語ることのグロテスクさ
語ることは残酷でグロテスクなものだとずっと思っていた。自分の中にある概念を言葉にして語るということは、言葉にし得ないものを見えなくして殺すことだから。それでも、社会的な生き物として、生きて前に進まなければならない自分が、概念をただ概念として持っているのは(自分の中ではそれで満足するとしても)変化をもたらさないという意味で生に反するのじゃないかと、学部での学びを経て思うようになった。自分と他者との絶対的な断絶を埋める努力をするには言葉を用いて語ることが一番力を持つ。たとえそれが