外だったけれど、コンマスとしても活躍し、ソリストとして充分すぎる素養のある彼が、指揮者を目指すのはある意味自明なのかもしれない。
今後留学するのか、誰かのアシスタントをするのか不明だけれど、少しでも多く聴ける機会をつくれるといいなと個人的にまた一つ東亮汰その人の魅力を再認識する。
また聴きに行くのが楽しみだ。
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めずらしくいつもより短くない!!!!???
(うるせえ)
はいはい。いつもの如く長々の文章お付き合いいただきありがとうございました。
外出た時、死ぬほど暑いの正直忘れるくらい、夏の夕方を爽やかに彩っていただいた良い演奏会でした。
いやーーーーー…ほんとに音が良い……(3度目)
個人的に衣装で着てた白のシャツ…あれめっちゃ可愛かった……よくお似合いでしたね。
あのシャツどこのブランドなんだろ……あれほしいな………(私欲)
そしてなんだかMCがちょっと安定してきている………!!!(失礼)
こういうところも成長していらっしゃる………
若者の成長は早い……
上では書けませんでしたが、尼子さんのピアノも今回初実演でお聴きしたのですが、今度はソロでも聴いてみたいですね!とても素敵な伴奏でした!
私ってやつはどうしても目当ての御仁しかほぼほぼ見れない不器用な人間なもんで、感想が他の人に回せないポンコツで大変申し訳ない…
聞いてないわけじゃないんですよ!!!
高校生の時から合わせてらっしゃるようなので息ぴったり。それでいて、表現が並なわけもなく、すばらしかったということは追加しておきたいと思います。
そして!今回は!!がんばって差し入れした!!!
がんばったけど、会話らしい会話はできませんでした!!!安定の不審者にしかなれませんでした!!!
怖がらせてたらほんとすんません!!!
もっと他にも言おうとしたことあったんだけど、いざ目の前きたら無理でした。消えるかと思った…………
この場を借りて謝罪しておきましょう……
私は喋るより文字のが雄弁なもので…………笑
今回も楽しかったー!今度は協奏曲を聴きに行きたいですね!楽しみ楽しみ!!