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「ドーナツの穴=本体」論

この論をご存じだろうか。
何もない、まさしく”無”の空間。
しかし、そこには我々を惹きつけてやまないものがある。


◆ドーナツとは小麦粉を主成分とした生地に水・バター・砂糖・卵を加え、油で揚げたものである。おいしさもさることながら、やはり一番の特徴はその形状にあるだろう。

◆この形状は円環体と呼ばれるものらしい。しかしながら、中心に穴の開いたリング状の物はおしなべて”ドーナツ型”と形容される。ドーナツにおいては形状というものがいかに象徴的かをうかがい知れるだろう。ドーナツがドーナツたる所以はその形状にあるのだ。

◆では、このドーナツから穴をなくしたらドーナツと呼べるだろうか。想像してみる。

◆やはり難しい。穴のないドーナツが出てきたとして、「おや、おいしそうなドーナツですねぇ」と気の利いたコメントができる自信はない。「これは・・・どういった揚げ物です?」と聞いてしまうだろう。

◆つまり、ドーナツの本体は穴なのだ。そこには何もないはずなのに、実在するのは周りにある小麦粉なのに。穴という無の空間が、ドーナツの全存在を背負っているのだ。

◆これこそ「ドーナツの穴=本体」論である。これほど魅力的なものはない。


いろいろと調べていたら、ある書籍に遭遇しました。
ドーナツの穴だけ残して食べる方法(著:大阪大学ショセキカプロジェクト)
ぜひ読んでみたいですね。

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